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2021年05月18日21:30

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2021年5月18日(火)話題の動物達 動物園のデートから人間性を探る 市原ぞうの国で原因不明の死について 話題の動物と古生物関連ニュース!福井恐竜博物館のレポート ツシマヤマネコの赤ちゃん 

 5月18日(火)

 前々日の5月16日(日) 東京多摩地域は、一日を通して雲に覆われ、時に雨が降ってきた。最高気温は20度、湿度は50%台から60%台で推移していた。気象庁は16日、東海地方と西日本に、平年より21日早く、入梅したと見られると発表した。既に中国・四国、九州地方は、15日(土)に入梅宣言を出している。

 17日(月)は、前日と同じく朝から分厚い雲により日差が遮られた。雨が降る時間は少なかったものの、風が強く、嵐を予感させる天気だった。最高気温は24度、湿度は70%台である。

 本日18日(火)は、午前中から小雨が降り続いている。午前11時で気温は21度、湿度は80%を越えた。

次の日曜日まで、曇りがちな日が続く。

 18日付けのツィッターで、仲良く絡み合う2匹の猫を写した1ショットが話題になっている。飼い主によると、毎晩お互いに体を引っ付けて寝ているという。写真を見たユーザーから「謎の合体ポーズ」との声が上がる。それぞれ2匹の名前はアルカとカルトといい、TwitterのほかにもYou tubeで活動している。

 画像提供:猫と怪獣。時々みかん。(アルカ×カルト)(@0000orangeeee)さんhttps://twitter.com/0000orangeeee 5月5日付け
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 目次
・初めに5月18(火)付けのコロナ関連ニュース!市原ぞうの国、物園のデートから人間性を探る
・序章  古生物について スペインで発掘された恐竜コンカベナトールの化石
・第1章 日本近海で始めてニホンイトヨリの生息が確認される。
・第2章 ツィッターで話題の猫 国内最大級の新種のムカデ
・第3章 ツシマヤマネコの人工繁殖に成功
・第4章 日本列島で最古の哺乳類が発見される
・第5章 中国で卵を抱いたままの恐竜が化石化した
・第6章 島根県にてセイウチの祖先「ネオテリウム」の化石が発掘される

 ・初めに5月18(火)コロナ関連ニュース!市原ぞうの国、動物園のデートから人間性を探る

 2日前の5月16日午後9時、日本全国の新型ウィルスの新規感染者数は5261人、死者47人と発表された。厚生労働省によると、人工呼吸器ECMOの装着を必要とする重症患者は、前日の15日より8人減り、1223人と明らかにされた。

 詳細 NHKサイトより https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210516/k10013034001000.html

 写真 掲載元 5月16日の感染者数 上記のサイト https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/
 
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 5月17日(月)20時30分、本日日本全国で確認された新型コロナウィルスの新規陽性者は3680人、感染による死亡者は108人と明らかになった。厚生労働省によると、日本全国の重症患者数は1227人(前日比4人増)である。
月曜日の数値を振り返ると、先週10日の感染者数は4935人、死亡者68人である。感染者数は減ってきているとはいえ、死亡者は1,5倍も増加に転じた。


 詳細 写真掲載元 NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210517/k10013035591000.html

 写真=5月17日の日本全国の感染者数を示した図 必図の中で空白だった鳥取県では、本日新規陽性者が3人判明した。従って日本全国の新規感染者数は、午後8時30分で集計を終了し、3680人となった。https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/?utm_int=detail_contents_news-link_002
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  最新5月18日(火)21時30分、日本全国の新規感染者数は5230人、死亡者204人、重症患者1235人と明らかになった。参考NHKより https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/?utm_int=detail_contents_news-link_001

 5月31日に期限を迎える緊急事態宣言の区域に、16日以降、岡山県、広島県、福岡県が追加された。なお蔓延防止重点措置の対象地域に追加された石川県は、先週9日(日)に県独自の緊急事態宣言が発令されている。コロナ慣れした今、改めて自治体の長は、一般市民に不要不急の外出自粛を要請し、企業には出勤者7割減を求めた。

