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2024年02月12日23:56

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浦島太郎にはならずに済んだものの…

 前々回は、祖母が毎月朝日新聞を送り続けてくれたおかげで自分が浦島太郎にならずに済んだといった趣旨のことを書きましたが(https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986885826&owner_id=22841595)、それでも限界があったこともまた事実でした。
 祖母は送る新聞の記事本体とは無関係な広告の類いは裏面の記事に影響しない範囲でカットしていたのです。これは、少しでも送る新聞の重量を減らすことで、なるべく郵便料金を節約しようとしたものでした。
 記事本体を送ってもらえるだけでもすごくありがたいことだったので、これは私たちの方でも納得していたことではありますし、今さら祖母を責めるつもりなど毛頭ないのですが、ただこの結果、ある種の情報はすっぽり抜け落ちることになってしまいました。
 広告されていた商品(特に新商品)に関する情報はもちろん、週刊誌が取り上げる芸能界のスキャンダル等、朝日新聞の記事にならない話題がそれにあたります。
 一見これは大したことではないように見えますが、実際上は決して無視できることではありません。人は国政について考えたり語ったりしなくても何日も生きていけるものですが、今日何を食べるかとか、どうでもいいような噂話とかの下世話なことは頻繁に考え、語るものですからね。
 もっとも、食べる物については、父が食道楽だったり、丁度銀座にマクドナルド1号店が出来た頃だったりしたので、むしろ私の方がよく知っていたこともあるのですが、問題は芸能界の情報とか、テレビ番組とかでした。
 例えば、‘70年代初頭の日本で流行った歌謡曲は何かという時、超有名で紅白でも歌われたような曲なら、ある程度ついていけました。紅白を録音したカセットテープを送ってくれた人もいたし、1971年の紅白については、こんな形(https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1937121108&owner_id=22841595)でビデオ録画を見ることもできたからです。でも、そこそこ有名だったものの紅白では歌われなかったといった曲(例えば民放ドラマのテーマソング等)になると、お手上げでした。
 また、テレビ番組では、渡米前は『帰ってきたウルトラマン』が子供だった私の一大関心事だったのに、帰国する頃には『仮面ライダー』シリーズが超人気になっていて、びっくりしました。いつのまにか、ショッカーとかいうわけのわからないヤツが悪の世界を牛耳っていて、なかなか馴染めませんでした。
 馴染みのあったウルトラマンシリーズの方はどうなったのかと探りを入れてみると、こちらはエースとかタロウ、さらにはレオくらいまでは続いたようですが、どうやら弟になればなるほど強くなっていくのが子供たちにも不自然に感じられたのか、少なくとも岡山市界隈ではあまり顧みられていませんでした。
 そんなわけで、’70年代初頭の芸能界やらテレビ番組やらを持ち出されると、「えっ! 知らないの?」とびっくりされることが、今でも時々あります。
 比較的最近びっくりされたのは、『ミュンヘンへの道』というテレビ番組があったのを私が知らなかったことです。
 この番組はバレーボール日本代表(男子)が、ミュンヘンオリンピック(1972年8月26日開幕)へ向けて取り組む様をチーム全体、あるいは選手個々のエピソードを交えて取り上げたものです。ドキュメンタリーとアニメーションを一体化させた番組で、エピソード部分はアニメーション、また練習の模様などは実写映像を使って放送されたものです。
https://www.youtube.com/watch?v=xMzXUxmZG3o

https://www.youtube.com/watch?v=HGR97hXO2e8

 『ミュンヘンへの道』は、1972年4月23日から8月20日まで放送され、さらに特別編として同年9月24日に不二家の時間(TBS)で放送されたということです。
 な〜んて私が説明するまでもなく皆さんよくご存知ですよね?
 ミュンヘンオリンピックで男子バレーボールの日本代表が金メダルを獲ったことは知っていたものの、なかなかチャレンジングなこの番組を私は知りませんでした。祖母が送ってくれた新聞にもラテ欄のページは(裏面に記事があるので)残ってはいましたが、すでに放送済みの番組ばかりが並んでいる頁なので、ほとんど読まずにいたためです。

 今思えば、帰国直後の私は、浦島太郎ではなかったものの、かなり変な子だったのではないかと思います(自分ではかなりまともで、むしろ変なのは日本人の方だと傲慢にも思い込んでいたのですが)。ショッカーも『ミュンヘンへの道』も知らないくせに、どういうわけか田中角栄内閣とか日中国交回復とかは知っていて、しかもアメリカにいたものだから、キッシンジャーとかウォーターゲートとかの言葉までも飛び出してくる。同年代の子どもは違和感をハンパなく感じたのではないかと思うのですが、よくこんなのを友達扱いしてくれたものです。それを思うと、今でも感謝、感謝です(^^♪
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