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2026年08月03日06:03

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理想の人格

一昨日、ジャズライブを聴いた。演奏された曲の一つに Fly Me to the Moon があった。意訳すれば「私をいい気分にさせて」くらいになるのだろうが、そこで思い出したのが、竹宮恵子『私を月までつれてって!』である。こちらは意訳ではなく、まさに直訳だ。

主人公のニナ・フレキシブルは、まだ小学生くらいの、ESPを持つ早熟な少女。
その恋人が、大人であり、しかも英雄的な業績を持つ宇宙飛行士ダン・マイルドである。
ダンは、半ば子どもをあやすような調子でニナと付き合っているが、周囲からは色眼鏡で見られる(ロリータ・ナントカ)こともあるが、本人はまったく動じない。そういう意味でも、妙に余裕のある人物だ。

私の理想は、このダンである。
いざという時には抜群に頼りになり、判断も的確なのに、普段はどこかぼんやりしていて、しょうもない――とニナには見える――物、たとえば食玩や珍しいマニア向けコレクションに妙にこだわる。

つまり、普段は少し抜けているのに、スイッチが入ると途端に超有能になる、落差の激しい男なのだ。
しかも、その「超有能」を常に発揮し続けない。そんなことをしていたら、本人も周囲も疲れてしまうだろう。そのあたりを実に自然に回避している余裕がある。
この余裕こそが、ニナをやきもきさせる理由でもあり、同時に彼女がダンにメロメロになる理由でもあるのだと思う。

私は、歳を重ねるほどに、こういう人になれたらいいと思う(もう歳を重ねた今となっては、仮定法過去完了形だが)。
必要な時だけ力を発揮し、普段は肩の力を抜いて周囲を安心させる。
ダン・マイルドの魅力は、能力そのものより、その能力との付き合い方にあるのだろう。

宇宙飛行士が恋人なのだから、「私を月までつれてって!」は比喩ではない。
本当に月へ連れていくことのできる恋人との物語なのである。

これ普段の"ぼーっと"が、この男(少年?)の場合極端に"女の子へのアプローチ"に寄っているけれど、いざというときには頼りになる(必死に支える)と言う点で、ダン・マイルドと諸星あたるは似ているところがある。だから、ニナのようにラムもメロメロ(というか電撃やきもち)になる、と。

おっと、寝たきり司令官のヤン・ウェンリーもそうだった!
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