�⊆�家製版の映像
◆グリゴロ版
グリゴロ版の初演は１９６６年で、
手元にはボリショイの新旧映像がある。
古い方はＮＨＫが１９８９年に撮影したもので、
主役はアルヒーポワさんとムハメドフさん。
新しい方は２０１０年に収録されたもので、
主役はカプツォーワさんとオフチャレンコさん。
画質は当然ながら、こちらの方が綺麗だ。
主役の女の子の名前は、映像内のテロップには、
旧盤ではクララ、新盤ではマリーとなっていて、
さらに旧盤の日本語解説ではマーシャと記されている。
本国の公式サイトではどうなっているのだろう。（笑）
グリゴロ版は、マリインスキーの映像に比べると、
演奏のテンポが速くリズミカルで、踊りもダイナミック。
マイムがすべて踊りに置き換えられているのも特徴だ。
人形劇はなく、
黒人人形の音楽では悪魔と魔女が踊る。
１幕のくるみ割り人形は女性ダンサーが担当する。
宴の後には招待客たちの帰宅場面が挿入されるが、
クララが寝室に戻るような場面はない。
ねず軍団の登場場面も大幅に変わり、
兵隊人形は男性。くるみ割り人形はその先頭に立って戦う。
コミカルさはなく、男性群舞の踊りを魅せる趣向。
ちなみにクララ／マリーが投げつけるのはろうそく。
火事になるぞ。（笑）
雪の場では主役の２人もけっこう踊る。
群舞は２４人。
要所要所にドロッセルマイヤーが現れて、
物語をリードする。
２幕冒頭にはねず軍団の逆襲もあるが、
撃退して人形たちの踊りになる。
アラビアがバヤデルカみたない衣装のインドとなり、
他の人形も振付や小道具がだいぶ違う。
花ワルは屋外、雪の中の舞踏会の印象で、
クララ／マリーと王子の結婚式という設定。
ＧＰＤＤの最後では、
マリーが代役と入れ替わり早着替え。
客間に置かれた人形を抱きしめて、
素敵な夢だった〜、で幕。
◆ヌレエフ版
ヌレエフ版「くるみ」の初演は１９６７年で、
スウェーデン・ロイヤル・バレエ向けに作られた。
「ドンＱ」同様、パリオペのヌレエフ版は、
ご当地バージョンのひとつだ。
手元にはバレエ団の異なる新旧２枚があって、
古い方は１９８９年リリースのパリオペ映像。
収録年は不明だが、王子を務めたイレールさんが、
エトワールになったのは１９８５年だから８５〜８９年のはずで、
ヌレエフさんが芸監だった時代の映像だ。
主役はクララがモーランさん、
ドロッセルマイヤー兼王子がイレールさん。
プロローグはあるが、ソ連の版とは演出が異なり、
街の悪ガキたちを脅すため、
ドロッセルマイヤーが花火を使うなど芸が細かい。
衣装はやや古めかしいが、デザインも凝っている。
人形劇はパリオペ学校の子供たちが演じる。
熊さん、ここを参考にしたな。（笑）
機械仕掛け人形もデザインが変わり、
黒人人形は中東風となり、女性が踊る。
大人の群舞が終わると唐突に場面が変わり、
クララはひとり、客間の椅子で寝ている。
わらわらと２０匹近く出てくるねず軍団は、
デザインのシルエットがちょっと変だが、
中身は子供なので動きがかわいい。
クララがねず王にかじられそうになると、
くるみ割り人形と兵隊たちが登場。
こちらも子どもなので、グリゴロ版を観た後だと、
戦闘場面は動きがちまちまして物足りないが、
おとぎ話だからイメージ的にはこちらの方が似合っている。
ねず軍団もなぜか鉄砲をもっているため、
兵隊人形は全滅してしまうが、
隙を突いてくるみ割り人形がねず王に襲いかかる。
本当はクララがタオル？ みたいなものを投げつけて、
ねず王の気を逸らすのだが、
タイミングがおもいきりずれているのは、
生舞台によくあるトラブルということで。（笑）
（後述のウィーン版では投げてないし）
場面が暗転し、暗闇の中からイレール王子が登場。
ＰＤＤを踊っているうちに、場面は雪の場へ。
足元大丈夫か、というほど雪が降る。群舞は２４人。
ソ連／ロシアの映像の後だと、どうしても動きは見劣りするが、
それでも今のパリオペよりは上手いし、
フォーメーションや演出が異なっていて面白い。
群舞の最後は再びＰＤＤとなり、霧の中に王子は消える。