 5月17日(月)日本の動物園で悲しい出来事があった。千葉県市原市の動物園「市原ぞうの国」で、飼育中のゾウ6頭が相次いで体調を崩し、一般公開を取りやめていた。
 同園によると、14日午後から飼育する12頭のゾウのうち、6頭に食欲不振や下痢などの症状が起こっていた。体調異変に気付いた飼育員は、獣医師を呼び、診察してもらった。投薬などの治療を施したものの、16日に30歳と35歳の雌のアジアゾウが亡くなった。残る4頭は快方に向かっている。同園は遺体を解剖すると共に、今回の原因不明の病気と食事との因果関係についても検証する。解剖したところ、2頭のうち1頭は、腹部に内出血が起こっていた。内出血の原因については不明である。

 詳細記事 テレ朝ニュース 2021年5月17日付け https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000216374.html


 市原ぞうの国の担当者は「突然で大変ショックを受けている。残されたゾウの回復に努めるとともに、二度とこのようなことがないよう原因を究明していく」と話した。

 写真=多摩動物公園に暮らす近縁種のアフリカゾウ 撮影日2013年3月20日(金・祝)
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 市原ぞうの国は、2005年夏に全国の映画館で上映された「星になった少年」のロケ地にもなった。

 アジアゾウは、メスと子供で群れを作る。オスは繁殖期を除き、単独で行動する。群れは、年長のメスが、リーダーを務め、移動時先頭に立つ。感受性が豊かで、記憶力もあり、水場や餌場を把握し、責任を持って、仲間を導く。森林開発により住処が狭まる中でも、東南アジアからインドにかけての熱帯地域で命を繋いでいる。

 次に動物園を訪れる人の立場から見ていく。元飼育員のハンドメイド作家が、5月12日に動物園でのデートの掟をツィートすると、多くのユーザーから共感の声があがった。飼育員によると、動物園での鑑賞マナーは、実生活にも役立つと説く。ガラスを叩く、または動物に対して汚い言葉を使う人との付き合いは避けるべきだと、書いていた。また読者からの疑問に対して、次のように答えた。『動物に対する態度=将来の自分や家族に対する態度』に置き換えたときに違和感があったら、その後のお付き合いをどうするか考えてみた方がいいのかなと思います」

 詳細 https://news.mixi.jp/view_news.pl?id=6521980&media_id=241&from=widget&widget_type=1&widget_setting=0

 ツィッターアカウント ZooBaby 元動物園飼育員
@ZooBaby6 https://twitter.com/zoobaby6

生き物に対して優しく接する人は、実生活でも信頼関係を築くことができる。我々ヒトもゾウも同じように仲間を大切にし、身内の死を悼む。21世紀、自然保護活動が進む中、動物に対する見方も大きく変わってきた。

 

   序章 古生物について スペインで発掘された恐竜コンカベナトールの化石

今回は、現生の動物と古生物学がメインテーマである。2月から4月に話題になった出来事と共に、最新ニュースを一つにまとめた。第5章では、福井県勝山市にある恐竜博物館の展示品も紹介した。全6章から成る。

 外部リンク 福井県立恐竜博物館 https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/

 写真=2014年の夏場に福井恐竜博物館内で開催された特別展「スペイン 奇跡の恐竜達」で展示された全長6mのコンカベナトール
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 参考リンク 特別展公式ホームページ https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/special/spain/photos.html

 全長6mのコンカベナトールは、特別展の目玉となった。生息時期は1億2500万年前の白亜紀前期、スペインのラス・オヤス(Las Hoyas)でほぼ全身が保存された状態で発見された。背中の後方にある瘤のような盛り上がりが特徴である。当時ラス・オヤスは、湿地が広がり、エビやワニ形類、魚類などの水棲生物を中心に、昆虫やトカゲ、鳥類が暮らしていた。

