mixiユーザー(id:411965)

2017年06月11日00:32

264 view

「パトリオット・デイ」映画

『パトリオット・デイ』
<ストーリー>
2013年4月15日。117回目のボストンマラソンが行われ、走者が次々とゴールする盛り上がりの中で突如大爆発が起こる。警備に参加していた殺人課の刑事トミーは現場を指揮して被害者を移送する。やがて到着したFBI捜査官のリックはこれをテロ事件だと断定し、捜査が始まる・・・

<コメント>
 『バーニング・オーシャン』に続いてのピーター・バーグ監督とマーク・ウォルバーグの作品は今回も事実をきちんと踏まえたうえで見事に再現した物語。一歩間違えば安っぽいTVの再現ドラマになってしまうところを人間ドラマの部分を念入りに描くことでサスペンスフルなフィクションとして昇華するのに成功している。だから、マーク・ウォルバーグは要所々々に出てくるのでかれども、決して主役ではなく、むしろ狂言回し的な位置づけとなっている。『バーニング・オーシャン』のときも登場人物は全て実在のものだから誇張は最小限となっていたけれども、今回もまあ出てくる人物は現実を出来る限りトレースした感じでエンドロールで出てきた本人を見て感心するほどである。

 当時の事件の大まかな展開は知っていたけれども、構成が巧いのでまるで現実を追いかけるかのようなサスペンスフルな物語として楽しめた。特に前半で様々な人々を均等に描き、一体事件にどう関わってくるのかと思っていたらそれぞれが意外な形で事件に巻き込まれていくのがまるでよく出来たパニック映画のようで夫々の運命に思いを馳せてしまう。特に、かなりの尺を使って描かれる中国人留学生の運命に仰天してしまった。しかも、住宅地の市街戦の迫力は凄まじく、まさか現実にこんなことが起こるのだからアメリカこええ〜。

 犯人の奥さんがイスラム教の信者だったり下手したらヘイト的な内容になりかねないところを犯人の異常性を大きく描き、さらに身体の一部を失い、それでも逞しく生きる被害者たちを描くことで作品のテーマをいわゆる“テロリストを倒せ!”ではなく“テロに負けない強さを持て”としているところも好感が持てる。しかし『ハドソン川の奇跡』『バーニング・オーシャン』といい、この作品といい、“アメリカ頑張れみんながヒーロー実話”が多いのはトランプみたいな言葉だけ強い指導者なんて要らない、という映画人の心意気かな。

パトリオット・デイ
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=411965&id=4232144
5 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年06月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930