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2024年01月30日05:29

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『オデッサ』by ホリプロ

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1/17(水) @ 東京芸術劇場プレイハウス(池袋)
14:00〜(105分)

青年:柿澤勇人
警部:宮澤エマ
旅行者:迫田孝也
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作・演出:三谷幸喜
音楽・演奏:荻野清子 / ナレーション:横田栄司


タイトルは、
有名な ウクライナ南部にある都市「オデーサ」(かつてはオデッサ)?

ではない… (笑)

アメリカ、テキサス州の田舎町「オデッサ」。
それまで日本人なんて来たことが無かったのに、
1999年、1人の日本人旅行者(迫田孝也)がある殺人事件の容疑で勾留された。
彼は一切英語を話すことが出来なかった。
捜査にあたった警部(宮澤エマ)は日系人だったが日本語が話せなかった。
それで、語学留学中の日本人青年(柿澤勇人)が通訳として派遣されて来る。

そして取り調べが始まった。
登場人物は3人。 言語は2つ。 真実は1つ。

密室で繰り広げられる男と女と通訳の…
正に! <会話バトル>!!
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言葉の魔術師? 言葉を操る天才? 三谷幸喜 が
巧みに張りめぐらせる「言葉」の世界!

それは真実なのか、思惑なのか――――。

観客がそのスピードについて来れても来れなくても
物語はガンガン進んで行く!!
警部が旅行者を犯人と決めつけているのが何とも不満な青年。
本当は何があったのか聴き出し旅行者を助けようとするのだが、
旅行者は「自分がヤッタ」と言う。
しかし、青年にはそれが自暴自棄になっての虚偽の自白としか思えず
「彼は、 ヤッテナイ と言ってる」と警部に通訳する。

警部と青年だけで話す時は英語だが台詞は日本語で。
旅行者と青年だけで話す時は日本語なので台詞も日本語。
3人が舞台に居て話す時は警部と青年の台詞は英語で
舞台の背景にスクリーンが現れ日本語字幕が表示される。

旅行者が語る長い話を、意味を変え短い英語で伝え、
警部が不審がると、青年は全て婉曲に伝える日本語の特性を語り
警部を煙に巻き。
旅行者のジェスチャーを交えた話を、
そのジェスチャーをそのまま真似つつ逆の内容を英語で伝え…
そんな若者の異訳の中で、今まであまり考えなかった「日本語」の
多言語と比べた異質さが浮き彫りにされてくる。
なるほど!と納得させられながらも、
丁々発止と飛び交う「言葉」の面白さを心底愉しみ…

そんな中、殺人の真犯人が見えてきて、
旅行者は無事解放される… と、その時!

<言葉>の地雷が発動?!!



舞台作品、久しぶりの新作書き下ろし、とのことだが。
やっぱり三谷さん、本当に!ただただ面白い!
舞台は一場面のみ。
しかし舞台上の空気は、
可笑しかったり、しんみりしたり、疑心暗鬼、緊張! と、目まぐるしく変わる。

私の大好きな、台詞を駆使した密室劇!

今年に入って続けて3作品イッキに鑑賞。
全くタイプの違う作品だが、
いずれも、「詞」をシッカリ聴かせてくれる演劇。
その形が、あくまで私の頭の中でだが、有名な歌集に当てはまった!、

能・狂言 は、詞で舞台まで説明してしまう、真っすぐな演劇。 言ってみれば「万葉集」
詩森さんは、詞で心情を呟きまた叫び。 言ってみれば「古今和歌集」
三谷さんは、詞そのもので芝居を組立て遊ぶ、ともすると技巧が先に立つ?
言ってみれば「新古今和歌集」

どれもこれもそれぞれ妙味ある詞たちがきらめく。

今年はどんな作品に出逢えるかな? 何本鑑賞できるかな?
愉しみ!!



<演劇> 240103
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