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2015年08月26日23:36

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今週のオークラ

 上野オークラで吉行由実監督の新作「浮気妻 寝室の覗き穴」を見る。主人公は豪邸に住む人妻。出勤する夫の頼みごとは適当に断り、キスしようとする夫に、一瞬嫌な顔をする。夫が出かけると、家政婦につらく当たり、さらに浮気相手もいる。主人公がこんな感情移入できない女でどうするのかと思ったが、中盤からサスペンスへ。
 自分のブログに書き込んできた女が、自分に似ていると見た妻は、浮気相手と旅行している間、替え玉にしようとする。金に困っている女も同意。ここからが奇妙な展開になる。女は部屋の模様替えをしたり、夫とセックスしたりと、妻の言いつけを次々破る。さらには不安定となった妻を薬漬けに誘導していく。家政婦も覗き穴から2人のカラミを見ていたり、何やらいわくありげ。ここは先が見えず面白い。
 後半は女の出来過ぎな告白、それに続く登場人物たちの心象風景で、話の不透明感が増してくる。そっくりな人間が入れ替わる話はよくあるが、この感覚は「複製された男」を思わせる。あの結末は陰謀なのか、トラウマを抱える主人公の内心の怯えによるものなのか。この不条理感は、吉行監督作では珍しい。最後の「ほくろの位置」があまり意味がないのも、この話ならよし。コメディとシリアスのどっちつかずだった前作より、はるかに楽しめた。
 
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