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2024年04月13日06:17

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南米アマゾン熱帯雨林が原産だったカカオがメソアメリカからヨーロッパに伝わるまで

 カカオ豆の国際価格が暴騰している。カカオ豆の値段が騰がっていることは、2月10日付日記の「バレンタインデーを間近にして、今年のチョコはさらに苦く:カカオ豆の異常高騰で(https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202402100000/)」でも述べたが、その騰勢は収まらず、先頃ついに欧米市場の先物価格で初めて1トン1万ドル台に到達し、代表的な産業素材である銅の価格(1トン9300ドル台)を上回ってしまった。
 さて、上掲の先日日記は、聖バレンタインデーにまつわるカカオとチョコの価格のことを話題にしたが、カカオの木がアマゾン原産だったことは最近まで知らなかった。初めて王侯貴族・神官に飲用にされたメソアメリカだとばかり思っていたのだ。

◎パイナップルのように甘い果実の食用から始まったカカオ
 アマゾンの熱帯雨林に自生していた先住民が、おそらく1万数千年前にカカオの実を食べていたのだろう(下の写真の上=アマゾンのカカオの実、下の写真の下=今もアマゾンの先住民はカカオを様々な形にして食べている)。幹に直接実を付けるカカオの実は、実は果実だ。食べたことはないが、食べるとパイナップルのように甘いという。しかし今のカカオ栽培では、この果実を目的としていない。
 中の種子が、カカオ栽培の目的なのだ。その点、赤い実をたくさんつけるコーヒーと似ている。
 この種子を初めて利用したのも、アマゾンの先住民だ。種子の利用は、偶然に始まったのだろう。例えば焚き火の中に食べたカカオの実の残りの種を捨てたところ、焦げた種は極めて香り高いを放つことに気がついたに違いない。
 それを石で砕いて粉にして飲んだら、中のカカオバターも混じって美味かったのだろう。

◎栽培化は3600年前頃、南米エクアドルで
 カカオの栽培は約1万3000〜2400年前のどこかの時点で起こった可能性があり、現在最も有力な仮説は約3600年前だろうという。意外なことに、カカオの初めて栽培化されたのは、従来考えられてきたメソアメリカではなく、現在の南米エクアドル辺りであることも分かっている。
 それが、トウモロコシの伝播の道をたどってメソアメリカにも渡った。メソアメリカの住人は種子で苗を育て、それで農園を作ったのかもしれない。

◎メソアメリカへ移入
 そして、カカオの粉にトウモロコシ粉を混ぜ、調味料としてトウガラシを加えた。
 滋養強壮剤として、上流階級に愛飲されたのは、分かる(図=古代マヤの都市カラクムから見つかった絵。カカオ飲料を作って飲む様子が描かれている)。ただ、これでは「美味い」とはとても言えなかったに違いない。
 種子のカカオ豆は、半分を油脂のカカオバターが占める。これが、風味を多少は良くしたかもしれない。

◎「コロンブス交換」でヨーロッパへ
 カカオもまた、「コロンブス交換(図)」(コロンブスの新世界到達の1492年から始まった東半球と西半球の間の植物、動物、食物、人口(奴隷を含む)、病原体、鉄器、銃、思考に及ぶ甚大で広範囲にわたる交換のこと)でヨーロッパに渡った。新大陸のもたらした農産物は多岐多様に及び、例えば今の世界で、とくに開発途上国では主食にもなるトウモロコシ、ジャガイモ、またラッカセイ、トマト、トウガラシなども重要な食料となった。カカオは、その1つだった。
 ヨーロッパでも、最初はアステカ帝国のような飲み方をされたのだろう。しかし、ここには高価だが、砂糖があった。

◎ココアバターと砂糖を加えてチョコレートに
 それでも最初はあまり普及しなかったらしい。油脂のココアバターを抜いて、コーヒーのように湯を注いで飲んだのだが。ココアバターを抜いたのは、粘性が強く、コーヒーのように飲めなかったからだろう。
 その後、ココアバターも捨てずに加え、それに砂糖を加えて生まれたのが、チョコレートだ。ココアバターの量を少なくし、飲用にしたのが、現代のココアである。
 前にも書いたが、貧しい母子家庭の僕の子どもの頃、チョコレートは年に1回、食べることができたかどうかの高価なお菓子だった。今も、カロリーが高いので、それほど食べない。
 しかし高カロリーという特性から、山行やマラソン大会出場時に持参する。ふだんから食べていたら、間違いなく肥満していただろう。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202404130000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「2年後に迫る大阪万博、胸躍る『空飛ぶクルマ』、会場内では全面的にキャッシュレス化」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202304130000/

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