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2009年08月20日00:19

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"The Visitor" on August 20

「意味のある人生を生きていると言えるのか?」「人間らしさを失っていないだろうか?」鑑賞後、自分自身に問いかけたくなる作品だった。

フォト(「シアトルイベントカレンダー」<http://www.junglecity.com/event/movie/thevisitor.htm>より)
<http://www.tobira-movie.jp/>(「扉をたたく人」公式サイト)


感動による口コミでアメリカで上映映画館4館から270館にまで拡大し、半年間のロングラン上映となった作品。
GW期間に予告編を観て以来、とても気になっていた作品の試写会に今晩行ってきた。

20年間もの間、同じコースの講義を繰り返し教え続けて、忙しいふりをしている大学教授。
頑な教授にジャンベを優しく教えて、輝く様な笑顔で大好きなジャンベを演奏する移民の青年。

そんな生命力の塊の様に人生を生きている青年との出会いが、大学教授の人生を変えていく。無意味に、無関心に過ごしている自分の人生に気付かされる。

今迄は自分の生徒にも無関心だった教授が、不法滞在で逮捕された青年の為に懸命に働きかける。国外追放の知らせを事務的に伝える留置場の受付職員に「それが人に対する物の言い方か?彼は善良な青年なのに、どうして平気でいられるんだ?」と、いつもの冷静な教授からは想像出来ないほど憤慨を露わにする。それは彼が人間らしさを取り戻した瞬間でもあり、今迄無関心に生きていた自分に対する怒りとも取れる。

大学教授を演じたリチャード・ジェンキンスの名演技にも目を見張るものがある。
2009年アカデミー賞主演男優賞にノミネートされている。

この映画では、ジャンベの響きがテーマの演出に効果を発している。
公園の中で仲間が集まって叩くジャンベの「生きる喜び」の響き。
そしてラストシーン、地下鉄のプラットフォームのベンチで、一人教授が無心に叩き続けるジャンベの「心の叫び」の響き。凄まじい響きに惹きつけられ聞き入る移民風の2人の若者達、新聞を読んでいる米国男性がチラッと見るが直ぐに新聞を読み続け無関心な様子。そして、NYの地下鉄が忙しそうに通り過ぎ、ジャンベの音を掻き消して行く。

鑑賞後、自分の現状を振り返らざるを得られなかった。残りの半生、地域に貢献できる様な生き方をしようと決心して以来、特にこの半年間は、仕事をどんどん引き受けて、遊びの誘いも断る様な仕事人間になってしまっていた。試写会に行く前に、某翻訳会社の社長と新しい翻訳案件の打ち合わせがあった。まずは御礼を言うべきだったのに、「今自分は、これと、あれと、それと、あれも・・・複数の仕事をしていて時間が取れるかどうか自信がないですね〜。」という様な内容を言ったのだと思う。その後の社長さんの言葉、「本案件を落札するのに、貴方に協力してもらったから、御礼として仕事を紹介しているのですよ。」という言葉で我に返った。私の言い方にイライラ感が入っていたに違いない。こうやって翻訳で生計を立てられているお陰で通訳ガイドの仕事が続けられるというのに・・・。それもこれも翻訳会社の方々のお陰なのに・・・。試写会へと向かう途中で、仕事人間と化して、自分の発する言動が人を不快にしている事が多々あったのでは?と自分を省みた。これって、地域に貢献する事を目指している自分の生き方とは矛盾した「人間らしさ」を見失った人の生き方じゃない?・・・って。
そんな時にタイムリーに出会ったこの映画。映画を通して神様が気付かせてくれた事に感謝です。

この映画は、桜坂劇場で8月23日から28日(13:10上映)
   8月29日から9月4日(11:00、13:30上映)で上映されます。
予告編を見て興味のある方、友達をお誘いの上、見に行って下さいね。
「人と人との繋がりの大切さ」を教えてもらえます。


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