 参考 コンカベナトール https://www.dino-tail.com/zukan/concavenator/concavenator.html

 古生物に関する関連日記 2020年9月1日付 世界最小の恐竜の卵を発掘したチームが、ギネス認定を受ける 白亜紀のほ乳類三錐歯目について
 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976789896&owner_id=32437106
 

   第1章 日本近海で始めてニホンイトヨリの生息が確認される。

 5月16日(日)付けの朝日新聞DEGITAL版の記事によると、日本近海で生息する魚類に関して、今年一番といえる大きな発見があった。鹿児島大学総合研究博物館とかごしま水族館の研究チームが、日本国内で始めて魚類の「ニホンイトヨリ」を発見したと発表した。日本魚類学会発行の魚類学雑誌電子版(4月30日付)にて、論文が掲載された。同種は江戸時代の230年前、日本近海に生息する新種とされた過去がある。実際日本近海で目撃情報はなく、後に間違いだと認められた。論文の共同筆者の本村浩之・鹿児島大教授によると、ニホンイトヨリは1791年、日本産と誤認された標本に基づき、ドイツの魚類学者が命名した。学名は「ネミプテルス・ジャポニカス(日本のイトヨリダイ)」という。1938年に日本の魚類学者が「ニホンイトヨリ」と和名を付けたものの、過去の時代の資料からも日本近海で引き上げられた事実は確認できなかった。1791年に作成された標本は、発掘された化石の分布図からインドネシア・ジャワ島周辺で採集された可能性が高い。

 写真=種子島産ニホンイトヨリNemipterus japonicus(鹿児島大学総合研究博物館所蔵標本)掲載元 下記の鹿児島大学のホームページより 
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 写真=釣り人が勘違いしたイトヨリダイ 掲載元 WEB魚図鑑より
https://zukan.com/fish/internal566
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 今回の発見は、コロナ前の2020年1月、種子島・西之表の漁港から始まる。貢献者は釣りが趣味の美座忠一さん(70歳)、現地で予想外に釣れた魚を、形状や色合いから、イトヨリダイと判断していた。全長は25cm、西日本や東日本、台湾沖で見つかっているものの、鹿児島県から琉球列島での確認例は少ない。彼は、研究機関に問い合わせて、資料として提供した。その釣った本人がイトヨリダイと思い込んでいた魚は、鹿児島大学の本村教授の手に渡った。生態学の専門家の目で見たところ、模様やひれなどの特徴からニホンイトヨリと判明したのである。


 本村教授によると、ニホンイトヨリは台湾や東南アジア近海に広く生息している。台湾周辺で孵化(ふか)した個体が、黒潮に乗って偶発的に種子島沖まで流され、大人になったとみている。教授は、自身が発表した論文で、「西太平洋域における分布の北限記録」と書いた。


 一大発見に貢献した釣り人の美座さんは「国内初確認と聞いてビックリした。自分の胃袋に収めなくて良かった」と率直に話した。本村教授は「日本では幻の魚だと思われていた。黒潮などの偶然が重なった結果とはいえ、国内初の標本を直接手に取れ、感慨深い」と成果を語った。

 ニホンイトヨリは、230年の時をへて、はれて日本に生息する魚と認められた。

 詳細記事 鹿児島大学より https://www.kagoshima-u.ac.jp/topics/2021/05/post-1793.html


 第2章 ツィッターで話題の猫 国内最大級のムカデの名前が決まる「リュウジンオオムカデ」

次に一昔前の2021年3月22日のツィッターで話題になった飼い猫の写真を取り上げる。抱いている飼い主の顔を隠すほど猫は巨大化していた。

 写真=4月2日にアップされたもの 掲載元 ユーザー名 ハクラガマフィン https://twitter.com/WeUADL1Ws02osvw?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
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リンク 「猫ってこんなにでかいんですか?」「もふもふ具合がたまらない」 飼い主さんに抱っこされた巨大猫がかわいい
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=6460382

