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2024年02月23日08:31

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作品を読む 『劇場版 響け!ユーフォニアム』を観る

NHKで正月頃に放送していたのを録画して観た。元々TVシリーズだったのだが、映画は4本あるらしい。その一作目『響け!ユーフォニアム〜北宇治吹奏楽部へようこそ〜』を、年末に母の家で留守番してる時に見て、「これは面白い!」と思って慌てて二作目から録画したような次第だ。

 なんてったって京アニだ。作画クオリティはめちゃくちゃ高く、それに主人公たちの心情を描くのが極めて繊細なタッチで素晴らしい。地力の在るアニメスタジオとは、かくあるものか! と唸らせる出来だ。実は一作目は途中から見たのが、そのまま惹きこまれてしまい全作観たような経緯だ。

 主人公の黄前(おうまえ)久美子ちゃんはユーフォニアムを吹いているが、中学時代には部が大会で敗退しても(まあ、そんなものか)という感じの冷めた子だった。けど、その隣で、勝ち進めなくて悔し涙を流してる子がいた。それがトランペットの高坂麗奈だ。

 黄前ちゃんはそんな麗奈とは、北宇治高校吹奏楽部で再会しても、距離をおいている。けど、ひょんな事から話すようになり、二人は次第に距離を縮めていく。と同時に、そんな強豪校でもなかった北宇治高校に、滝昇という新しい顧問が赴任してくる。この顧問の采配で、吹奏楽部は生まれ変わっていくのである。

 まあ『スィングガールズ』の先例もあることだし、そうでなくても落ちこぼれチームに新しい監督が赴任して再生する、というのはよくあるパターンなのだけど、それお丁寧に描いたのがいい。それに部全体の向上より、「私は…特別になりたいの」と言い切る高坂麗奈の影響もあって、黄前ちゃんがより真剣に音楽と向き合うようになる、その変化を丁寧に描くくだりがいい。

 二作目は黄前ちゃんの二年先輩、三年生の田中あすか先輩との交流ばメインになっている。あすか先輩は副部長で、部ではなんでもできる先輩だが、実は母親からは吹奏楽部を辞めて受験に専念するようにシングルである母親に言われていた。しかしその父親が、実は有名なユーフォニア奏者なのだ。

 母親の娘を支配しようとする様相や、それに向けて対抗するわけではなく、ただそれとして受け止めつつ自分の道を探すあすか先輩と、自分自身もよく出切る姉と比較されて来た黄前ちゃんが対照的に描かれる。なんだろなー、高校生の頃って家庭環境って想像以上に全世界だよねーとか思い出した。

 三作目はスピンオフもおの『リズと青い鳥』という作品で、これは黄前ちゃんの一年上にあたる二人の少女の物語。引っ張っていく希美と引っ張られて来たみぞれ。けど音楽の才は実はみぞれの方が上で……。ネットの感想では「美しくて残酷なお話し」という意見があったような物語だ。僕は残酷とは思わないが、繊細で美しい作品だと思った。

 四作目は黄前ちゃんが二年生になった頃のお話し。一年生が入部してきて、その様々な個性にてを焼きながらも、自分自身が成長しようとするお話し。そしてこの続き、黄前ちゃんが最上級生になる頃の話がテレビシリーズで放映されるらしく、四月スタートらしい。そのテレビシリーズの前に劇場版を放映してくれたのだろうけど、NHKで映画を放送するとCMが入らないのでそのまま録画保存できる。いや、いい作品を見せてもらった。
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