mixiユーザー(id:3102427)
2022年02月26日19:23
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読了８冊 ／ 川瀬七緒
川瀬さん。 最近、ちょっとハマッている作家さん。
作品のメインとなる登場人物が
ファッションだったり民俗学だったりに特化して精通している。
そのマニアックぶりがなんとも魅力的なのだ。
＜既読レポ＞
https:/
https:/
そして、その最たるものが、本シリーズ！！
なんと！
ここで主人公の赤堀涼子が特化して精通するのは
私が大嫌いな＜
ム シ 
＞
彼女は、
死体を摂食するハエなどの昆虫が、人間の死体の上に形成する生物群集の構成や、
構成種の発育段階、摂食活動が行われている部位などから、
死後の経過時間や死因などを推定するというこの学問、
法科学の一分野であり、昆虫学の応用である｢法医昆虫学｣！！に
全人生を捧げている妙齢(36歳)の女性なのである。
以下、既刊７冊＋シリーズ外１冊。
コロナ禍、なんだか心身ともにちょっと萎えつつ
たらたらぐだぐだ… イッキと言うにはあまりに緩慢だったが、楽しんで読み切った。
「法医昆虫学捜査官｣(｢147ヘルツの警鐘｣2012.7より改題)
放火殺人が疑われるアパート全焼事件発生！
発見された焼死体を解剖すると…
なんとその腹腔に、大量のウジ虫が蠢いていた。
それも球状(だんご状？＝ウジだんご)になって！！
混乱に陥った警視庁は｢法医昆虫学｣の導入を決断。
東芳大法医昆虫学准教授 赤堀涼子 が捜査に起用された。
彼女担当にされたのは、岩楯祐也 警部補(蜘蛛恐怖症)。
と若手刑事､鰐川宗悟(ハンドルを握ると人格が変わる超甘党。
プロファイラー志望のメモ魔)｡
現れた赤堀は、
どう見ても20代にしか見えない丸顔童顔色白で華奢155cmくらい？の女性だった。
こうして、赤堀と岩楯の名コンビは誕生した.
未知の分野「法医昆虫学｣への周囲の冷たい目を全く気にせず、
我が道を進む赤堀に右往左往させられつつ捜査はすすむ。
そして警察､岩楯たちが地道な捜査で真相を探り当てた時、
全く別の、
ウジだんご内の一部異常成長したクロスズメバチのウジからのアプローチで
先に真相に辿り着いてしまった赤堀に危機が！！
新シリーズ第一作を読む時は
どうしても流れを探り、文の調子を味わいながら
登場人物の魅力に触れていくので､読むのにちょっと時間が掛かる。
が、時間を掛ける甲斐のある､すぐ次が読みたくなる作品だった。
「シンクロニシティ｣2013.4
トランクルームから女性の腐乱死体が発見された。
女は、恨まれた末に３人がかりで殺されたらしい。
現場の蠅とウジの状況から赤堀が呼ばれた。
今回の岩楯の相棒は月縞 新 巡査
ウジの成長から遺体が冷蔵されたことを指摘し、
サギ草の花粉から蟻を捜し、
その巣の貯蔵庫から見つけた特異なトンボのヤゴの抜け殻から
殺害場所を特定した赤堀。
今回も危機に自ら飛び込んでしまう結果になったが、
｢法医昆虫学｣と赤堀への岩楯の信頼は着々と育ってきている。
「水底の棘｣2014.7
今回、損傷の激しい水死体を見つけたのは赤堀涼子。
解剖医と南湾岸署きっての有能な鑑識官､堀之内史哉巡査部長
(一見､病み上がりの不審者)は、
絞殺後に川に捨てられたものと推定するが、
寒さが苦手なホオグロオビキンバエがなぜ居た？と
赤堀はどうしても納得できない。
今回の岩楯の相棒は､鰐川宗悟。
捜査本部は被害者の所持品から、赤堀はウジの成長度合いと微物から、
それぞれの全く別の視点で捜査を開始する。
凶器の大型マイナスドライバーが､いわゆる工具 としてだけでなく
漁でも使用される事を知ってしまった赤堀に危機が迫る！
「メビウスの守護者｣2015.10
