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2019年01月14日23:17

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【バレエ】ニューイヤー・バレエ(新国立劇場)

2019年最初の新国立劇場のバレエは3演目を同時に楽しめる構成で、20世紀初頭にバレエ・リュスで生まれた「レ・シルフィード」「ペトルーシュカ」、そして「ペトルーシュカ」と並んでストラヴィンスキーの三大バレエの1つとされる「火の鳥」の新制作が上演された。チャイコフスキーの王道バレエを一通り鑑賞した後はストラヴィンスキーの前衛的な作品も見たいと思っていたところだったので、ワクワクしながら劇場へ。
3演目とも、指揮はマーティン・イェーツ、演奏は東京フィルハーモニー交響楽団。

<レ・シルフィード>
ストーリーはなく、ショパンの曲に乗せて詩人と空気の精たちとの交感が描かれる。奥深い森の中、シルフィードたちの白い柔らかな衣装が幻想的。とてもロマンティックだが、ほとんどが長調の曲で、短調は1曲だけ。短調のほうがショパンらしいのに・・・。フィナーレが「華麗なる大円舞曲」というのも、静謐な雰囲気にそぐわない。こういう作品だと思うしかないのだけれど。
振付:ミハイル・フォーキン
出演:小野絢子(シルフィード)ほか、井澤 駿(詩人)

<火の鳥>
初めて見る作品だし、新制作でもあるので、今までの作品の解釈と何が違うのかを比較することができない。あらすじは公演リーフレットを読めば分かるが、観念的なところがあって理解が難しいように感じられた。男装していた娘が王子をかばい、彼女が女性であることが発覚した時の反乱軍兵士たちの、すさまじい暴力性の表現が見事だった。
振付:中村恩恵
出演:木下嘉人(火の鳥)、米沢 唯(娘)、福岡雄大(リーダー)、井澤 駿(王子)

<ペトルーシュカ>
まず、ロシア的な土俗さに圧倒される。男性ダンサーたちのコサックダンスやムーア人とバレリーナの人形振りもハイレベル。だが、何より、ペトルーシュカのヘタレっぷりがあまりに強烈で、最初から最後まで呆気にとられたままだった。クタクタした人形振りもすごいが、自己肯定感の低いいじめられっ子の雰囲気、孤独や絶望など、負の感情がこちらに乗り移って来るかのような迫力。ペトルーシュカが気の毒すぎて、最後は涙が出てきた。
振付:ミハイル・フォーキン
出演:奥村康祐(ペトルーシュカ)、池田理沙子(バレリーナ)、中家正博(ムーア人)
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