気付けば元の客間。人形たちの国へ行くのではなく、
人形たちが客間にやってくるという演出。
その人形たちは最初、
着ぐるみのような巨大な頭部をかぶっているのだが、
熊さん、これも応用したな。（笑）
人形たちの振付や演出にもかなり手が入れられ、
難しそうな踊りはボリショイのダンサーで観たい気もするが、
パリオペのダンサーたちも頑張っている。
花ワル、ＧＰＤＤと続くのは同じだが、
ＧＰＤＤの振付もやはり難しそう。（笑）
続く群舞が終わると、薄暗い客間で２人だけのＰＤＤ。
王子がクララを椅子に載せ、
彼女は踊り疲れたかのように寝てしまう。
照明が戻ると、そこはまだ宴が続いている客間。
お開きの時間となり、帰宅するお客たち。
雪の中へ去って行くドロッセルマイヤーを見送るクララ。
もう１枚は、２０１２年に収録された、
ウィーン国立バレエ（元ウィーン国立歌劇場バレエ）のもの。
配役はコノバロワさんとシショフさん。
映像は新しい分綺麗だし、
パリオペの映像は手に入りにくいので、
とりあえずヌレエフ版を観てみたい、というのなら止めない。
しかしルグリさんが芸監になってまだ２年目くらいの映像だから、
玉石混交、石の方が多いので、急いで観たいのでなければ、
古いパリオペの映像を探した方が良いだろう。
◆ライト版
国内でもスタダンが演じているし、
都さんが踊っているということで、
ディスクも相応に出回っているから詳細は省くが、
物語性を強化しているがライト版の特徴だ。
ディスクのあらすじを読み返すと、
シュタルバウム夫人は元バレリーナだったとか、
甥が人形に変身させられてしまったのは、
ドロッセルマイヤー自身のせいだったとか、
設定がけっこう細かい。（笑）
クララ役とドラジェ役を別のダンサーが踊るので、
都さんの出番が少ないのは残念だが、
２幕ではクララも人形たちと一緒に踊るから、
クララにも力量のあるダンサーが配されている。
手元にあるライト版のディスクは、
バーミンガム版と、ロイヤルの新旧版。
バーミンガム版は、解説に都さんとライト卿のサインが並ぶ、
ぱろ家の家宝である。（笑）
収録年と配役は、
バーミンガム版が１９９４年、
クララがマジックさん、ドラジェが都さん、
王子がムハメドフさん。
クララの兄弟はフリッツで、弟の設定。
ロイヤル版の古い方は２００１年収録で、
ドラジェは同じ都さんだが、
クララをコジョカルさん、王子をコープさん、
そしてドロッセルマイヤーをダウエルさんが演じる、
ぜひ手元に置きたい１枚だ。
ロイヤルの新版は２００９年の収録で、
都さんはここでもドラジェを踊っている。
クララはルーツさん、王子はマクレーさん、
ドロッセルマイヤーはエイヴィスさん。
モレーラさんや蔵さんの名前もある。
◆熊川版
ライト版をはじめ、古今のさまざまな版を参考に、
熊さんが物語性を重視しつつ再構築した作品で、
今も少しずつ進化している。
ただし収録映像はバレエ団創設初期、まだレベルが低い時のもので、
しかも熊さんメインのアイドル皿的編集をされているから、
若い頃の熊さんのテクニックを観たいとか、
熊川版の初期の演出を知りたい、という人以外にはお薦めできない。
舞台美術は豪華で、ねずみのもふもふ感は特筆に値する。（笑）
物語性の高い演出は観ていて楽しく、最期はほろりとさせるなど、
「くるみ」の改訂版としては上位に入る出来なので、
ぜひ最新の舞台をディスク化して残してほしい。
◆トマソン版
サンフランシスコ・バレエの持ち版で、
ディスク映像の収録は２００７年。
配役はクララがパウェルさん、
ドラジェ（ここではシュガー・プラムの精）がザホリアンさん、
くるみ割り人形／王子がカラペティアンさんと、
日本では馴染みの無い名前が並ぶが、
雪の女王にヤンヤン・タンさんが配され、
２幕のＰＤＤではクララの変身後としてコチェトコワさんが踊る。
トマソンさんはここの芸監で、
２０世紀初期のサンフランシスコが舞台となっている。
クララのアルバムとして、オープニング代わりに現れる映像は、
