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2023年10月26日07:05

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筋トレのすすめ 週30〜40分でがん予防効果


がん社会を診る 東京大学特任教授 中川恵一

がん社会を診る
2023年10月25日 5:00 [会員限定記事]

運動はがんを予防します。ウオーキングなどの活発な運動を週に5日以上行っている人では、ほとんど運動しない人に比べ、がんの発症リスクが2割も減ることが、144万人を11年間追跡した大規模な調査から明らかになっています。これは米国や欧州で行われた12件の研究を分析した結果ですが、日本人約10万人を追跡した研究でも、男性の大腸がん・肝臓がん・膵臓(すいぞう)がんで、女性の胃がんで、リスクの低下が示されています。

日本人を対象とした総合評価でも、運動によるがんの予防効果は、大腸がんではほぼ確実、乳がんでも可能性ありとされています。

運動によるがん予防のメカニズムは完全に解明されているわけではありません。ただ、大腸がんの場合、運動で消化管の活動が高まって便通がよくなり、便に含まれる発がん物質が大腸にとどまる時間が短くなります。これが理由の一つと考えられます。インスリンはがん細胞を増殖させますが、運動によって血糖値が下がると膵臓から分泌されるインスリンの量が減ります。これも、運動による発がん抑制の理由と考えられています。

乳がんは女性ホルモンのエストロゲンがリスクを高めます。運動によって脂肪組織から分泌されるエストロゲンが減るため、乳がんの予防につながると思われます。

さて、健康によいエクササイズといえば、ウオーキングやジョギングといった有酸素運動をイメージする人が多いと思います。しかし、腕立て伏せやスクワットなどの筋力トレーニングもがんを予防する有力な手段です。

30歳以上の8万人の英国人を対象にした調査では、週2回以上、筋トレを行っている人は、全死因による死亡リスクが23%低く、がんによる死亡リスクも31%低いことが明らかになっています。また、専用マシンを使わない筋トレでも、ジムなどの専用マシンと同等の効果があることも分かっています。筋肉から分泌されるマイオカインというホルモンにがん予防効果があるという見方が有力になっています。

早稲田大学の研究グループの分析では、筋トレによるがん予防の効果は週30分がもっとも高く、週130分を超えるとマイナスになることが分かっています。筋トレによる総死亡抑制効果についても週40分がベストで、週140分を超えると逆効果になりました。

有酸素運動と同様、過剰な筋トレはマイナスになります。もっとも、「やり過ぎ」は少数派。ほとんどの人にとって、運動も筋トレも足りていません。
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