俺が一番好きな小説家の、一番初めの作品・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「彼が生まれて初めて書いた小説作品」の中で、登場人物の女が主人公に尋ねる。
「ひとは何故死ぬの?」と。
すごいなあ、とつくづく思う。
現実世界なら、しかも関西なら、
「何てこと聞くねん!」と頭をハリセンでハタかれてしまうところだが、
小説の中で、主人公は(さらりと)答える。
「進化しているからさ」と。
我々はみんな進化していて、その「進化のエネルギー」に
個体が耐えられないから一人ひとりは死んで、
進化は次世代へ続いていく・・・・・・ということなのだそうだ。
「これはひとつの説に過ぎないけどね」とも言う。
初めて読んだ時、もう・・・・驚いてぶっ飛んで驚愕してびっくりした。
こんな完璧(に見える)答えを目にしたのは、初めてだったから。
ひとは何故死ぬの?と聞くことは
ひとは何故生きるの?と聞くことに等しい。
そして、この「進化」という概念。
「進化論」的な進化でもあるのだろうけど、
俺としては、もっと突っ込んで考える。
時間は「進む」方向にしか動かない。
これは「エントロピー増大の法則」によっても明らかである。
地球上の、いや、宇宙すべての存在が
「進む」という方向の時間に乗って生きている。
我々は巨大な巨大な船に乗って旅をしているようなものだ。
「過去」から「未来」へ向けて。
だから「生きている」ってだけで「進化している」、と言ってもいい。
前に進んでいるから。
我々は進化しつつあるのだ。
何のために?
答えは「進化するため」だ。
・・・・まるで自家撞着のようだがそうではない。
「意味」は、そこにしかないかもしれない。
そう、それだったらそれでさ、
それを「楽しんで」しまえばいいんじゃないか?
って、
最近の俺は思っています。
西暦2016年の、初夏に。
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