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2023年10月05日23:59
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秋田県の民家に居座ったクマ3頭、兵庫県神戸市王子動物園のリニューアル、イリオモテヤマネコとツシマヤマネコ、キリンの祖先
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10/5(木）
北海道根室市では、観光用のエゾシカを襲撃したヒグマの存在が、話題になっている。一度味を覚えると、再び襲ってくる可能性が高い。現地では、警戒を強めている。
続いて、秋田県美郷町では、クマ騒動が起こった。北海道のエゾヒグマに比べて、本州に生息するツキノワグマは、体が一回り小さい。町内の畳店の作業小屋内に3匹の親子が迷い込んだ末に、4日朝からとどまっていた。5日午前6時半すぎ、県警が小屋内に仕掛けた捕獲用のおりの中に3頭が入っているのを確認した。新たに処分したと報じられると、秋田県庁に非難の声が殺到した。小熊の存在から、人々の同情心を誘った。県によると、現場の美郷町では、認定子供保育園があり、小さな子供を保護する観点から、クマを処分したと見解を明らかにした。
秋の行楽シーズン、冬篭りに備えてクマが活発に動くことが予想される。登山するうえで、クマ避けのアイテムとして、鈴をつける、またラジオをかける等、居場所をアピールすることが必須だ。クマ自身も本来は人を避ける傾向にある。21世紀になり、クマは、すっかり人里で身近な動物となった。
直近の動物関連日記 2023年9月28日付け 人と動物によるトラブル キノコ採取 ニホンザルとツキノワグマ、ヒグマ
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本日は動物関連のニュースである。�，某生融垈�子動物園の展示方法のリニューアルについて、�△脇以�の進化史である。
目次
� （叱妨�神戸市王子動物園 展示方法のリニューアル
�◆‘以�の進化史
1. 日本の隔絶された島のみに生息するツシマヤマネコとイリオモテヤマネコ
2. キリンの進化史
� ‖里北詫佑里覆ぅ�リンの赤ちゃんが誕生
�◆．�リンの進化の道筋
�� キリンは高血圧
� （叱妨�神戸市王子動物園、展示方法のリニューアル
以下 過去の王子動物園で飼育されたパンダのタンタンについて書いた日記
2020年10月30日付 https:/
コロナ禍から本格的に営業を再開している日本の動物園は、種を保護する目的でも運営している。タンタンと名づけられたパンダの飼育展示により、人気を博した兵庫県神戸・王子動物園は、全面リニューアルした。通いなれた来園者から、戸惑う声が聞こえたとはいえ、園長は長期的な運用に向けて、理解を求めた。
神戸市は9月、同市灘区の王子公園再整備基本計画（素案）を公開する。「王子動物園」のリニューアル案では、飼育種の生息地ごとに、地域別8ゾーンに分けた。「アジアゾーン」「サバンナゾーン」「南米ゾーン」など多岐にわたる。また、日本動物園水族館協会（JAZA）のガイドラインなどに沿って飼育環境を整備した。新たに飼育中の約130種を繁殖方針で分ける「コレクションプラン」を公表した。
写真 掲載元 2023年9月22日付け Ｙａｈｏｏ
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積極的に繁殖に取り組む「最優先種」にジャイアントパンダなど8種、計画的に繁殖を推進する「優先種」にはキリンなど15種にのぼる。展示施設内での適正数維持を目的とする「維持種」としてライオンやベニイロフラミンゴなど50〜60種。他の動物園への譲渡を進める「調整種」にヨーロッパフラミンゴやエゾヒグマなど50〜60種になる。維持種と調整種については、一部のみ記載にとどまった。
動物園の飼育種は、我々ヒトの社会と同じく、少子高齢化問題に直面する。未来の動物園は、飼育頭数の減少することは確かである。飼育頭数が減るに従い、海外の動物園のように「行動展示」がしやすい。例えば東南アジアのシンガポール動物園では、自然保護区と一体となって、管理をした。熱帯の森の中に散策路を設けることにより、来園者は飼育動物を野生に近い姿で観察できる。動物園側は、餌付けによって、動物の行動パターンを把握しているという。来園者は、木から木へ滑空する皮翼目ヒヨケザル科のヒヨケザルを観察できる。
写真＝シンガポール動物園に生息するマレーヒヨケザル 出展：シンガポール国立大学
掲載元 ナナフシブログ イン シンガポール 2023年1月12日付け
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動物愛護団体から、檻の中に閉じ込める、時に過密飼育と非難される。飼育頭数が少なくなることにより、解消しやすい。
動物園も新しい展示方法へ変わろうとしている。
詳細 まいどなニュース 2023年10月4日付け https:/
�◆‘以�の進化史
第2章 動物の進化史
本日は、動物関連がテーマである。第1章は、日本列島の隔絶された島のみに生息する、イリオモテヤマネコとツシマヤマネコを、第2章はアフリカに生息するキリンの進化を取り上げている。
