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日記一覧

・・Kのばかやろう
2019年07月18日05:52

銀次郎の若かった頃、ある日Kという友人から電話がかかってきた。自分よりいくらか歳がわかくて、背が高く、顔はジェームスディーンに似ている色男だった。まあ当時自分がハマっていたゲームの友人だったんだけれど、彼はけんかっ早いことこの上なく、自分が

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若い頃お金がそんなになかったとき、カツカツであっても、材料を買い込んで友人を自宅に呼んでよく夕食を食べた。よき知り合い、よき友という存在は、多少のことがあっても、夕餉を共にしたい、そう思わせるもので、一時期は居候まで家にいた。貧乏でも、友人

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農具小屋暮らしで困ったことの一つには、いかに身体を清潔に保つか、これも大事であった。山の中に分け入って火種をとってきたり、遊んでいると、どうしても汗をかくし、さまざまな汚れがつく。ほっておくとかぶれるし、かぶれたあとに汗をかくとかゆくて夜眠

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家出し山中の生活も数週間すると慣れてきた銀一郎、水も食料もなんとかできる算段がついた。”やればなんとかなる”この言葉はよく使われるがほんとうだった。足りない足りないというのではなくて、なんとかできないかと困ることによって人は知恵をしぼる。ア

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小さな農具小屋を見つけ、そこを仮のねぐらとしたのはいいものの、夜はとにかく寒い。申し訳程度の板壁は容赦なく風を呼び込む。いくら毛布にくるまろうと寒さをしのげるものではなかった。山の中であるから風がきつい。ゴーゴー、ビュービュー吹く風はときに

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家出がその癖となった銀一郎は、あいも変わらずその中学生のころ家出を繰り返していた。折檻の絶えない義父を嫌って、その大阪を飛び出し、祖母のいる広島に来たのだが、大阪弁が抜けず友達ができず、また小学校もろくに通わなかった銀一郎にとって中学の授業

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