mixiユーザー(id:415360)

2024年01月20日19:41

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福田和代『梟の好敵手』を読み終った

第一作目では、世界観の構築と提示であり、主人公の史奈の紹介だった。そして、『〜胎動』から物語りの本体に入った。〈梟〉の一族が何故存在するのかに向かって行くのだろう。
古から続く忍びの一族は、現代の最新技術を取り込んで戦う。ただし、人を殺める事はしない。

〈梟〉の一族は動き出した。歴史の柵と、現代社会への順応が交錯する伝奇ロマンSF。少女から青年となった史奈の戦いが始まる。
四年前の出来事を引き摺りつつ、裏社会と表社会がぶつかるスポ根でもあるのか? ワクワクしながらページを繰れ!

一族たちは、もしかしたら飛鳥時代より前から存在したのか? 自然発生的に遺伝子が変わったのだろうか?
或いは、何者かが意図をもって遺伝子に改変を加えたのだろうか? 古代に超文明があったのかも知れないな。

〈狗〉の一族の繁殖形式は、明治時代くらいまでは各地で行われた事だが、それが二十一世紀になっても命脈を保っていることが、この物語の根底の問題だろう。
実は史奈も、伝統に囚われている。長栖兄妹や遥は距離を置いて観られるのだろう。

容子と遥の性格の対比が、実は同じ根っこから生えているのだろう。史奈と諒一も対照的だ。そして一族の〈カクレ〉や外の人間との決定的な違いが、人間関係を彩っている。

史奈の〈狗〉の一族に対しての認識は改まった。恐らく他にもっと邪悪な一団が歴史の影に潜んでいたのだろう。出水なぞは、その駒に過ぎなかったと云事か。
恐らくはこの百年ほどに生まれた利害と古来からの因縁が絡み合う。

「科学の粋を集めると、忍者の夢を実現できてしまう」← 忍者とはそう云う存在だ。
一部の英語出版で"Magicia"と表記するものがあったが、それは違うのか、それともクラークの格言通りなのか?

「憮然」の用法が正しい。流石は丁寧で緻密な考察を得意と為作家だ。
しかし、恋愛方面は進展が遅いな。次の話で史奈と篠田が合流したら、一気に契るんだろうか?

実は参加したみんながハイパー・ウラマに魅せられている事が、恐ろしい背後の構造を暗示しているんだろうか。続く話では替る何かが立ちはだかるんだろうか。いずれにしろ、これは壮大な伝奇ロマンの始まりだ。続刊が楽しみだ。


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