 飼い猫は寿命数十年、飼い主の愛情をたっぷり受けると、人懐こくなる。コロナ禍の中、在宅時間が長くなり、ペットを飼い始める人が多くなったという。我々人とともに今後も歩んでいく。

 4月13日(火)沖縄県本島東北部に生息する体調20cmになるムカデが、新種と判明したと発表した。法政大学と東京都立大学、琉球大学などの研究チームは4月13日に、世間一般に新種のムカデの存在を公表すると共に、正式名称を決めた。和名「リュウジンオオムカデ」という。半水生で、森林内の水辺で川エビなどを捕食する。久米島、石垣島などの島々や台湾にも分布していることが明らかになった。日本国内で、オオムカデ属の新種が確認されたのは、1878年以来143年ぶりとなる。熱帯の沖縄県は、1972年5月15日に施政権がアメリカ合衆国から日本国へと返還された。生態調査が進み、1981年にヤンバルクイナが始めて新種と認定された。今なお沖縄には未知の生物が潜んでいるといわれている。

参考リンク 2021年4月13日読売新聞 https://www.yomiuri.co.jp/science/20210413-OYT1T50163/


          第3章 ツシマヤマネコの人工繁殖に成功

 日本の動物界で画期的な成果が上がった。3月22日(月)付けで、神奈川県横浜市ズーラシア動物園にて、食肉目ネコ科ネコ属の一種ツシマヤマネコが、人工授精にて初めて赤ちゃんが誕生したと発表した。本種は、長崎県対馬のみに生息する固有種である。野生下での推定生息数は100匹前後、絶滅の危険性から、日本各地の動物園にて、人工繁殖が試みられていた。同園では今月18日に誕生し、翌19日に体重計に乗せたところ、88gを差していた。22日には122gまで成長している。環境省主導の下、経過観察をするべく、一般公開されていない。順調に体が大きくなり、自力で歩けるようになる頃に、一般の人々の前でお披露目される可能性がある。

 参考記事 読売オンライン 3月22日付 https://www.yomiuri.co.jp/national/20210322-OYT1T50162/ 写真 提供元 よこはまズーラシア動物園より
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 本場といえる対馬にあるツシマ野生順化ステーションでは、飼育種の野生復帰へ向けたトレーニングが最終段階に入った。先週NHKハイビジョンで放送されている本格派自然番組にて、一部始終を紹介していた。

 リンク 対馬野生生物保護センターより http://kyushu.env.go.jp/twcc/center/station.html

 写真 掲載元 EICネット https://www.eic.or.jp/library/pickup/081/ センター内で公開されているヤマネコ
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センター内では、人によって餌を与えられたヤマネコを、野生に返すため、順を追ってトレーニングをしている。餌をたっぷり食べて大きくなった個体は、比較的広いケージの中に移す。策によって囲われたスペース内で、狩りに挑戦させる。区域内は、生息環境に近づけるべく、起伏に富む。下草が生い茂り藪のような環境になり、木も生える。特殊な管を通して、餌用の小さなネズミをケージの中に送り込む。訓練を受けるヤマネコは、日中藪の中に潜み、外に出ない。ネズミの気配を察すると、抜き足差し足で近寄り、両手で覆いかぶさるようにとらえていた。訓練を受けたヤマネコは、近いうちに野生へ放たれる予定である。復活プロジェクトは、順調に進んでいる。

       第4章 日本列島で最古の哺乳類が発見される

 2月7日、日本の各新聞で、日本列島の古生物学史を塗り替える一大発見があったと報じた。恐竜が存在した中世代白亜紀の地層が残る福井県でのことである。同県勝山市の県立恐竜博物館のチームが、大野市の1億2700万年前の白亜紀前期の層から、国内最古となる哺乳類の歯を発掘した。出土した歯から、原始的な「真三錐歯類」の一種と判明した。過去に世界中で発掘された近縁種の歯と相違点があることから、新種の可能性が高いとの結論を下した。

