1/13(土) @ 府中の森芸術劇場ふるさとホール
今年の観劇は、「能・狂言」 と、<和>テイストでスタート!
狂言に萬斎さんご出演!なのと
能の演目が、ず〜っと“生”の舞台で観たかった「葵上」
ということで、昨年10月にチケットを買って愉しみにしてきた。
会場最寄り駅は京王線「東府中」。
初めて降りる駅。
駅前の通りをほぼ一直線に10分ほど歩いて着く「府中の森」の一角。
(ふるさとホールは左の建物)
普通の舞台上に能舞台を設えている。
客席460 桟敷席26席 チケット完売!
萬斎人気か、解説付で能狂言初心者も愉しめる演目だからか?
10:00〜10:30
解説『紫の女人たち〜御息所と葵上〜』葛西聖司
>鐘の音
息子の元服に金の太刀を差させようと考えた主。
「金の値(かねのね)」を聞いてくるよう使いに出された太郎冠者は
「鐘の音」を聴いて帰ってくる、という可笑し味。
演者が発する鐘の音が、見処、聴き処。
>葵上 梓の出
源氏物語中の一場面
年下の恋人への想いが募り
その妊娠中で病む妻の元に、生霊となってさまよい出てしまう
六条の御息所の哀しさ。
巫女の口を借りて想いを語った後、
聖の加持祈祷に対し、鬼形となって再登場。
題名となっている葵上は登場せず、
舞台上に置かれた一枚の小袖で表される。
鬼女の面=般若 般若は女性である。
今回の面は目と歯に金泥を使った「泥眼」。
暗闇に光る眼が見処!
また今回は、「梓之出(あずさので)」という小書き(特殊演出)があるので
生霊が巫女に呼び出され登場時、通常の音曲でなく
魔除けの梓弓をはじく音を小鼓で表し、印象的な音色が繰返されるのが
聴き処!だそうだ。
10:30〜10:55
狂言『鐘の音』
主(中村修一) / 太郎冠者(野村萬斎)
丁寧な解説があったので、
見処・聴き処 を逃さずに鑑賞。
萬斎さん、4か所の鐘の音の聴かせ分けが見事!
「だって 鐘の音 を聴いて来いって言ったから〜〜」
と主に隠れてぶつくさ… な太郎冠者がなんとも可愛い!
<休 憩>
11:10〜12:10
能『葵上』梓の出
巫女(石井寛人)/生霊(観世喜正)/横川小聖(殿田謙吉)
舞台上に置かれる一枚の小袖!(出し小袖)
今回の公演のものでは無いけれどこんな感じ。
この演出を何百年も前にやってのけた感性、凄い!
これを観たかった! 初めて生で観て心が震えた。
葵上の使う香が自身に香ることで自分が生霊となり、
彼女の元に迷い出ると気づく生霊の怒りと哀しさ。
それは光源氏への、ではなく、年下の男にこんなに焦がれる自分への
ものなのだと思う。
そのプライドの高さ!
だから私は源氏の中で六条の御息所が一番好き!
聴き処、教えて頂いたので、より楽しめた。
60分、あっと言う間だった。
12:15〜 質疑応答30分:中森貫太
>能楽鑑賞のルール、拍手は?
能楽が発生当時、拍手と言う習慣は日本に無かった。
これは明治維新以降、英国から入った文化。
(議会で拍手を以て賛意表現)
して頂くのを止めないが、舞台上の全員が退場後に。
あえて言うと、能楽は身分の高い者が演じることが多く
かつては観客は観せて頂く者。
楽しんでその場で喝采という形はあり得なかっただろう。
>舞台の松・竹は定型?
定型。当初野外で演じる時は大きな木の根元が多く
後年能楽堂が建てられてもその名残が。
松竹梅は後に登場するので梅も描かれる能舞台は希少だが
無いわけでもない。
>五色の幕は?
流派によって違うし、色の意味も色々言われる。
ただし真ん中は赤!
視野の狭い面を着けてはける時の目印になる。
>面・装束 耐用年数は?
面は永遠! 壊したら恥!
使わないと面の人相が悪くなる。
博物館などに保管されてしまった面は可哀そう。
装束は消耗する。
また、古い時代の装束は現代人とサイズが合わず、残念。
色々、面白い雑学を披露して下さいました。
東府中の町、なかなか興味深く、帰途、
地産の野菜を扱う八百屋さんで
驚くほど安い野菜、果物、重さを考えず買い込んで、ちょっと大変な目に。
パン屋「ルパ」で買った「富士りんごのりんごパイ」は
私の好みド真ん中
ホールで買えば良かったと後悔!
チェーン店らしいので、近くの店を探してぜひまた買いに行こう!
<演劇> 240101
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