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2023年09月26日18:15

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優秀な人材ほど口にしない「NGいいわけ」免罪符にした途端、成長が止まる言葉とは?


和田裕美:ファンセールスの専門家
キャリア・スキル
和田裕美のステップアップ仕事論
2023.9.1 5:00 会員限定
優秀な人材ほど口にしない「NGいいわけ」免罪符にした途端、成長が止まる言葉とは?
写真はイメージです Photo:PIXTA
女性営業のカリスマにして先駆者の和田裕美さん。本を出すようになって20年がたち、「自分なんてオワコンだな」と思うこともあるそうです。そんな和田さんが最近気になっているのが、「配属ガチャ」という言葉。運の悪さを仕方ないと諦めてしまうのは、とても危険なことだといいます。なぜでしょうか?(作家、株式会社HIROWA代表取締役、京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授 和田裕美)

「配属ガチャ」はとても便利な免罪符
 憧れの広告代理店の内定を獲得し、「入社したら、かっこいいCMを手掛けるぞ!」などと意気込んでいたのに、配属がまさかの総務となり、華やかな企画担当どころか、華やかな人たちが集まる展示会の椅子を用意することが仕事に…なんてことは会社員なら普通にあります。希望の仕事に配属された人より、されない人のほうが多いのが世の常です。

 近頃よく耳目にするようになった、「配属ガチャ」という言葉。つまるところ、「運が悪かったから仕方ないよね」という、諦めの言葉ですね。

「親ガチャ」なんて言葉もよく見聞きしますが、いずれも「自分の力ではどうしようもない、誰かに決められたもの」といった、あらがえない運命を皮肉ったもの。確かに、子供は生まれてくる家庭を選ぶことはできません。

 生まれた環境によって人生がある程度決まってしまう可能性は、否定しません。そこには貧富の差や、遺伝要素もあるでしょう。ベストセラー『実力も運のうち』(マイケル・サンデル著)を読むと、「裕福な白人」の優位性が確実に存在する事実をたたきつけられます。

 だからこそ、「○○ガチャ」という言葉についてもっと真剣に考えてみたいのです。私が思うに、「仕方ないよね」の“先にある世界”を作れるかは自分次第。「仕方ない」から「努力しても仕方ない」「精いっぱいやらなくていい」となれば、人生はどうなるのでしょう?

 望んだ環境にいられないのは、自分の能力や努力が足りなかったのではなく、ただただ運が悪かっただけ。頑張らなくても許された気になれる。失敗しても誰かのせいにすればいい――。こんな風に配属ガチャという言葉を、免罪符にしてしまうのはとても危険だと思います。

 本当に人生を豊かにしたいと望むのなら、仕方がないことを受け入れた上で、「配られたカードで勝負するしかない」と、人生の攻略法を考えながら生きることをお勧めします。

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自分の可能性にふたをするのはもったいない

自分の可能性にふたをするのはもったいない
 バスケットボール日本代表に、身長167センチと小柄な選手がいます。チームの司令塔でもある、富樫勇樹選手です。身長2メートル前後はある海外の選手に囲まれると、彼はとてつもなく不利に見えます。

 けれど、富樫選手のプレーは多くの人を感動の渦に巻き込んでいます。それは、彼が小柄さをものともせず活躍しているからです。「生まれたときから損してる。どうせ頑張っても無駄」などと言って何も努力しなければ、今日の富樫選手が存在しないことは明白です。

 もちろん皆が皆、彼のような圧倒的な努力を積み重ねることはできないかもしれません。置かれた環境で、理不尽や思い通りにいかない場面が数えきれないくらい登場するかもしれません。それでも、自分で自分の可能性にふたをせず、「大逆転ができる自分になるぞ」と、自分を奮い立たせることってすごく大事だと思うのです。

 こんなことを言うと、セールスの世界で長年踏ん張ってきた私に対して、「はいはい、和田裕美って古くさい根性論が好きなのね」とかって思う人は多そうですよね。確かに、特に若い人にとっては、やや古くさく感じる人もいるかもしれません。