福井県立恐竜博物館は2月7日、同県大野市にある約1億2700万年前(前期白亜紀)の地層で見つかった化石が、国内最古級の哺乳類のものと判明したと発表した。恐竜時代の原始的な哺乳類「真三錐歯類」(しんさんすいしるい)の下顎の骨の一部を公表した。骨の長さは13.1ミリ、高さは5.8ミリ、歯の数はわずか3本である。第1発見者は、大野市教育委員会の主任学芸員である。2019年6月ごろ、同市の荒島岳東部に分布する「伊月層」で見つけた歯を福井県立恐竜博物館に持ち込んだ。

 写真 掲載元 福井新聞ONLINE 2021年2月7日付 https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1256502
 
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 同博物館が調べたところ、3本の歯のうち奥歯2本に、真三錐歯類に特徴的な三つの突起が確認された。全長16〜17センチ、白亜紀の哺乳類の特徴であるネズミのような姿だと推定される。新種と正確に認められるには、さらに詳しい分析が必要だ。歯の形や大きさから、国内で初めて発見された種に間違いはない。

 隣接する石川県の白山市でも、実のところ福井県伊月層と同年代の地層から哺乳類の化石が出土している。どちらの化石が古いか、特定は出来ていない。

 伊月層には、爬虫(はちゅう)類から哺乳類への過渡期にあたる草食動物「トリティロドン類」の歯の化石も発掘されている。

 トリティドロン類は、南アフリカを中心にジュラ紀前期(約1億9960万年前〜約1億7560万年前」に生息が確認されている。現生のネズミ目(げっし目)のように、歯隙(しげき:前歯の後ろにある歯の無い空間)があることから、草食性に分類される。硬い植物の根っこや落ちた木の実を齧っていた可能性が高い。トリティドロンの仲間は、ジュラ紀に絶滅した説が有力だった。石川県白山市、手取層群(白亜紀前期の約1億3000万〜1億 2000万年前の地層)で「トリティロドン」の仲間の歯が見つかったことにより、新たに白亜紀まで生存していたことが確認された。石川県白山市の桑島層で発掘体験をした小学生は、大きさわずか1cmから2cmの歯を見つけ出している。

 参考リンク ひとり古生物祭り https://ichi1kun.com/tritylodon/

 同博物館の宮田和周主任研究員は一連の発見について、「恐竜時代に関する新たな研究の展開が期待できる」と話している。 

 第5章 中国で卵を抱いたままの恐竜が化石化した

 続いて、白亜紀の地層が残る中国にて、恐竜の進化を示す画期的な発見があった。同国の江西省に残る7000万年前の地層にて、抱卵する親鳥の化石が発掘された。保存状態が良く、化石化した卵は孵化直前の状態だと明らかになった。一連の研究には、中国の雲南大学や古脊椎動物古人類研究所などの国際研究チームが携わった。鑑定結果を3月13日までに科学誌サイエンス・ブレティンに発表した。

化石化した24個の卵は全て細長いものの、若干大きさに差がある。見つかった卵のうち、最大で長さ21,5センチ、幅8,5センチになる。研究チームによると、4個の卵の化石から子供の骨格が見えていた。  

写真=卵の化石の実物 掲載元下記のリンク 雲南大の畢順東教授提供・時事
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 抱卵する親鳥に関しては、一部の情報が残っている。見つかった部位は腰や後ろ脚の骨に留まり、頭骨や尾はなかった。腰や後ろ足の骨から、推定の大きさは2m、性別は特定できなかった。卵の殻や子の骨を詳しく調べた末に、胚の同位体を分析したところ、摂氏30度から38度で温めていたとの結論を出した。同位体比は、同じ元素で質量数の違いを差す。胚の分析に使われる原子番号8の酸素は、通常陽子と中性子の数が8つで等しく、質量数16になる。まれに中性子が余分に1つ、または2つつき、質量数17と18が存在する。海水温度や岩石または化石の体温を推定する際、酸素16と18の比率を調べる。この酸素同位体比体温計は 、1951年 H.ユーリーによって提唱された。発見者H・ユーリーは、貝殻の化石を発掘した際、主成分の炭酸カルシウム中の酸素同位体比が,水の温度によって変化することを突き止めた。彼は、温度の変化によって、蒸発,溶融,再結晶作用を起こすと説いたのである。手がかりは、有孔虫にあった。有孔虫は、わずか数週間から数ヶ月で寿命を終えると、石灰質の殻が海底で堆積する。後に海底のボーリング調査により、コアを採取する。有孔虫の化石を分析し、酸素16と18の比率を調べる。有孔虫の殻は、海水温が低いほど、酸素18を多く取り込む。つまり、化石になった有孔虫の生息年代を明らかにすることで、当時の海水温度が明らかになる。
 
