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2021年10月31日20:23

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【バレエ】白鳥の湖(新国立劇場)

新制作、ピーター・ライト版・・・といっても、以前見た牧阿佐美改訂振付版を詳しく覚えているわけではないので、何がどう違うのかということは分からない。だが、プロローグで亡くなった王の葬列を提示することにより、ジークフリード王子がすぐに結婚をして即位しなければいけない状況にあることが分かりやすく説明されたと思う。
ストーリーはハッピーエンドではなく、オデットは湖に身を投げ、王子も後を追う。若い2人、特に国を治める立場になるはずの王子の衝動は、重厚で全体的に暗い色調の舞台セットと衣装の印象と合わさって、「ロミオとジュリエット」の世界観にも似ているように感じられた。

2幕目の白鳥たちの群舞は、まさに「バレエ」のイメージそのものだろう。暗い舞台にほのかに浮かび上がる白い衣装と、はかなくて柔らかな踊りが美しい。
3幕目はオディールと王子それぞれの回転技が豪華で、ホール全体の熱気が上がる。王子に愛を誓わせた後のオディールの高笑いを見ると、うつむきがちで清楚なオデットと華やかで自信満々なオディールを踊り分けるダンサーのスキルの高さに驚かされる。
個人的には、ロットバルト男爵はもっと強くあってほしいと思った。どうせハッピーエンドではないのだから、観客が「これではもうどうしようもない・・・」と打ちのめされるくらい邪悪であってもいいのではないだろうか。

緊急事態宣言が解除され、ほぼ満席ではないかと思えるくらい多くの人がホールに集まっていた。久々に活気のある劇場ではあったが・・・人数制限されて空いている環境に慣れてしまった今、この混雑ぶりが辛かった。



振付:マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ/ピーター・ライト
指揮:ポール・マーフィー
オデット/オディール:小野絢子
ジークフリード王子:奥村康祐
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