東京都西多摩ハイキングコースはずれで､男性のバラバラ死体が発見された。
捜査会議で司法解剖医が出した死亡推定月日に、
赤堀は異を唱えるが否定される。
なぜ、遺体の死後経過と｢虫の知らせ｣が一致しないのか…。
今回の岩楯の相棒は、山岳救助隊 牛久弘之巡査長。
死体の見つかった付近の村には､うさんくさい村人が何人も…
森林という現場と周囲に悪戦苦闘する警察と一線を画し
赤堀は、ウジとハエと土中の見えない虫､そこに狸まで組み合わせて
死体の他の部分のある場所を推理、発見した。
「潮騒のアニマ｣2016.10
小さな離島で、ミイラ化した若い女性の遺体が発見された。
解剖医は、首吊り自殺で死後3カ月以上との見解を示したが、
赤堀は、遺体に｢昆虫相｣がないことに目を留める。
ミイラ状態の遺体。
なぜウジが途中で食べることをやめて消えたのか？
なんでハエは次々と産卵しなかったのか？
そんな虫の言葉を聴き取っていく赤堀は、また
警察が考えもしなかった真相に辿り着く。
「紅のアンデッド｣2018.4
※ アンデッド（英: Undead）
かつて生命体であったものが、すでに生命が失われているにもかかわらず活動する、
超自然的な存在の総称。Living Dead（生ける屍）とも。
東京都内の一軒家で、すさまじい量の血の痕と
切断された左手の小指3本だけが発見された。
殺人とも断定できずにいる中、
赤堀は、解剖医と大幅に違う被害者の死亡月日を推定した。
小指1本だけ微妙にウジの蚕食状態が異なるのだ。
被害者は極端な偏食者？ヴィーガン？
進まぬ捜査の突破口になったのは
どこからか発生した｢やけど虫＝アオバアリガタハネカクシ｣
赤堀は虫のみならず犬の不審な遠吠えの原因を見つけ
想像もできなかった真相に近づいていく。
今回から警察組織に､捜査分析支援センターが立ち上げられ、
法医昆虫学 赤堀涼子
プロファイラー 広澤春美
鑑定技術研究開発 波多野光晴
３にんの異分子が活動を開始し、
それぞれの得意分野で本領を発揮！警察の本筋捜査を凌駕した。
「スワロウテイルの消失点｣20.7
所属部署が確定したことで、
赤堀も腐乱死体の司法解剖に立ち会えることになったその矢先、
発疹、出血、痒み…
その場に居合わせた､赤堀､岩楯ら全員が原因不明の症状に見舞われた。
原因は台湾産で､本来日本には居ない｢小黒蚊(ｼｬｵﾍｲｳｪﾝ)｣
なぜ遺体にこの虫が？！
後日､被害者は宝くじ高額当選者の飯山清志(72歳)と判明し、
捜査は進み、居るはずのない小黒蚊が真相に導く。
ウジがうようよ、ウジまみれの切断された指、
ビーバーの肛門近くから採れる分泌物、カイコのフン…
そんなものを頭に浮かべつつ読む小説。通常不快だよね〜
なのに､そんな小説を貪り読んでしまう。
実は､この川瀬さん、あくまで私の主観だが、
作家力は未熟 筋立ては少々突飛、文章が巧いというわけでもない？
それでも既刊本は読み上げたいと思わせられるのは、
独特の魅力が､登場人物とその特化した知識にあるからだろう。
ある種の麻薬？
全編を通じて、作家の想いの軸となるものがぶれずに描かれる。
老人､親に虐待を受けている子供など､社会から疎んじられている存在に目を向け、
自然界に生きるあらゆる｢命｣に溢れる愛情を注ぐ。
このシリーズではそれが赤堀涼子という人間に具現化している。
そこが、大嫌いな虫絡みの小説ながら読み込んでしまう魅力なのだろう。
彼女は、虫と戦えるのは虫しかいない！と異常発生して大きな被害を与える虫をも
薬では無くその天敵を使い、適正数への調整を考える。
それは､後輩で助手でもある、
｢昆虫コンサルタント｣として様々な虫に悩まされる人を救う事を生業とする
辻岡大吉(日本とｳｽﾞﾍﾞｷｽﾀﾝのハーフ。見た目完全外人)にも徹底されている。
そんな、自身の信念さえ通せば他人の思惑や視線を全く気にしない赤堀を、
岩楯は、