過去 ツシマヤマネコ関連日記
下記 横浜ズーラシアで人工繁殖により誕生したツシマヤマネコに関する日記
2021年5月18日(火）話題の動物達 動物園のデートから人間性を探る 市原ぞうの国で原因不明の死について 話題の動物と古生物関連ニュース!福井恐竜博物館のレポート ツシマヤマネコの赤ちゃん
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過去 イエネコ関連日記 2020年9月8日付 生き物関連ニュース スナネコ 黒いバッタ 微動だにしないハシビロコウ その他ライチョウ
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直近動物関連ニュース 2023年9月9日 4万4000年の歳月から目覚めた線虫 相模湾で珍しい深海ざめを捕獲 地球沸騰化、植物園 9月8日モロッコでの地震速報
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1. 日本の隔絶された島のみに生息するツシマヤマネコとイリオモテヤマネコ
愛知県名古屋市東山動物園で、絶滅危惧種ツシマヤマネコの子供が、9月28日まで限定公開され、多くの来場者の人気を集めた。名前は「したる」という。今年４月に帝王切開で誕生した雌で、現在体長約６０センチ、体重約２３００グラム。ツシマヤマネコの子猫はこれまで原則非公開だった。生態学的に、繁殖するうえで、若いうちから、人目に触れることにより、ストレス耐性を獲得する必要性から、公開に踏み切ったのである。
写真＝東山動物園で暮らす したる 2023年9月6日 版元：時事通信社
ツシマヤマネコは、野生下において、長崎県対馬のみ生息が確認されている。沖縄県の西表島のみに生息するイリオモテヤマネコと共に、ユーラシア大陸原産のベンガルヤマネコに近い仲間である。
対してペットになるイエネコは、アフリカ北部の砂漠地帯でくらすリビアヤマネコから派生している。大人しくて、ネズミをとってくれることから、人々に懐いたという。
動物分類学上、ツシマヤマネコとイリオモテヤマネコは、ネコ科ベンガルヤマネコ属、ベンガルヤマネコのそれぞれ一亜種と認定されている。
東南アジアで暮らすベンガルヤマネコの野生種は、黒と黄色の斑点模様が密林の中に溶け込む。木登りは得意とはいえ、泳ぎは苦手である。
一方同じ亜種のイリオモテヤマネコは、水の中に入って、魚を獲る姿を目撃されている。互いに進化の過程で、異なる特徴を備えた。
一方、リビアヤマネコは、動物分類学上、ネコ科ネコ属の一種である。さらに細かく分類すると、ヨーロッパヤマネコとイエネコに分けられる。
名古屋の東山動物園で注目を浴びるツシマヤマネコだが、野生下では、飛ぶ鳥をハンティング姿が、写真に捕らえられたことがあった。イリオモテヤマネコと共に、生息数が少なく、山の中に潜むことから、滅多に姿は確認されていない。日本国内の動物園では、神奈川県横浜市ズーラシアや福岡県福岡市動物園でも飼育されている。
横浜市ズーラシア動物園では、2022年5月31日、国内初ツシマヤマネコの人工授精成功の活動成果が認められ、希少種繁殖の国内最高賞「古賀賞」を受賞した。同園では、2021年3月18日、国内で初めて人工授精による繁殖に成功している。
詳細 横浜Walker 2023年6月1日付 https:/
ツシマヤマネコも近縁種のイリオモテヤマネコも、隔絶された島に生息する国際的にも希少種である。観光開発により、森が切り開かれ、道路が建設されることにより、交通事故のリスクも孕む。今それぞれの島で保護センターが、生態調査を行い、道路わきに標識を立てるなど、ドライバーに注意を呼びかける。
絶滅危惧種となった2種のヤマネコの未来は、我々人にかかっている。
2. キリンの進化史
続いての動物ニュースは、野生下でアフリカ大陸に暮らすキリンである。地球温暖化による砂漠化や、人口増加による開発により、年々住処が狭まり、今絶滅の危機に瀕している。毛皮目的の密漁も後をたたない。今保護の動きが活発化している。�，蓮∧董Ε謄優掘悉�で生まれた体に模様のない茶色一色の赤ちゃんキリンを、�△蓮▲�リンの進化、��は体の構造について解説する。
関連日記
以下 多摩動物公園のキリンについて
2019年7月4日付 2015年1月に撮影したアミメキリンとマレーバクの赤ちゃん その後の行方 https:/
直近の 動物関連日記
2023年8月15日付 戦後78年、戦時下の動物達、大阪府天王寺動物園 NHKダーウィンが来た！乾燥地帯を生き抜け！ライオンの旅
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2023年7月22日付 古生物と現生動物（翼竜とライオン）九州地方で最古となる翼竜の化石が発見される サバンナのオスライン、壮絶な生涯、他ドイツの首都ベルリンでライオン騒動 東京日野市多摩動物公園のライオンバス
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� ‖里北詫佑里覆ぅ�リンの赤ちゃんが誕生
5mを越える背丈から、動物園でもとりわけ異彩を放つキリンは、子供向けの絵本の題材にもなりやすい。米・テネシー州のブライツ動物園で誕生した体に模様のない茶色のキリンが、日本のネットニュースでも取り上げられていた。性別はメス、2023年7月31日産まれである。
