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2014年12月30日20:17

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【映画】みんなのアムステルダム国立美術館へ

社内のどんな小さなプロジェクトでも必ず反対意見は出る。スケジュール遅延も日常茶飯事。メンバーはいつも無駄にバタバタさせられる。
国立美術館の改修という規模になったとき、プロジェクトで何が起きるのか――当然、何もかもがパニックになる。
「自転車が通りにくくなる!」と、ごねる市民。「プランを変更するなら何故自分たちの提案をコンペで採用するのだ!」と、不機嫌を隠さない建築士。「壁の色が気に入らないからとりあえず変えてみようって、何それ。ビジョンがなさすぎる!」と、呆れる内装デザイナー。工事は何度も中断し、スケジュールはずるずると遅れ、館長は途中で辞任・・・。スケールはもっと小さいけれども自分が今まで関わった社内プロジェクトでの嫌な出来事を否応なく思い起こさせられ、妙に胃が痛くなる(笑)ドキュメンタリー。
改修作業が中断していても、中で働く人々は休まない。新しい作品の獲得(失敗することもある)、修復、展示のコンセプトとスペースとの兼ね合いに頭を悩ませるスタッフたち。
妥協点を探すために積み上げられた気が遠くなるほどの努力と忍耐。そしてとうとう迎えたグランド・オープン。関係者はよく我慢して頑張ったなぁ・・・。

興味深かったのは、オークション失敗と仏像の新規入手。
国立美術館では予算を超過しての作品購入は不可能だ。オークションで予想以上に高値がついて購入希望作品を諦めざるを得なかったコレクション・ディレクターが気の毒だった。日本の美術館でもたまに「新規購入作品」を見ることができるが、それらの作品は本当に強い縁があってその美術館にやってきたということなのだろう。
アムステルダム国立美術館は日本から新規に仁王像を入手し、展示をすることになった。アジア館の部長が仏像を感動した面持ちで飽きずに眺めている姿が非常に印象深い。正装した日本の僧侶たちが展示室の仁王像の前で読経をしている様子は不思議でもあり神聖な雰囲気でもあった。



監督:ウケ・ホーヘンダイク
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