古いサンフランシスコの様子だという。
ドロッセルマイヤーは時計店の主人。
クララ家での仕草は魔術師というよりも手品師。
街行く人の衣装や招待客のドレス、
建物のデザインは古いアメリカン・テイストで、
蓄音機があったり、ツリーの飾りに電飾と、
これはこれで面白い。
機械仕掛けの人形は道化師とバレリーナ。
３体目の黒人人形はどうするのかと思ったら、
冒頭で彼が造っていた小さなくるみ割り人形を、
大きな箱に入れると、中から等身大になって出てくる、
という演出。箱に戻すと、元のサイズに。
その後の展開は特に変わらないが、
深夜、ねずみ登場の音楽でやってくるのは、
道化師、バレリーナ人形と、なぜか太鼓を叩くフリッツ、
そしてドロッセルマイヤー。
その前にクララはカウチで寝てしまうから、
夢の中、ということなのだろう。
ねずみが登場するのはツリーが大きくなってからで、
暖炉やプレゼントと一緒にくるみ割り人形（役）も大きくなる。
ねずみやくるみ割り人形のデザインが、どことなくディズニー的。
くるみ割り人形がピンチになると、クララは何かを投げるのではなく、
彼女の指示で兵隊たちがねず王の背後にねずみ取りを置く。
クララがねず王の背中を叩くと、
ねず王は「なんだ？」と振り向きざまに罠を踏んでしまい、
ひるんだところをくるみ割り人形が一撃を加えるというもの。
トムとジェリーかい。（笑）
負傷した人形はドロッセルマイヤーの手で王子に変身。
２人のＰＤＤ。
雪の場では、クリスタルをイメージした馬の頭を付けた、
男性ダンサーの引く橇に乗って、雪の王様と女王様が登場。
２人のＰＤＤに続き、雪の群舞。
人数は１６名くらいでちょっと寂しいが、
半透明のロマンチックチュチュ姿が美しい。
（女王はクラシック・チュチュ）
ここでも足元が心配になるほど粉雪が舞い、最後は猛吹雪。
２幕はいきなり子役の演じる蝶やテントウムシが登場するが、
これはパナマ運河開通記念博覧会（１９１５年）の、
パビリオンの中という設定だからで、ここが２幕の舞台となる。
早々にシュガー・プラムの精も登場し、
王子はクララの活躍を伝える。
各国の人形たちによる歓迎の踊りは、
アラビアでは巨大なランプの中から女性が現れたり、
中国は女性の代わりに５人で演じるドラゴン（中華街のアレ）、
フランスは新体操風と、演出も凝っていて楽しい。
他の版では省かれてしまうジゴーニュおばさんも登場するが、
スカートはサーカスのテントを模しているので、
中から出てくるのは熊。
花ワルではシュガー・プラムも一緒に踊るが、
このザホリアンさんが、なにげに上手い。
コチェトコワさんは可愛いし、王子役のカラペティアンさんも、
アメリカ人受けはしなさそうだが、上品で美しい踊りをする。
クララのそばにはドロッセルマイヤーもいて、
どこかの版のようにほったらかしにはされない。
最後は夢オチだが、舞台装置の転換も自然。
トマソンさんが古典を重視する人だけあって、
要所に配された人はたしかに上手い。
少し変わった演出、でもはずれ過ぎない「くるみ」を観たい人には、
お薦めのディスクだ。
◆イーグリング版
オランダ国立バレエの映像で、収録は２０１１年。
主役はクララがツィガンコーワさん、
王子がゴールディングくん。
イーグリング版は、
新国の新シーズン・オープニングを飾る新制作版として、
最近話題になっていたが、イーグリング版の初演は１９９６年、
このオランダ国立バレエだった。
その後彼がＥＮＢの芸監に就任すると、そこでも作っているから、
新国の新制作「くるみ」は、パリオペのヌレエフ版同様、
ご当地バージョンのひとつということになる。
私は新国の舞台は観ていないので、
どのような設定になっているのか知らないが、
オランダ版の舞台はアムステルダム、
シュタルバウムもオランダ式の呼び方なのだろうか、
スタールボム家となっている。
時期もクリスマス・イブではなく、
聖ニコラス（サンタのルーツらしい）の命日イブ（１２月５日）。
物語は、我が師の感想を聞いている限りでは、
概ね同じようなのではしょるとして、