参考記事 第1章 写真 掲載元 Gigazine 2023年8月24日 https:/
飼育をするブライツ動物園は、プレスリリースで次のように述べている。
「キリンの専門家らは、地球に存在する唯一のソリッドカラーのキリンと考えています」
キリンの保護活動をするNGO団体ジラフ・コンサベーション・ファウンデーションによると、通常ブラウンとオレンジの模様が特徴的なアミメキリンは2018年に絶滅危惧種に指定された。
同動物園のデヴィッド・ブライト園長によると、最後に模様なしのキリンがいた記録は1972年、東京・上野動物園だったという。次に動物園の創業者のトニー・ブライト氏は地元テレビ局ＷCYBに、51年ぶりに発見された模様のない赤ちゃんキリンについての思いを語った。
「私たちの模様なしの赤ちゃんキリンに関する国際的な報道は、キリン保護に本当に必要だった注目を作りだしました。野生の動物個体数は静かに絶滅に向かっています。キリンの個体数はこの30年で40％も失われているのです」
実際模様がないと、日々の暮らしにも影響が出る。子供時代茶色と黄色の斑点模様は、樹木に溶け込みやすい。また母親にくっついていると、外からは一体化してみえる。ハイエナやヒョウなどの猛獣は、背丈が高い大人のキリンを遠ざける傾向にある。子供のキリンは、体を伏せる、また親とくっつくことにより、外敵から身を守っていた。
もう一つ斑模様には、体内の健康状態を保つ秘訣があるという。斑点の下には血管が張り巡らされている。血液を通して、体温の調整がしやすくなる。
従って茶色一色のキリンは、猛暑の中、熱を溜め込むことにより、熱中症のリスクが上がる。野生下では、生存に不利な条件にさらされ、淘汰されていくからこそ、茶色一色のキリンはほぼ確認されなかった。飼育下では、外敵から保護され、健康状態も気遣ってもらえる。
動物園側も、茶色一色のキリンの赤ちゃんの先行きについて悲観していない。
名前については、スワヒリ語から取ることに決めており、「Kipekee(意味：ユニーク)」「Firayali(意味：珍しい)」「Shakiri(意味：彼女は最も美しい)」「Jamella(意味：素晴らしい美の1つ)」の4つに絞り込んで、Facebookで投票を募っている。
世界で唯一“模様のないキリン”誕生、上野動物園で1972年に生まれて以来
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�◆．�リンの進化の道筋
動物界切手の首の長さを誇るキリンは、進化生物学の面からも、視線が注がれている。過去の時代に遡るため、地層から掘り出した化石が役立つ。キリン科の歴史を振り返ると、中新世(2300万年前から500万年前）前期までさかのぼる。同時代のアフリカ大陸で、カントゥメリックスと名づけられた化石が、アジアではプロパレオメリックスと名づけられたキリン科の動物の化石が出土した。異なる大陸で暮らした両種は、子孫を残し、同時代の後期にかけて繁栄していた。
中新世後期には、中国の山西省からシャンシテリウムと名づけられた体長３ｍのキリン科の化石が見つかった。現生のキリンより、首や足は短いが、4本の短い角が生えていた。
画像 シャンシテリウム 川崎悟司 古世界の住人 http://
鮮新世（５００万年前から258万年前）には、アフリカ北部からトルコにかけて、キリンらしい姿をした肩高2,5mのブラマテリウムが生息していた。同時代は、乾燥化が進み、森林面積が縮小し、草原に変わった。現生のキリンにつながる仲間は足と首を伸ばし、アカシアの実や葉を食べるようになった。18世紀から19世紀の生物学者ジャンバティスト・ラマルクは「用不要説」という独自の進化論を提唱し、キリンの首の長さについて触れている。用不要説では、獲得形質（個体が後天的に身に着けた形質）が、子孫に遺伝し、進化の推進力になると述べている。キリンの首が長い分けは、簡単に説明がつく。他の動物と食べ物を巡る競争を避けて、高いところの葉っぱを手に入れるため、首を伸ばすようになったことにある。毎日のように葉っぱを食べるため、首を伸ばすことで、次第に長くなる。首が発達したキリンが、同じ環境下で育った異性と出会い繁殖すると、子供は遺伝的に成長と共に首が発達するようになる。キリンは幾世代にもわたって、首を伸ばし続けたことで、次第に現代の姿になったという。現存する1種のキリンは、アミメキリンやマサイキリンを含め12亜種が確認されている。
足や首以外でもキリンは進化していた。食べ物となるアカシアの木は、鋭い刺が生えるため、舌が分厚くなり、多少刺さってもすぐに抜け落ちる。野生種ではオスを中心とした2頭から10頭の群れをつくり、葉っぱなどから水分を得ている。
鮮新世の化石種ブラマテリウムは、同時代に誕生したシバテリウムとともに、イネ科の草を食べるため、首や足は大きくならず、気候変動に適応できずに絶滅した。
画像 ブラマテリウム 川崎悟司 古世界の住人 http://
最後の氷河期の更新世の頃には、現存するキリンとオカピの2種が生き残った。オカピは、個体数がすくないうえに、森の奥深くに潜む。野生下での暮らしは謎につ詰まれている。現生のキリンは、乾燥化に適応し、大型化を遂げたことで、ライオンやヒョウなどの猛獣から身を守り、高いところに生える葉っぱを独占できるようになった。
