男は小さな紙片を渡すと、あっけにとられた正助を置いて姿を消した。正助は高鳴る胸を抑え、平静を装ってその場を離れた。〈夢か〉。正助は兵舎に戻ると信じられぬ思いで先ほどの出来事を振り返っていた。異郷の果てで、ハンセンの同病者から草津と万場老人の
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