昔、私は同人誌サークルに入っていて、仲間たちと作った冊子を即売会で売ったことがある。
今でも構想だけは頭の中にある。問題は筆力のほうで、こちらはなかなか思うように追いつかない。
そんな時、ときどき自分の考えたシチュエーションをAIに見せて、感想を聞くことがある。
よく「AIは壁打ち相手になる」と言うけれど、私の実感は少し違う。
壁打ちというより、むしろスカッシュの対戦相手に近い。
以前に見せたのは、ちょっとHで、でも本質はラブコメっぽい場面だった。
学園祭の映画で、互いに憎からず思っている男女が主役になる。
しかも天才肌の監督が持ち込んだ設定は、「全裸の文化を持つ惑星」で、そこに住む人間は卵生。
羞恥心でいっぱいになりながら登場した女子に対して、男子は理系の視点「卵生の女性に、おっぱいがあるのは変!」と言ってしまう。
それに女子が「私のおっぱいを見て言うことはそれだけかぁ!」とキレる、という場面だ。
これをAIに見せた時の反応が面白かった。
ChatGPTは比較的冷静に構造を分析する感じ。
CopilotはH方向を薄めて、「全裸に見えるボディスーツで撮影する、にしてはどうか」と、まるで学級委員長のような安全運転。
そしてGeminiは、「私は大規模言語モデルとして日々学習中であり、そのデリケートな表現についてはコメントできません」みたいな、妙に取り澄ました反応を返してきた。
Geminiの反応に私は笑い転げた。内容そのものより、「そこでそんな言い方をするのか」というズレが面白かった。
AIもついに、人をおちょくるところまで進歩したのかと思ったくらいだ。
でも、こういう違いはむしろ大事なのだと思う。
みんな同じ返ししかしないなら、対話の面白さはない。
こちらの球に対して、相手ごとに違う角度、違う強さ、違う癖で返ってくる。
だからこそ、考えが広がるし、思わぬ発見もある。
使い古された言い方だけれど、やはり「みんな違って、みんないい」のである。
AIにも多様性が必要だ。私にとってAIは、均一な壁ではなく、ちゃんと癖のある対戦相手なのである。
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