写真＝オカピ 2013年11月10日（日）横浜市ズーラシア動物園にて 撮影者：私
現存するキリンとオカピは、臼歯が低歯冠のセレノドント（月状歯）で、エナメル質の表面に皺が刻まれ、上顎臼歯の前半部の羽場が後半部より広い。角はオシコーンと呼ばれるタイプで、芯の部分は骨でできているが、表面が皮膚で覆われるため、生え変わることはない。原始的なパレオトラグルスの角は、目の上に一対に留まるが、中新世中期から鮮新世前期にアジア、ヨーロッパ、アフリカで繁栄したジラフォケリックスは目の前後に一対ずつあった。シバテリウムは、後ろの１対が巨大化を遂げて、枝分かれもしていた。
・ジラフォケリックス 頭骨全長約50ｃｍ インドやパキスタンのシワリク層群で発見された。
・シバテリウム 肩高2mから2,2m 同じシワリク層群の種。頭骨の長さは約70ｃｍ。
サハラ砂漠の岩陰遺跡の壁画に描かれていたことから鮮新世前期に誕生
し、更新性後期まで生きていたと推測されている。
・プロリピテリウム 生息年代 中新世前期 分布 アフリカ 板状の角の前後長約35ｃｍ
大きなひとつのオッシコーンがあり、シバテリウム亜科最古の仲間と考えられている。近年パレオメリックス科（シカ上科の原始的なグループのひとつ）に分類する動きが出ている。
写真＝シンシャテリウム 掲載元 川崎悟司 古世界の住人 http://
キリンの首が長くなった分けは、生き残りの戦略の一つだった。栄養価が高い下草は、ほかの動物との獲得競争が激しくなる。一方高いところに生える棘のあるアカシアの葉っぱは、乾燥にも強く、手に入りやすい。そこで首を伸ばし続けた結果、現在の姿になり、棘に耐えられるように分厚い舌を獲得した。ダーウィンの進化論でいえば、「自然選択説」により、首が長く、ほっそりとした体型に変わったのである。
�� キリンは高血圧
参考記事 地球で最も高血圧なのは｢キリン｣という驚愕事実上がおよそ250､下が200と異常なほど高いワケ 郡司 芽久 : 解剖学者、東洋大学生命科学部生命科学科助教 著
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キリンの進化の謎を紐解くには、地道な化石調査が必要だった。高いところに生える葉っぱを食べるため、首を伸ばし続けた結果、現代の姿になった。特殊な姿になった弊害は、血圧が高くなったことにある。最大の大きさを誇るアミメキリンは、背丈5mを越える。体は大きくなっても、心臓は一つしかない。血液を循環させるため、負担がかかりやすい。血圧は、上250mmHg、下200mmHg、我々ヒトは、上120Hg未満、下80mmHg未満、明らかに違いがある。上は「心臓が収縮して血液が送り出されたときの血圧」で、下は「縮んだ心臓がもとに戻るとき（血液を送り出していないとき）の血圧」である。
ヒトの血圧と同等な場合、キリンは脳に十分行き届かなくなり、立ちくらみやめまいが起こり、日常生活に影響が出やすい。 心臓にも特別な機能を持っていた。最も顕著に現れたのは、発達した左心室だった。哺乳類は、全身に血液を送る左心室の筋肉は、肺だけに血液を送る右心室に比べて大きい傾向にある。
写真＝キリンの体の構造 Xユーザー Singai 2018年10月5日付https:/
キリンの場合は左心室と、右心室の発達度合いが、哺乳類の中でも差がある方だった。左心室の筋肉は厚さ8センチにも達し、右心室の筋肉の3倍以上の分厚さになっている。しっかりと重みのある筋肉が力強く収縮することにより強い血流が生まれ、遠く離れた脳にまで送りだす。
写真＝人の心臓 掲載元 心不全のいろは
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もちろん、体の機能についての犠牲になる部分もある。血液がたまる空間の“壁”である筋肉が分厚くなるにつれて、壁の内側にある空間は小さくなってしまう。
ダンボールを例にとるとわかりやすい。薄い箱よりも、分厚い発泡スチロールケースの方が、内側の容積が小さい。
キリンの左心室は強い収縮力を示す一方で、内部の容積は小さい。従って、1回の拍動で送り出せる血液の量はとても少ないのである。
以下 参考記事 引用文
血圧というのは、1分間に心臓から送り出される血液の量と、血管の抵抗値（血液の流れにくさ）によって決定する。心臓から送り出される血液の量が多ければ多いほど、また血管の中を血液が流れにくいほど、血圧が高くなるのである。
ヒトの例を出してみると、動脈硬化によって血液が流れにくくなると、結果として高血圧が引き起こされる。
心臓内の空間が小さいので、一度に送り出せる血液の量はたいして多くない。心拍数が際立って高いわけでもないので、「1分間に送り出せる血液の量が多い」というわけではなさそうだ。
そこで、高血圧を生み出す器官として近年注目されているのが、血管だ。キリンの血管は、ほかの哺乳類に比べて抵抗値が著しく高く、血液が流れにくくなっている。とくに手先・足先の血管でその傾向は顕著だ。
キリンの血管に関する研究はまだまだ始まったばかりで、高血圧の謎がすべて解き明かされたわけではない。疑問はつきないどころか、「1個新しいことがわかったら、10個わからないことが増える」くらいの状況だ。
