京都大学の構内を出たさやの足取りは軽かった。前途に光明を見出した思いであった。「こんなに嬉しいことはないわ。御隠居様も大喜びよ」こずえが自分のことのように喜ぶ姿が、さやには光を放つように見えた。 帰りの車中で、2人の話は万場老人のことに及ん
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