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2023年09月21日20:41

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「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」

ケネス・ブラナーが監督、主演するポアロシリーズの第3弾だ。
「オリエント急行殺人事件」が原作通りで捻りがほぼなかったため、前作の「ナイル殺人事件」はスルーしたが、この作品は原作のストーリーも知らなかったので観に行く事にした。

ポアロ(ケネス・ブラナー)は探偵業を引退し、ベネチアで悠々自適の生活を過ごしていた。
しかし彼の世間は彼を放ってはおかず、彼の部屋の前には毎日依頼者が列を作っていた。
そのためポアロは元警察官のボディガード、ポルトフォリオを雇い、彼に話しかける事は許しても、体に接触する者を排除していた。
ポアロはその日も部屋の屋上でティータイムを一人で楽しんでいたが、ポルトフォリオが客を通してしまった。
来客は旧友の人気ミステリー作家オリヴァで、最近ベネチアで人気になっている霊媒師の降霊術のトリックを暴かないか、と言う誘いだった。
あまり気の進まなかったポアロだが、オリヴァの巧みな挑発に乗ってしまい、降霊術に参加する事となった。

降霊術の舞台は、有名なオペラ歌手ロウィーナ・ドレイクの屋敷で、彼女はこの屋敷に年に数日しか滞在しないものの、昨年一人娘を屋敷で失っていた。
降霊術の前には、ロウィーナが施設の子どもを招待してハロウィンパーティが行われる。
降霊術に参加するメンバーも、このパーティから参加していた。
ポアロはオリヴァ、ポルトフォリオとともに参加し、他にはロウィーナの主治医のレスリーとその息子レオポルドも参加していた。
やがてハロウィンパーティは終了して子どもたちは屋敷を去り、残ったのはパーティ参加者とロウィーナ、家政婦のオルガとなった。
その後、霊媒師のレイノルズが助手のニコラスとともに屋敷にやってきた。
天候はどんどん悪化し、降霊会の夜にふさわしくなっていく。
ロウィーナは死んだ娘のアリシアの霊を呼び出して欲しいと、レイノルズに懇願する。
レイノルズは降霊会の場所としてアリシアの部屋を選び、メンバーはそこに集まり降霊会が始まった。

レイノルズが霊を呼び出すと、タイミングよく扉が開き、タイプライターが自動で文字を打ち始めた。
参加者が驚いている中、新たなる客がやってくる。
アリシアの婚約者だったシェフのマキシムだ。
マキシムはアリシアの死後半年も経たないうちに、店を出すための出資者の娘と婚約をしていた。
当然、ロウィーナはマキシムに帰るように言うが、マキシムは降霊会の招待状を持っていた。
アリシアの霊が、マキシムに招待状を送ったのか。
参加者が疑心暗鬼になるなか、ポアロは見事にレイノルズの降霊のトリックを見破る。
だがこの時点で天候が荒れていたため、屋敷から誰も出る事ができなくなっていた。
参加者の興味は、降霊術からアリシアの死の真相へと移っていた。
アリシアは、マキシムに振られたことを苦にして自殺したのか、あるいは誰かに殺されたのか。

やがて時計の針が0時を回る頃、大きな音が屋敷中に響く。
屋敷内のオブジェに胴体を貫かれ、霊媒師のレイノルズが死んでいた。

古い洋館が舞台の、ゴシックホラー調のミステリーだ。
特にポアロシリーズに詳しいわけではないが、まったく聞いたことのない作品だったが、後から調べてみると原作でもかなりマイナーな作品で、かつ映画は原作からかなり改変が加えられているらしい。
そのためか、前半にきちんと布石が打たれていて、ミステリー映画として教科書的な作りになっていた。
悪天候に閉ざされた古い洋館と言う世界観も、きちんと作りこまれている。

目新しさという部分は乏しいが、ミステリー好きなら満足する作品だと思う。


75.名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊
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