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2015年03月14日09:34

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随筆「甦る楫取素彦」第184回

5、廃娼当時の群馬青年の意気 (森川抱次)

 森川抱次はかつての明治の県会で、廃娼論をとなえ、楫取県令と力を合わせた人物である。当時、県会の外で青年たちの意気は軒昴たるものがあった。
 森川は青年の奮起を次のように語る。「県会の賛成を当時の県令楫取素彦氏が容るるところとなり明治21年を期して廃止せられるべく決せられた。然るに楫取氏が去って佐藤与三氏が知事として赴任するとこの問題もすこぶる疑わしいことになった。ここに於いて我が上毛の青年は立ち上がった。明治22年7月14日、前橋本町の三眺楼で第一回の旗挙げをし、県下20有余の青年会はたちまち連合軍を形成した。その主動者が前橋の上毛青年会であった」
 以下、森川の目で青年の活躍を見るわけであるが今日の青年と比べるとその違いに驚かされる。即ち青年の動きを次のように描写する。
「新任知事佐藤氏によって発せられた娼妓取締規則の改正は県の精神たる廃娼主義にすこぶる矛盾したものであったため四方から反対の声が起こり上毛青年連合会はその急先鋒として陣頭にあらわれた。(中略)青年連合会は同年11月第2回の示威運動を高崎の春靄館(しゅんあいかん)で開催した。集まった代表者は百十余名に達し、遠くは14、15里を徒歩で至った者もあり、握飯、腰弁当草鞋(わらじ)といういでたちで高崎市中を大旗をおし立て、行列正しく堂々として観音山に至り、野外演説数番を試み、その夜は岸井座にて各会代表者20余名の演説会が開かれ、傍聴者は立錐の余地なき程の盛会であった」

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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