近世(金星)の蒼空
ぼくが
生きてきた
摂氏15度の世界は
いつしか喉も嗄れるほど
絶望的に 乾ききっていた
争い・諍いなど無益なもので自分の世界を穢したくはなかった
水に潜った魚
水草(みくさ)
あるいは鳰(にお)
僕は思いのままに自在に姿を変え生きようとした
自由に生きられたのに
摂氏15度の世界は
とにかく
立とう
斃れまい
水辺の虹
猛々しい闇
罵声鳥
ぞんざいな形容詞
ふるへるらふそく
堪えよ
堪えよ
何ひとつない
金星の蒼空
灰とダイアモンド(ズビグニエフ・チブルスキー)。
指田悠志
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