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2024年03月24日12:33

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読書「世界でいちばん透きとおった物語」「浦沢直樹 描いて描いて描きまくる」「スタッフロール」「チャンバラ」「禍」

「世界でいちばん透きとおった物語」杉井光著
母親の不倫相手である多情な大御所ミステリ作家が死亡。主人公は腹違いの兄弟からの連絡を機に小説家が死の間際まで執筆していた小説の行方を追う。女達や関係者を訪ねて父親の真意を知る。文章トリックミステリ。

「浦沢直樹 描いて描いて描きまくる」
浦沢直樹の初期作から「ビリーバット」までの制作インタビュー。味のある大勢の脇役、読みやすく計算されたコマ割り、複雑に絡まる物語、が著者らしい作品。それぞれの作品ごとに挑戦していたそうでそう言われるとなるほどと。イラストやラフもいっぱい。

「スタッフロール」
深緑野分著
前半は戦後ハリウッドの女性特殊造形師が主人公。後半は現代ロンドンの女性CGクリエイターが主人公。映画のリメイクを巡り彼らは関わることに。特殊効果の変遷や現代のCGやり方も描かれる

「チャンバラ」佐藤賢一著
宮本武蔵の生涯をほぼバトルの表現に特化。吉岡一門の百人斬り、佐々木小次郎との戦い、鎖鎌を使う野武士。敵の特技もそれぞれ面白く、武蔵がどう考えどう戦うのか一緒に考える感。剣戟の表現が映像的で理解しやすく、まるでアクション映画。少年漫画みたいだと思ったり。

「禍」
小田雅久仁
著者の旧作から新作まで集めた短編集。『耳もぐり』『食書』『柔らかなところへ帰る』『農場』『髪禍』『裸婦と裸夫』『喪色記』を収録。人体がテーマの短編集で感覚的に気味が悪く、SFともホラーともサイコものとも見える。「耳もぐり」は別人に取り憑く人間の話だが、耳の穴からぬるっと人体に入る描写が奇抜。「農場」は鼻を栽培して人間に育てる描写、「食書」は紙を頬張る感覚、どれも奇抜で肌感覚が不気味でどこか寂しい。
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