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2024年02月12日21:15

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作品を読む 『ウルトラマンブレーザー』は最高傑作だった!

長野では二週遅れらしく、今週ついに『ウルトラマンブレーザー』の最終回を観た。まず断言しておく。『ブレーザー』は最高だった!!!

 前々作の『ウルトラマントリガー』が、相当にいい作品で、僕は大好きだった。『トリガー』はしかし、ある意味では『ウルトラマン』っぽくない方向性でもって、『ウルトラマン』の新しい形を生み出した作品だった。

 三人の悪の幹部がいて、主人公がウルトラマンである事を知る二人の友人。一話完結の話より連続性のあるキャラクター劇で展開していく物語は、「ウルトラマン」より「仮面ライダー」っぽい作品だった。しかしそれが面白く、僕は「ああ、ウルトマランもやはりこういう形式の方が面白いのか」と思ったものだった。

 しかし、『ブレーザー』その裏を返し、基本的には一話完結型のSFショートストーリーで攻める作品であった。そして、これが面白かった。

 が。それ以前にブレーザーは、まず第一話から「これは違うぞ」と思わせる出だしだった。完全武装の小隊による空中からの作戦突入。その非常にミリタリー色の強い描写は、科学特捜隊的な架空組織がカラフルで空想的な色合いだったのに対し、一気に攻殻機動隊を思わせる近未来の軍装備の様相を呈していた。

 そして何より、主人公のヒルマゲント。演じたのは『仮面ライダードライブ』で悪の幹部ハートを演じた蕨野くん。めっちゃイケメンで僕好みだが、この蕨野くんのヒルマゲントが、本当に素晴らしいキャラだった。

 まずゲントは隊長であり冷静な判断力と知性を持っている。しかも過去のエピソードから察するに、身を惜しまず他人を救う倫理観と行動力を兼ね揃えている。知性・倫理・行動力の三点を揃えていながら、無能な上層部に対して組織の中で無暗にたてつくような態度はとらず、その場でできる最善の判断を即座にとれる融通さ。こいつは凄い、と見始めて数分で惚れ込む男だった。

 そして肝心のブレーザー。左右非対称の顔をビルの顔から覗かせた時、まず感じだのはヒーローとしてのウルトラマンの「格好よさ」ではなく、銀色の巨人の「不気味さ」だ。そして「ウォロロロォォォン」という感じの甲高い、今までのウルトラマンとは全く違う雄叫びは、明らかに「違和感」を感じさるものだった。

 そう、そこで思い出すのだ。「ウルトラマン」とは、そもそも何者か? ウルトラマンとは異星人、つまり『異者』なのだ。左右非対称のデザインに咥え、奇妙な雄叫び。そして今までの華麗な殺陣を捨てた、奇妙に原始的な戦い方。その全てが『異者』としてのウルトラマンを再確認させるものだった。

 そのウルトラマンブレーザーの魅力を損なわない、各話のSFテイストに満ちたエピソード。それは古の『ウルトラマン』のテイストを踏襲しながらも、やはり新しい時代のSF性を盛り込んだエピソードだった。『トリガー』ですら、つなぎっぽい回があったのに、『ブレーザー』は全話が好きなエピソードだ。

 ゲントが率いるSKaRDの隊員たち。そしてその組織の最大の兵器である怪獣兵器アースガロンの存在もよかった。見ていて毎回毎回、SKaRDの作戦の成功を願ってしまっていた。いや、それが成功しちゃうと、ウルトラマンの出番が無くなるのは判ってはいたのだが。

 ヒルマゲントが妻子ある身なのもよかった。パパ、ついついゲントに肩入れして見ちゃったよ。いや、家族がいるから、平和を守ろうと思うんだよ。そりゃそうだよね、とつくづく思った。いやあ、この半年、『ウルトラマンブレーザー』が見れて本当に幸せだった。

 もはや新しい事なんて「ウルトラマン」の枠の中でないんじゃないか? と、思っていた僕の認識を見事に覆した。どこの世界にも凄い仕事をする人がいるんだなあ、と身が引き締まる思いがした。こんな良い作品が創りたい、負けたくない! とか、刺激を受け続けた半年だった。
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