今後さらなる調査が進むことで、高血圧の秘密がしだいに解き明かされていくだろう。
＜終わり＞
進化の過程で、背丈が高くなり、体の仕組みや外見も特徴的になったキリンは、今なお動物園のアイドルとしても、人々から愛されている。
■秋田県のクマ3頭「なぜ殺したのか」 県外から苦情殺到、「住民の命守るためご理解を」
(弁護士ドットコム - 10月05日 17:01)
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北海道根室市では、観光用のエゾシカを襲撃したヒグマの存在が、話題になっている。一度味を覚えると、再び襲ってくる可能性が高い。現地では、警戒を強めている。
続いて、秋田県美郷町では、クマ騒動が起こった。北海道のエゾヒグマに比べて、本州に生息するツキノワグマは、体が一回り小さい。町内の畳店の作業小屋内に3匹の親子が迷い込んだ末に、4日朝からとどまっていた。5日午前6時半すぎ、県警が小屋内に仕掛けた捕獲用のおりの中に3頭が入っているのを確認した。新たに処分したと報じられると、秋田県庁に非難の声が殺到した。小熊の存在から、人々の同情心を誘った。県によると、現場の美郷町では、認定子供保育園があり、小さな子供を保護する観点から、クマを処分したと見解を明らかにした。
秋の行楽シーズン、冬篭りに備えてクマが活発に動くことが予想される。登山するうえで、クマ避けのアイテムとして、鈴をつける、またラジオをかける等、居場所をアピールすることが必須だ。クマ自身も本来は人を避ける傾向にある。21世紀になり、クマは、すっかり人里で身近な動物となった。
直近の動物関連日記 2023年9月28日付け 人と動物によるトラブル キノコ採取 ニホンザルとツキノワグマ、ヒグマ
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本日は動物関連のニュースである。�，某生融垈�子動物園の展示方法のリニューアルについて、�△脇以�の進化史である。
目次
� （叱妨�神戸市王子動物園 展示方法のリニューアル
�◆‘以�の進化史
1. 日本の隔絶された島のみに生息するツシマヤマネコとイリオモテヤマネコ
2. キリンの進化史
� ‖里北詫佑里覆ぅ�リンの赤ちゃんが誕生
�◆．�リンの進化の道筋
�� キリンは高血圧
� （叱妨�神戸市王子動物園、展示方法のリニューアル
以下 過去の王子動物園で飼育されたパンダのタンタンについて書いた日記
2020年10月30日付 https:/
コロナ禍から本格的に営業を再開している日本の動物園は、種を保護する目的でも運営している。タンタンと名づけられたパンダの飼育展示により、人気を博した兵庫県神戸・王子動物園は、全面リニューアルした。通いなれた来園者から、戸惑う声が聞こえたとはいえ、園長は長期的な運用に向けて、理解を求めた。
神戸市は9月、同市灘区の王子公園再整備基本計画（素案）を公開する。「王子動物園」のリニューアル案では、飼育種の生息地ごとに、地域別8ゾーンに分けた。「アジアゾーン」「サバンナゾーン」「南米ゾーン」など多岐にわたる。また、日本動物園水族館協会（JAZA）のガイドラインなどに沿って飼育環境を整備した。新たに飼育中の約130種を繁殖方針で分ける「コレクションプラン」を公表した。
写真 掲載元 2023年9月22日付け Ｙａｈｏｏ
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積極的に繁殖に取り組む「最優先種」にジャイアントパンダなど8種、計画的に繁殖を推進する「優先種」にはキリンなど15種にのぼる。展示施設内での適正数維持を目的とする「維持種」としてライオンやベニイロフラミンゴなど50〜60種。他の動物園への譲渡を進める「調整種」にヨーロッパフラミンゴやエゾヒグマなど50〜60種になる。維持種と調整種については、一部のみ記載にとどまった。
動物園の飼育種は、我々ヒトの社会と同じく、少子高齢化問題に直面する。未来の動物園は、飼育頭数の減少することは確かである。飼育頭数が減るに従い、海外の動物園のように「行動展示」がしやすい。例えば東南アジアのシンガポール動物園では、自然保護区と一体となって、管理をした。熱帯の森の中に散策路を設けることにより、来園者は飼育動物を野生に近い姿で観察できる。動物園側は、餌付けによって、動物の行動パターンを把握しているという。来園者は、木から木へ滑空する皮翼目ヒヨケザル科のヒヨケザルを観察できる。
写真＝シンガポール動物園に生息するマレーヒヨケザル 出展：シンガポール国立大学
掲載元 ナナフシブログ イン シンガポール 2023年1月12日付け
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動物愛護団体から、檻の中に閉じ込める、時に過密飼育と非難される。飼育頭数が少なくなることにより、解消しやすい。
動物園も新しい展示方法へ変わろうとしている。
詳細 まいどなニュース 2023年10月4日付け https:/
�◆‘以�の進化史
第2章 動物の進化史
本日は、動物関連がテーマである。第1章は、日本列島の隔絶された島のみに生息する、イリオモテヤマネコとツシマヤマネコを、第2章はアフリカに生息するキリンの進化を取り上げている。