 24個の卵は、大きさ以外にも、中にいる子供の成長速度も異なる。孵化するタイミングは、数日異なった可能性が高い。

 2021年3月13日付け JlJl.comより https://www.jiji.com/jc/article?k=2021031300202&g=int&p=20210313at07S&rel=pv

 写真=オビラプトル類のイラスト (イラストレーター趙闖氏提供・時事)
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 子孫の鳥類、例えば猛禽類のタカ科のオオタカやツミ、ハヤブサ科のチョウゲンボウは、平均3つから4つの卵を産む。それぞれの卵は若干孵化するタイミングに差があるとはいえ、ほぼ揃っている。恐竜に関すると、少なくともオビラプトル類は、孵化のタイミングに差が出ていたといえる。さらに詳しい検証が必要だ。

 恐竜に関する研究は、コロナ禍でも世界各地で進んでいる。

 古生物関連として、日本で唯一となる福井県勝山市にある県立恐竜博物館と、同じ市内にある白亜紀の地層が残る手取層群の写真を公開する。

 撮影日は7年前の2014年7月31日(水)、天気は晴れ、日中の気温は30度を越える真夏日だった。

 以下の写真は、恐竜博物館に展示された竜脚類の一種フクイティタンの模型である。
 
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 大腿骨
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 こちらは獣脚類の一種フクイラプトルの模型
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 実物大のレプリカ
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 骨の断片
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 博物館内で別途料金を払うと、手取層群へと向かうツアーバスに乗車できる。小さな子供達の発掘調査の様子を見守った。

 手取層
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 勝山市恐竜博物館は、恐竜と同時代に生息していた古生物を比較しながら、鑑賞することができる。博物館に属する研究員は、ここ日本から新種の発見とともに、新たな生態の謎を解き明かしている。

 第6章 島根県にてセイウチの祖先「ネオテリウム」の化石が発掘される
  
 3月18日(木)に山陰地方の島根県邑南町で古生物学に関するニュースが発信された。2010年の時点で同地域で発掘された化石が、1600万年前に生息していたセイウチ類の祖先ネオテリウムと判明した。北米大陸のみで確認されていた化石が、太平洋を挟んで日本列島で発見されたことを踏まえ、古生物学者はネオテリウムの分布図の作成をしなおしている。国立科学博物館の主森亘支援研究員は「北米と日本で見つかったことにより、北太平洋の東西両岸に生息していたことが分かった。(両岸は)距離があるので移動能力が高かったと言える」と話した。

 写真=公開されたネオテリウムの下顎の右側の一部分 産経フォトより https://www.sankei.com/photo/daily/expand/210318/dly2103180015-p1.html
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 2010年時点で発掘された化石は、下顎の右側の骨に当たる。大きさは長さ約11センチ、高さ約5センチ、厚さ約1.5センチである。北米大陸で積み上げた調査から推定生息年代は1600万年前から1500万年前とされた。

 毎日新聞2020年3月18日付 https://mainichi.jp/articles/20210318/k00/00m/040/169000c

 地道な発掘調査により、生物学の常識を覆すような化石が出土する。新種が見つかるたびに、古生物学者は歴史を見直すようになった。古い地層が残るフィールドでは、今日も沢山の研究者や学生達が汗を流している。
 
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