群舞がいまひとつ綺麗に見えないところもあるが、
演出は一応凝ってはいるし、バレエ団の力量も、
一度来日してもらい、生で観たいレベルなので、
新国の舞台を思い出したい人や、
主役２人のファンにはお薦めのお皿だ。
◆オシポワ版
世間では、オシポワというと元ボリショイ、
現ロイヤルの元気娘の顔が思い浮かぶだろうが、
このオシポワさんは元マールイのダンサー。
２００８年に退団後、彼女は自身のカンパニーを立ち上げ、
（サンクトペテルブルク・オシポワ・バレエ）
自分たちのために振付けた作品。
収録は２００９年とあるから、設立直後、
あるいは旗揚げ公演の映像かもしれない。
主役は著名バレエ団からのゲストというよりは、
有望な若手のレンタルで、
クララ役のリトヴィノワさんはボリショイ、
王子役のトルポスキアディさんはダンチェンコのダンサー。
またドロッセルマイヤーにマールイのミャスニコフさんが客演、
オシポワさん自身もロシア人形を担当している。
オープニングでは、招待客がＫのねずみのように、
客席からやってくる。（笑）
冒頭、運河でインライン・スケートをしているのは、
イーグリング版からのアイディア拝借だろうか。
ほかにもスキーをする人や、
マシュマロみたいな雪だるまを作っている人もいる。
お金がなさそうなので舞台装置や衣装は簡素だが、
（ツリーなど半透明のただの円錐形）
カラフルで照明の使い方も工夫しており、
重厚さはないがポップな感じにすることで、
あまりチープな印象にはならずに済んでいる。
アイディア倒れだったが道化師は操り人形を模し、
黒人人形の代わりにくるみ割り人形が踊る。
くるみ割り人形を小柄な男性が演じるのは、
マールイのボヤルチコフ版に通ずる演出だ。
ねず軍団はカトラリーで武装しているが、お尻が猿みたいで変。
ねず軍団と兵隊人形の闘いが始まると、
クララはどこかへ逃げて行ってしまうし、
戦闘終了後の王子の登場も唐突で、
雪の場への移動は天上から下がってきた「板」に、
ブランコのようにクララが乗るだけと、
イーグリング版以上にツッコミどころが満載だ。
雪の場は奥に大きな窓があるだけで、
ダンサーの衣装も雪っぽくなくコンテ作品のよう。
群舞も１ダース程度と少ない。
２幕冒頭でドロッセルマイヤーのヴァリがあるのも、
ボヤルチコフ版のようだ。
舞台装置は１幕の流用で、踊り手の衣装が変わっただけ。
そのデザインがまたポップ。
王子のヴァリのあと、ねず軍団の逆襲を退けると、
大きな時計を描いた背景画が現れ、
これまたマールイのよう。でもなぜ時計なんだ？
トレパックでは、
３体の巨大なマトリョーシカ人形の中からダンサーが出てきて、
最後にオシポワさんが「白鳥」のルースカヤを披露する。
終盤、彼女の後ろに並んだマトリョーシカたちがくるくる回る映像は、
前衛的ですらある。（笑）
フランスも男性一人に女性４人で、
女性はなぜかプードルに扮している。
古典と現代アートの融合と言えば聞こえはいいが、
ラストも特に夢落ちというわけでもなし、
全体に大雑把な印象で、いろいろな意味で中途半端な作品だ。
ただ、ダンサーの基本的な動きはそれなりに美しく、
そのへんのバレエ団よりクラシックしている。
やはりロシアは土台が違うのだな、と実感。
ロシアのローカルでマイナーなバレエ団には、
こういう地ビール的な改訂版が沢山あるのだろうな、
と思わせる、箸休め的なディスクだ。
◆バランシン版
ＮＹＣＢでの初演は１９５４年で、
手元には同団の輸入盤が新旧２枚ある。
古い方は１９９３年頃、新しい方は２０１１年頃の収録なのだが、
新盤の画質が期待したほど良くはなかった（悪くはない）。
ダンサーは当然ながら異なるし、
演出もわずかではあるが手が入っているものの、
役によっては旧盤の踊り手の方が上手かったり、
新盤のダンサーの方が良いなどまちまちで、
平均するとどっちもどっちだから、
買うのなら手に入りやすい方でいいだろう。
マリーとシュガー・プラムは別役というか、
総じて登場人物が幼く、１幕の子役やねず軍団、