過去 ツシマヤマネコ関連日記
下記 横浜ズーラシアで人工繁殖により誕生したツシマヤマネコに関する日記
2021年5月18日(火）話題の動物達 動物園のデートから人間性を探る 市原ぞうの国で原因不明の死について 話題の動物と古生物関連ニュース!福井恐竜博物館のレポート ツシマヤマネコの赤ちゃん
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過去 イエネコ関連日記 2020年9月8日付 生き物関連ニュース スナネコ 黒いバッタ 微動だにしないハシビロコウ その他ライチョウ
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1. 日本の隔絶された島のみに生息するツシマヤマネコとイリオモテヤマネコ
愛知県名古屋市東山動物園で、絶滅危惧種ツシマヤマネコの子供が、9月28日まで限定公開され、多くの来場者の人気を集めた。名前は「したる」という。今年４月に帝王切開で誕生した雌で、現在体長約６０センチ、体重約２３００グラム。ツシマヤマネコの子猫はこれまで原則非公開だった。生態学的に、繁殖するうえで、若いうちから、人目に触れることにより、ストレス耐性を獲得する必要性から、公開に踏み切ったのである。
写真＝東山動物園で暮らす したる 2023年9月6日 版元：時事通信社
ツシマヤマネコは、野生下において、長崎県対馬のみ生息が確認されている。沖縄県の西表島のみに生息するイリオモテヤマネコと共に、ユーラシア大陸原産のベンガルヤマネコに近い仲間である。
対してペットになるイエネコは、アフリカ北部の砂漠地帯でくらすリビアヤマネコから派生している。大人しくて、ネズミをとってくれることから、人々に懐いたという。
動物分類学上、ツシマヤマネコとイリオモテヤマネコは、ネコ科ベンガルヤマネコ属、ベンガルヤマネコのそれぞれ一亜種と認定されている。
東南アジアで暮らすベンガルヤマネコの野生種は、黒と黄色の斑点模様が密林の中に溶け込む。木登りは得意とはいえ、泳ぎは苦手である。
一方同じ亜種のイリオモテヤマネコは、水の中に入って、魚を獲る姿を目撃されている。互いに進化の過程で、異なる特徴を備えた。
一方、リビアヤマネコは、動物分類学上、ネコ科ネコ属の一種である。さらに細かく分類すると、ヨーロッパヤマネコとイエネコに分けられる。
名古屋の東山動物園で注目を浴びるツシマヤマネコだが、野生下では、飛ぶ鳥をハンティング姿が、写真に捕らえられたことがあった。イリオモテヤマネコと共に、生息数が少なく、山の中に潜むことから、滅多に姿は確認されていない。日本国内の動物園では、神奈川県横浜市ズーラシアや福岡県福岡市動物園でも飼育されている。
横浜市ズーラシア動物園では、2022年5月31日、国内初ツシマヤマネコの人工授精成功の活動成果が認められ、希少種繁殖の国内最高賞「古賀賞」を受賞した。同園では、2021年3月18日、国内で初めて人工授精による繁殖に成功している。
詳細 横浜Walker 2023年6月1日付 https:/
ツシマヤマネコも近縁種のイリオモテヤマネコも、隔絶された島に生息する国際的にも希少種である。観光開発により、森が切り開かれ、道路が建設されることにより、交通事故のリスクも孕む。今それぞれの島で保護センターが、生態調査を行い、道路わきに標識を立てるなど、ドライバーに注意を呼びかける。
絶滅危惧種となった2種のヤマネコの未来は、我々人にかかっている。
2. キリンの進化史
続いての動物ニュースは、野生下でアフリカ大陸に暮らすキリンである。地球温暖化による砂漠化や、人口増加による開発により、年々住処が狭まり、今絶滅の危機に瀕している。毛皮目的の密漁も後をたたない。今保護の動きが活発化している。�，蓮∧董Ε謄優掘悉�で生まれた体に模様のない茶色一色の赤ちゃんキリンを、�△蓮▲�リンの進化、��は体の構造について解説する。
関連日記
以下 多摩動物公園のキリンについて
2019年7月4日付 2015年1月に撮影したアミメキリンとマレーバクの赤ちゃん その後の行方 https:/
直近の 動物関連日記
2023年8月15日付 戦後78年、戦時下の動物達、大阪府天王寺動物園 NHKダーウィンが来た！乾燥地帯を生き抜け！ライオンの旅
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2023年7月22日付 古生物と現生動物（翼竜とライオン）九州地方で最古となる翼竜の化石が発見される サバンナのオスライン、壮絶な生涯、他ドイツの首都ベルリンでライオン騒動 東京日野市多摩動物公園のライオンバス
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� ‖里北詫佑里覆ぅ�リンの赤ちゃんが誕生
5mを越える背丈から、動物園でもとりわけ異彩を放つキリンは、子供向けの絵本の題材にもなりやすい。米・テネシー州のブライツ動物園で誕生した体に模様のない茶色のキリンが、日本のネットニュースでも取り上げられていた。性別はメス、2023年7月31日産まれである。
参考記事 第1章 写真 掲載元 Gigazine 2023年8月24日 https:/
飼育をするブライツ動物園は、プレスリリースで次のように述べている。