「彼女の背中に挿し込まれていた補虫網が、
もはや体の一部と化しているために見慣れてしまいおかしいと思わない自分に危機感を」覚えたり、
「リヤカーゲットでご満悦だが、
そのリヤカーを連結した自転車で、霞が関界隈を爆走する姿を思い浮かべ」
首を横に振って眉根を寄せたりしながら、
どんどん大切な相棒だと思っていく。
その過程がナンとも微笑ましい。
実は、このシリーズすっかり私の中では脳内キャスティングされ、
読みながら映像化されている。
赤堀涼子＝ 満島ひかり さん
岩楯祐也 ＝ 渋川清彦 さん(直近のドラマ「真犯人フラグ｣の影響かな〜？)
ところでドーしても一言！
表紙の絵：加藤健介、なんとかならないのかな〜？
これじゃ、少年少女向けミステリー、ジュニア小説、と明記しているようだ。
内容を知らなきゃ､絶対､おじさんおばさんは手を出さないよ。
読んだら面白いのにもったいない！
それとも、ターゲットは本当にジュニア？
そうじゃないよねぇ〜。
現在、新刊待望待機中！であるが、
この画家さんでいくのかな〜？ それだけ不満。
「フォークロアの鍵｣(小説現代連載｢おろんくち｣2017.5より改題）
「法医昆虫学捜査官｣シリーズから離れ、
民俗学を研究する大学生､羽野千夏の物語。
彼女は､民俗学と言う見地から、
人間の最後に残る？“消えない記憶”？に興味を持ち、
認知症老人の養護施設に通い始めた。
そこで出逢った、
認知症でコミュニケーション不可と切り捨てられ
画一的なプログラムを押し付けられ､
人間性を無視され、ただ生かされているだけの老人たちと
交流し始めると、
千夏には彼らの中にある生き生きとした｢命｣が見えてきた。
千夏の､他人が語る言葉を具体的に画像化できるという
ちょっと不思議な力を駆使し老人たちの信頼を得ると
施設からの脱走を繰り返す老女の発した｢おろんくち｣という言葉の
解明に乗り出した。
記憶の森に潜り込む深層心理ミステリー。
本作にも、川瀬さんの、
老人､親に虐待を受けている子供など､社会から疎んじられている存在に
心を寄せていくという想いが満ちている。
まだ、作品としては未熟だが､読後感がとても暖かい。
作品のメインとなる登場人物が
ファッションだったり民俗学だったりに特化して精通している。
そのマニアックぶりがなんとも魅力的なのだ。
＜既読レポ＞
https:/
https:/
そして、その最たるものが、本シリーズ！！
なんと！
ここで主人公の赤堀涼子が特化して精通するのは
私が大嫌いな＜
ム シ ＞
彼女は、
死体を摂食するハエなどの昆虫が、人間の死体の上に形成する生物群集の構成や、
構成種の発育段階、摂食活動が行われている部位などから、
死後の経過時間や死因などを推定するというこの学問、
法科学の一分野であり、昆虫学の応用である｢法医昆虫学｣！！に
全人生を捧げている妙齢(36歳)の女性なのである。
以下、既刊７冊＋シリーズ外１冊。
コロナ禍、なんだか心身ともにちょっと萎えつつ
たらたらぐだぐだ… イッキと言うにはあまりに緩慢だったが、楽しんで読み切った。
「法医昆虫学捜査官｣(｢147ヘルツの警鐘｣2012.7より改題)
放火殺人が疑われるアパート全焼事件発生！
発見された焼死体を解剖すると…
なんとその腹腔に、大量のウジ虫が蠢いていた。
それも球状(だんご状？＝ウジだんご)になって！！
混乱に陥った警視庁は｢法医昆虫学｣の導入を決断。
東芳大法医昆虫学准教授 赤堀涼子 が捜査に起用された。
彼女担当にされたのは、岩楯祐也 警部補(蜘蛛恐怖症)。
と若手刑事､鰐川宗悟(ハンドルを握ると人格が変わる超甘党。
プロファイラー志望のメモ魔)｡
現れた赤堀は、
どう見ても20代にしか見えない丸顔童顔色白で華奢155cmくらい？の女性だった。
こうして、赤堀と岩楯の名コンビは誕生した.