兵隊人形は小学校の中低学年くらいかもしれない。
またシュガー・プラムの相手は王子ではなくカバリエ。
１幕の宴の終わりに「眠り」の間奏曲が挿入され、
２幕の人形たちのデザインには原型の欠片もないが、
どれもカラフルで奇抜だから、バレエ作品ではなく、
ディズニーのような子供向けエンタメ作品と思えば、
そこそこ楽しめる。
ただし、バランシン作品としての片鱗は、
雪の場と花ワルくらいしかない。（笑）
「白鳥」のイメージからすると、��のカテゴリーかと思ったが、
美術や衣装、２幕の踊りが個性的な点を除けば、
思ったより「普通」の「くるみ」だった。（笑）
�Ｊ兮�版の映像
◆バール版
ベルリン国立歌劇場バレエのディスクで、収録は１９９９年。
くるみ割り人形／王子をマラーホフさんが演じている。
マリーは某大公国の公女で、幼い頃にさらわれてしまう。
それがプロローグで、その後の経緯は不明だが、
つらい記憶を封印した彼女は、
現在はシュタルバウム家の娘となっている。
そんな彼女がもし母親と出会えたら？
という幸せな物語をドロッセルマイヤーが紡いでくれるのだが、
残念ながらそれはクリスマス・イブのはかない夢だったという、
ちょっと悲しい物語。
変則版の中には、ベジャール版やマーフィ版のように、
これのどこが「くるみ」なんだ、とツッコミたくなる作品もあるが、
バール版は「くるみ」の材料と筋立てを利用して、
新しい物語を構築しつつも原典の雰囲気を残している。
バレエ団の力量はさほど高くないので、
「古典バレエを観たい！」という人向けではないが、
マラーホフさんのファンや、改訂版コレクターになら薦められる。
ディアゴスティーニのシリーズなので、
本屋の片隅に売れ残っているのをみかけたら、
買っておいても損はないだろう。
◆ベジャール版
ベジャール・バレエ団の映像で、２０００年収録。
ジル・ロマンさんや小林十市さん、
エリザベット・ロスさんの名前が並んでいる。
ベジャール好きな我が師は、
来日公演や東バがやると熱心に通っているが、
古典限定の私は、巨大な母親像以外、記憶に残っていない。（笑）
◆アイスバーグ版
スウェーデン・バレエの映像で、収録は１９９９年。
ペッテルとロッタという孤児兄妹が主役の、
地元のおとぎ話と「くるみ」を融合させた作品。
バレエというよりは舞踏劇で、
「くるみ」にする必要はあったのか、
と言ってしまえばそれまでだが、
馴染みのある曲を耳に、
異国の風物や奇抜な舞台美術を鑑賞すると思えば、
案外楽しめる。
◆マーフィ版
オーストラリア・バレエの映像で、１９９４年収録。
同団はバレエ・リュスをルーツに持つバレエ団のひとつで、
その前史を描いた作品。
振付家がフィギュア・スケートの人なので、
踊りもあまりバレエっぽくないが、
演出や物語はちょっと気に入っている。
バレエを良く知っている人が振付を改訂し、
物語ももう少し整理すれば、
さらに良い作品になるだろう。
時間が足りず、後半は駆け足になってしまった。
改めて積み上げると結構な数だが、
人気演目だけあって、販売されているディスクは、
これでもすべてではない。
また紹介したお皿の中には、
現在手に入らないものもあると思うが、
中古を見かけたり、
将来再版された時の参考になればと思う。
なお今月２４日には、
ＮＨＫのプレミアムシアターで
マリインスキーのワイノーネン版（２０１７年収録）、
（シャキロワ／ザレーエフ／ヤコブレフほか）
http://www4.nhk.or.jp/premium/
ＷＯＷＯＷで
ロイヤルのライト版（２０１６年収録）
（ヘイワード／エイヴィス／カスバートソン／ボネッリほか）
http://www.wowow.co.jp/detail/111909
が放映される。
どちらも新しい映像なので楽しみだ。
○その１
http://mixi.jp/home.pl#!/diary/3210641/1963997413
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