「キリンの専門家らは、地球に存在する唯一のソリッドカラーのキリンと考えています」
キリンの保護活動をするNGO団体ジラフ・コンサベーション・ファウンデーションによると、通常ブラウンとオレンジの模様が特徴的なアミメキリンは2018年に絶滅危惧種に指定された。
同動物園のデヴィッド・ブライト園長によると、最後に模様なしのキリンがいた記録は1972年、東京・上野動物園だったという。次に動物園の創業者のトニー・ブライト氏は地元テレビ局ＷCYBに、51年ぶりに発見された模様のない赤ちゃんキリンについての思いを語った。
「私たちの模様なしの赤ちゃんキリンに関する国際的な報道は、キリン保護に本当に必要だった注目を作りだしました。野生の動物個体数は静かに絶滅に向かっています。キリンの個体数はこの30年で40％も失われているのです」
実際模様がないと、日々の暮らしにも影響が出る。子供時代茶色と黄色の斑点模様は、樹木に溶け込みやすい。また母親にくっついていると、外からは一体化してみえる。ハイエナやヒョウなどの猛獣は、背丈が高い大人のキリンを遠ざける傾向にある。子供のキリンは、体を伏せる、また親とくっつくことにより、外敵から身を守っていた。
もう一つ斑模様には、体内の健康状態を保つ秘訣があるという。斑点の下には血管が張り巡らされている。血液を通して、体温の調整がしやすくなる。
従って茶色一色のキリンは、猛暑の中、熱を溜め込むことにより、熱中症のリスクが上がる。野生下では、生存に不利な条件にさらされ、淘汰されていくからこそ、茶色一色のキリンはほぼ確認されなかった。飼育下では、外敵から保護され、健康状態も気遣ってもらえる。
動物園側も、茶色一色のキリンの赤ちゃんの先行きについて悲観していない。
名前については、スワヒリ語から取ることに決めており、「Kipekee(意味：ユニーク)」「Firayali(意味：珍しい)」「Shakiri(意味：彼女は最も美しい)」「Jamella(意味：素晴らしい美の1つ)」の4つに絞り込んで、Facebookで投票を募っている。
世界で唯一“模様のないキリン”誕生、上野動物園で1972年に生まれて以来
https:/
�◆．�リンの進化の道筋
動物界切手の首の長さを誇るキリンは、進化生物学の面からも、視線が注がれている。過去の時代に遡るため、地層から掘り出した化石が役立つ。キリン科の歴史を振り返ると、中新世(2300万年前から500万年前）前期までさかのぼる。同時代のアフリカ大陸で、カントゥメリックスと名づけられた化石が、アジアではプロパレオメリックスと名づけられたキリン科の動物の化石が出土した。異なる大陸で暮らした両種は、子孫を残し、同時代の後期にかけて繁栄していた。
中新世後期には、中国の山西省からシャンシテリウムと名づけられた体長３ｍのキリン科の化石が見つかった。現生のキリンより、首や足は短いが、4本の短い角が生えていた。
画像 シャンシテリウム 川崎悟司 古世界の住人 http://
鮮新世（５００万年前から258万年前）には、アフリカ北部からトルコにかけて、キリンらしい姿をした肩高2,5mのブラマテリウムが生息していた。同時代は、乾燥化が進み、森林面積が縮小し、草原に変わった。現生のキリンにつながる仲間は足と首を伸ばし、アカシアの実や葉を食べるようになった。18世紀から19世紀の生物学者ジャンバティスト・ラマルクは「用不要説」という独自の進化論を提唱し、キリンの首の長さについて触れている。用不要説では、獲得形質（個体が後天的に身に着けた形質）が、子孫に遺伝し、進化の推進力になると述べている。キリンの首が長い分けは、簡単に説明がつく。他の動物と食べ物を巡る競争を避けて、高いところの葉っぱを手に入れるため、首を伸ばすようになったことにある。毎日のように葉っぱを食べるため、首を伸ばすことで、次第に長くなる。首が発達したキリンが、同じ環境下で育った異性と出会い繁殖すると、子供は遺伝的に成長と共に首が発達するようになる。キリンは幾世代にもわたって、首を伸ばし続けたことで、次第に現代の姿になったという。現存する1種のキリンは、アミメキリンやマサイキリンを含め12亜種が確認されている。
足や首以外でもキリンは進化していた。食べ物となるアカシアの木は、鋭い刺が生えるため、舌が分厚くなり、多少刺さってもすぐに抜け落ちる。野生種ではオスを中心とした2頭から10頭の群れをつくり、葉っぱなどから水分を得ている。
鮮新世の化石種ブラマテリウムは、同時代に誕生したシバテリウムとともに、イネ科の草を食べるため、首や足は大きくならず、気候変動に適応できずに絶滅した。
画像 ブラマテリウム 川崎悟司 古世界の住人 http://
最後の氷河期の更新世の頃には、現存するキリンとオカピの2種が生き残った。オカピは、個体数がすくないうえに、森の奥深くに潜む。野生下での暮らしは謎につ詰まれている。現生のキリンは、乾燥化に適応し、大型化を遂げたことで、ライオンやヒョウなどの猛獣から身を守り、高いところに生える葉っぱを独占できるようになった。
写真＝オカピ 2013年11月10日（日）横浜市ズーラシア動物園にて 撮影者：私