未知の分野「法医昆虫学｣への周囲の冷たい目を全く気にせず、
我が道を進む赤堀に右往左往させられつつ捜査はすすむ。
そして警察､岩楯たちが地道な捜査で真相を探り当てた時、
全く別の、
ウジだんご内の一部異常成長したクロスズメバチのウジからのアプローチで
先に真相に辿り着いてしまった赤堀に危機が！！
新シリーズ第一作を読む時は
どうしても流れを探り、文の調子を味わいながら
登場人物の魅力に触れていくので､読むのにちょっと時間が掛かる。
が、時間を掛ける甲斐のある､すぐ次が読みたくなる作品だった。
「シンクロニシティ｣2013.4
トランクルームから女性の腐乱死体が発見された。
女は、恨まれた末に３人がかりで殺されたらしい。
現場の蠅とウジの状況から赤堀が呼ばれた。
今回の岩楯の相棒は月縞 新 巡査
ウジの成長から遺体が冷蔵されたことを指摘し、
サギ草の花粉から蟻を捜し、
その巣の貯蔵庫から見つけた特異なトンボのヤゴの抜け殻から
殺害場所を特定した赤堀。
今回も危機に自ら飛び込んでしまう結果になったが、
｢法医昆虫学｣と赤堀への岩楯の信頼は着々と育ってきている。
「水底の棘｣2014.7
今回、損傷の激しい水死体を見つけたのは赤堀涼子。
解剖医と南湾岸署きっての有能な鑑識官､堀之内史哉巡査部長
(一見､病み上がりの不審者)は、
絞殺後に川に捨てられたものと推定するが、
寒さが苦手なホオグロオビキンバエがなぜ居た？と
赤堀はどうしても納得できない。
今回の岩楯の相棒は､鰐川宗悟。
捜査本部は被害者の所持品から、赤堀はウジの成長度合いと微物から、
それぞれの全く別の視点で捜査を開始する。
凶器の大型マイナスドライバーが､いわゆる工具 としてだけでなく
漁でも使用される事を知ってしまった赤堀に危機が迫る！
「メビウスの守護者｣2015.10
東京都西多摩ハイキングコースはずれで､男性のバラバラ死体が発見された。
捜査会議で司法解剖医が出した死亡推定月日に、
赤堀は異を唱えるが否定される。
なぜ、遺体の死後経過と｢虫の知らせ｣が一致しないのか…。
今回の岩楯の相棒は、山岳救助隊 牛久弘之巡査長。
死体の見つかった付近の村には､うさんくさい村人が何人も…
森林という現場と周囲に悪戦苦闘する警察と一線を画し
赤堀は、ウジとハエと土中の見えない虫､そこに狸まで組み合わせて
死体の他の部分のある場所を推理、発見した。
「潮騒のアニマ｣2016.10
小さな離島で、ミイラ化した若い女性の遺体が発見された。
解剖医は、首吊り自殺で死後3カ月以上との見解を示したが、
赤堀は、遺体に｢昆虫相｣がないことに目を留める。
ミイラ状態の遺体。
なぜウジが途中で食べることをやめて消えたのか？
なんでハエは次々と産卵しなかったのか？
そんな虫の言葉を聴き取っていく赤堀は、また
警察が考えもしなかった真相に辿り着く。
「紅のアンデッド｣2018.4
※ アンデッド（英: Undead）
かつて生命体であったものが、すでに生命が失われているにもかかわらず活動する、
超自然的な存在の総称。Living Dead（生ける屍）とも。
東京都内の一軒家で、すさまじい量の血の痕と
切断された左手の小指3本だけが発見された。
殺人とも断定できずにいる中、
赤堀は、解剖医と大幅に違う被害者の死亡月日を推定した。
小指1本だけ微妙にウジの蚕食状態が異なるのだ。
被害者は極端な偏食者？ヴィーガン？
進まぬ捜査の突破口になったのは
どこからか発生した｢やけど虫＝アオバアリガタハネカクシ｣
赤堀は虫のみならず犬の不審な遠吠えの原因を見つけ
想像もできなかった真相に近づいていく。
今回から警察組織に､捜査分析支援センターが立ち上げられ、
法医昆虫学 赤堀涼子
プロファイラー 広澤春美
鑑定技術研究開発 波多野光晴
３にんの異分子が活動を開始し、
それぞれの得意分野で本領を発揮！警察の本筋捜査を凌駕した。
「スワロウテイルの消失点｣20.7
所属部署が確定したことで、
赤堀も腐乱死体の司法解剖に立ち会えることになったその矢先、