 けれど、昭和だろうと平成だろうと令和だろうと、人間が成長する原理原則は昔から大きくは変わりません。人間は、努力した人のほうが、努力しても無駄と思っている人よりも確実に成長するものです。

 仕事の配属先をはじめ、今いる環境が望んだものと違ったとしても、自分がどこまでできるのか、そこで学べることは未知数です。案外というかたいていの場合、一生懸命に向き合ったことは何らかの形で人生に役立ちます。

 私の場合も、営業の仕事は決して望んだものではありませんでした。でも、思った以上に私の人生に大きな影響を与えてくれています。希望の職種ではなかったからこそ、最初の期待も低く、小さな成果にも喜べたのだと思います。そして、その小さな成果を積み重ねて継続していく先に、人生を大きく好転させる秘訣が潜んでいます。

 そうした可能性を、配属ガチャを理由に知らぬ間に捨ててしまうのは、あまりにもったいないこと。自分の未来を捨てているのと同じです。

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「最後までやりきる」という執念が可能性を生む

「最後までやりきる」という執念が可能性を生む
 そうは言っても、最近はもっと耳に優しい話のほうが支持されます。「逃げたらいい」とか「そのままでいい」とか。

 でも、人生の課題って、残したままだと結局、追いかけてくるんですよ。「おい、課題やり忘れているぞ」ってね。

 だから、環境を変えたとしても同じような課題がまたやってくる。それでもまた逃げると、その課題をクリアしなくてもいい世界に行かざるを得なくなる。つまり、レベルそのものを下げるしかなくなります。そうなると、もう成長を望むのは難しいでしょう。

 私自身が、「環境を言い訳にせず、やれるだけやってよかった」といった経験をこれまで何度もしています。逆にそんなときってチャンスというか、ライバルが少ないので結果を出しやすいケースもあります。

 例えばですが、私は本を出版して今年で20年目になります。「女性営業のカリスマにして先駆者」などと紹介されるときもありますが、次から次にどんどん新しい人が出てきて、「自分なんてオワコンだな」と思うことも実はしばしばです(笑)。

 ただ、ビジネス書のかいわいで20年続いている人って案外少ないそうです。根性は自負していますが(笑)、でも、ここまで継続できたのは、デビュー時の環境が良くなかったからだと思っています。

 20年前、私の出版企画を断った編集担当さんの言葉は、今でもはっきり覚えています。「正直、女性のビジネス書って読まれないんです。同じ内容で同じタイトルで著者が男性か女性だったら、男性は男性著者の本を買います。女性はどっちでも買いますが、どちらかというと男性著者の本を買うほうが多い。なので、和田さんの本をつくっても売れないでしょうね」――。

 こう言われた私は悔しくて、そこで諦めたくなくて、頑張りました。その結果、今があります。当時、環境が悪かったことが、逆に最大のチャンスになりました。ちなみに当時、20社ほどが断った私の出版企画を「やりましょう」と言ってくれたのが、ダイヤモンド社です(笑)。「捨てる神あれば拾う神あり」をまさに実感した瞬間でした。

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もっと欲を出して今を精いっぱい生きてみる

もっと欲を出して今を精いっぱい生きてみる
「頑張らなくていい」「今のままで幸せだよ」といった価値観が支持されるようになった裏返しとして、「あの人、なんか頑張ってるよね」といったせりふが褒め言葉ではなく、嘲笑的な言い回しをされる場面が増えています。

「頑張ることが恥ずかしい」「頑張ってもうまくいかなかったら恥ずかしい」――周囲の目ばかり気にして殻に閉じこもりたい人にとっては、「配属ガチャ」という言葉はさぞかし便利でしょう。頑張らない理由が簡単に手に入るからです。

 けれど、人生は長いようで短い。どうせ人生はあっという間なのだから、今を精いっぱい生きてみた方がいいですよ。

 配属に恵まれなかったと感じても、そこから逃げずにやれることを探してみましょう。それから目標を再設定すればいいだけ。達成する・しないではなく、目標に向かって一生懸命に取り組んでいる瞬間は、老若男女問わず誰でも輝いています。

 輝く瞬間をつくるか、つくらないかは、あなた次第です。
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