現存するキリンとオカピは、臼歯が低歯冠のセレノドント（月状歯）で、エナメル質の表面に皺が刻まれ、上顎臼歯の前半部の羽場が後半部より広い。角はオシコーンと呼ばれるタイプで、芯の部分は骨でできているが、表面が皮膚で覆われるため、生え変わることはない。原始的なパレオトラグルスの角は、目の上に一対に留まるが、中新世中期から鮮新世前期にアジア、ヨーロッパ、アフリカで繁栄したジラフォケリックスは目の前後に一対ずつあった。シバテリウムは、後ろの１対が巨大化を遂げて、枝分かれもしていた。
・ジラフォケリックス 頭骨全長約50ｃｍ インドやパキスタンのシワリク層群で発見された。
・シバテリウム 肩高2mから2,2m 同じシワリク層群の種。頭骨の長さは約70ｃｍ。
サハラ砂漠の岩陰遺跡の壁画に描かれていたことから鮮新世前期に誕生
し、更新性後期まで生きていたと推測されている。
・プロリピテリウム 生息年代 中新世前期 分布 アフリカ 板状の角の前後長約35ｃｍ
大きなひとつのオッシコーンがあり、シバテリウム亜科最古の仲間と考えられている。近年パレオメリックス科（シカ上科の原始的なグループのひとつ）に分類する動きが出ている。
写真＝シンシャテリウム 掲載元 川崎悟司 古世界の住人 http://
キリンの首が長くなった分けは、生き残りの戦略の一つだった。栄養価が高い下草は、ほかの動物との獲得競争が激しくなる。一方高いところに生える棘のあるアカシアの葉っぱは、乾燥にも強く、手に入りやすい。そこで首を伸ばし続けた結果、現在の姿になり、棘に耐えられるように分厚い舌を獲得した。ダーウィンの進化論でいえば、「自然選択説」により、首が長く、ほっそりとした体型に変わったのである。
�� キリンは高血圧
参考記事 地球で最も高血圧なのは｢キリン｣という驚愕事実上がおよそ250､下が200と異常なほど高いワケ 郡司 芽久 : 解剖学者、東洋大学生命科学部生命科学科助教 著
https:/
キリンの進化の謎を紐解くには、地道な化石調査が必要だった。高いところに生える葉っぱを食べるため、首を伸ばし続けた結果、現代の姿になった。特殊な姿になった弊害は、血圧が高くなったことにある。最大の大きさを誇るアミメキリンは、背丈5mを越える。体は大きくなっても、心臓は一つしかない。血液を循環させるため、負担がかかりやすい。血圧は、上250mmHg、下200mmHg、我々ヒトは、上120Hg未満、下80mmHg未満、明らかに違いがある。上は「心臓が収縮して血液が送り出されたときの血圧」で、下は「縮んだ心臓がもとに戻るとき（血液を送り出していないとき）の血圧」である。
ヒトの血圧と同等な場合、キリンは脳に十分行き届かなくなり、立ちくらみやめまいが起こり、日常生活に影響が出やすい。 心臓にも特別な機能を持っていた。最も顕著に現れたのは、発達した左心室だった。哺乳類は、全身に血液を送る左心室の筋肉は、肺だけに血液を送る右心室に比べて大きい傾向にある。
写真＝キリンの体の構造 Xユーザー Singai 2018年10月5日付https:/
キリンの場合は左心室と、右心室の発達度合いが、哺乳類の中でも差がある方だった。左心室の筋肉は厚さ8センチにも達し、右心室の筋肉の3倍以上の分厚さになっている。しっかりと重みのある筋肉が力強く収縮することにより強い血流が生まれ、遠く離れた脳にまで送りだす。
写真＝人の心臓 掲載元 心不全のいろは
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もちろん、体の機能についての犠牲になる部分もある。血液がたまる空間の“壁”である筋肉が分厚くなるにつれて、壁の内側にある空間は小さくなってしまう。
ダンボールを例にとるとわかりやすい。薄い箱よりも、分厚い発泡スチロールケースの方が、内側の容積が小さい。
キリンの左心室は強い収縮力を示す一方で、内部の容積は小さい。従って、1回の拍動で送り出せる血液の量はとても少ないのである。
以下 参考記事 引用文
血圧というのは、1分間に心臓から送り出される血液の量と、血管の抵抗値（血液の流れにくさ）によって決定する。心臓から送り出される血液の量が多ければ多いほど、また血管の中を血液が流れにくいほど、血圧が高くなるのである。
ヒトの例を出してみると、動脈硬化によって血液が流れにくくなると、結果として高血圧が引き起こされる。
心臓内の空間が小さいので、一度に送り出せる血液の量はたいして多くない。心拍数が際立って高いわけでもないので、「1分間に送り出せる血液の量が多い」というわけではなさそうだ。
そこで、高血圧を生み出す器官として近年注目されているのが、血管だ。キリンの血管は、ほかの哺乳類に比べて抵抗値が著しく高く、血液が流れにくくなっている。とくに手先・足先の血管でその傾向は顕著だ。
キリンの血管に関する研究はまだまだ始まったばかりで、高血圧の謎がすべて解き明かされたわけではない。疑問はつきないどころか、「1個新しいことがわかったら、10個わからないことが増える」くらいの状況だ。
今後さらなる調査が進むことで、高血圧の秘密がしだいに解き明かされていくだろう。
＜終わり＞
進化の過程で、背丈が高くなり、体の仕組みや外見も特徴的になったキリンは、今なお動物園のアイドルとしても、人々から愛されている。
■秋田県のクマ3頭「なぜ殺したのか」 県外から苦情殺到、「住民の命守るためご理解を」
(弁護士ドットコム - 10月05日 17:01)
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