発疹、出血、痒み…
その場に居合わせた､赤堀､岩楯ら全員が原因不明の症状に見舞われた。
原因は台湾産で､本来日本には居ない｢小黒蚊(ｼｬｵﾍｲｳｪﾝ)｣
なぜ遺体にこの虫が？！
後日､被害者は宝くじ高額当選者の飯山清志(72歳)と判明し、
捜査は進み、居るはずのない小黒蚊が真相に導く。
ウジがうようよ、ウジまみれの切断された指、
ビーバーの肛門近くから採れる分泌物、カイコのフン…
そんなものを頭に浮かべつつ読む小説。通常不快だよね〜
なのに､そんな小説を貪り読んでしまう。
実は､この川瀬さん、あくまで私の主観だが、
作家力は未熟 筋立ては少々突飛、文章が巧いというわけでもない？
それでも既刊本は読み上げたいと思わせられるのは、
独特の魅力が､登場人物とその特化した知識にあるからだろう。
ある種の麻薬？
全編を通じて、作家の想いの軸となるものがぶれずに描かれる。
老人､親に虐待を受けている子供など､社会から疎んじられている存在に目を向け、
自然界に生きるあらゆる｢命｣に溢れる愛情を注ぐ。
このシリーズではそれが赤堀涼子という人間に具現化している。
そこが、大嫌いな虫絡みの小説ながら読み込んでしまう魅力なのだろう。
彼女は、虫と戦えるのは虫しかいない！と異常発生して大きな被害を与える虫をも
薬では無くその天敵を使い、適正数への調整を考える。
それは､後輩で助手でもある、
｢昆虫コンサルタント｣として様々な虫に悩まされる人を救う事を生業とする
辻岡大吉(日本とｳｽﾞﾍﾞｷｽﾀﾝのハーフ。見た目完全外人)にも徹底されている。
そんな、自身の信念さえ通せば他人の思惑や視線を全く気にしない赤堀を、
岩楯は、
「彼女の背中に挿し込まれていた補虫網が、
もはや体の一部と化しているために見慣れてしまいおかしいと思わない自分に危機感を」覚えたり、
「リヤカーゲットでご満悦だが、
そのリヤカーを連結した自転車で、霞が関界隈を爆走する姿を思い浮かべ」
首を横に振って眉根を寄せたりしながら、
どんどん大切な相棒だと思っていく。
その過程がナンとも微笑ましい。
実は、このシリーズすっかり私の中では脳内キャスティングされ、
読みながら映像化されている。
赤堀涼子＝ 満島ひかり さん
岩楯祐也 ＝ 渋川清彦 さん(直近のドラマ「真犯人フラグ｣の影響かな〜？)
ところでドーしても一言！
表紙の絵：加藤健介、なんとかならないのかな〜？
これじゃ、少年少女向けミステリー、ジュニア小説、と明記しているようだ。
内容を知らなきゃ､絶対､おじさんおばさんは手を出さないよ。
読んだら面白いのにもったいない！
それとも、ターゲットは本当にジュニア？
そうじゃないよねぇ〜。
現在、新刊待望待機中！であるが、
この画家さんでいくのかな〜？ それだけ不満。
「フォークロアの鍵｣(小説現代連載｢おろんくち｣2017.5より改題）
「法医昆虫学捜査官｣シリーズから離れ、
民俗学を研究する大学生､羽野千夏の物語。
彼女は､民俗学と言う見地から、
人間の最後に残る？“消えない記憶”？に興味を持ち、
認知症老人の養護施設に通い始めた。
そこで出逢った、
認知症でコミュニケーション不可と切り捨てられ
画一的なプログラムを押し付けられ､
人間性を無視され、ただ生かされているだけの老人たちと
交流し始めると、
千夏には彼らの中にある生き生きとした｢命｣が見えてきた。
千夏の､他人が語る言葉を具体的に画像化できるという
ちょっと不思議な力を駆使し老人たちの信頼を得ると
施設からの脱走を繰り返す老女の発した｢おろんくち｣という言葉の
解明に乗り出した。
記憶の森に潜り込む深層心理ミステリー。
本作にも、川瀬さんの、
老人､親に虐待を受けている子供など､社会から疎んじられている存在に
心を寄せていくという想いが満ちている。
まだ、作品としては未熟だが､読後感がとても暖かい。
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