「Parallel Lives 平行人生〜新宮晋+レンゾ・ピアノ」展 中之島美術館
ロンドンブリッジタワーやパリのポンピドーセンター、関西国際空港旅客ターミナルビルなどを設計したイタリア・ジェノヴァ出身の建築家、レンゾ・ピアノと大阪・豊中出身の造形作家、新宮晋。同い年の二人の人生と作品にフォーカスした今までにない展覧会。
場内は広々としていて気流が流れ、ミニチュアの彫刻模型と映像のプレゼンテーションに動きがあってゆったりと鑑賞できた。
日本とイタリア、遠く離れた場所で活動していた二人を結びつけたのは「関西国際空港旅客ターミナルビル」を作るというプロジェクト。「見えない空気の流れを見えるようにしてくれないか」ピアノはそう依頼し、新宮は「はてしない空」という作品を造る。
海に向かって吹く風を形にしたかのような関西国際空港4階の国際線出発ターミナルは、二人の協同作業でできた。その時に築かれた信頼関係はその後も続き、数々のプロジェクトを共にした二人。御年86歳。本展はその集大成ともいえるもので、彼ら(老人)の構想は確かな未来へと続いている。
■1937年(0歳)
・新宮 晋
男ばかり4人兄弟の末っ子として大阪・豊中に生まれる。商社勤めの父は海外勤務が長く和洋折衷な雰囲気の家庭に育つ。物心ついた時から絵を描くのが大好きであだ名は「絵描き」。祖母の提案で親戚の小磯良平に絵を見てみらうことになる。小学生のころから絵画コンクールでたびたび入賞。書道も得意だった。
その後東京芸大絵画科に入学。
・レンゾ・ピアノ
3人兄弟の第二子としてジェノヴァで建設業を営む一家に生まれる。幼いころから父親カルロを追って建設現場へ。現場の職人たちの仕事に魅了された。
■1970年(33歳)
・新宮 晋
大阪万博 造船技術を生かした作品《フローティング・サウンド》をExpo 70 大阪万博の人工池「進歩の湖」に浮かべる。
・レンゾ・ピアノ
大阪万博 イタリア産業館(パビリオン)設計
■1975年
・新宮晋 38歳
京都府にある「雑創の森学園」のプロジェクトに参加。7つの塔と7体の風見を製作。79年に第4吉田五十八賞を受賞。
アーティストがみな30代、一緒に考え一緒に作りだした。
■1981年
レンゾ・ピアノ 44歳
パリ・ポンピドーセンター設計
その後、世界中の著名な建物、数々のプロジェクトを手掛け・・・
■2023年(86歳)
・新宮 晋
自然環境の中で楽しみながら学び、創造する「地球アトリエ」のプロジェクトがスタート
・レンゾ・ピアノ
東京海上ビルディング設計
丸の内にある東京海上グループの新社屋ビル。木とガラスの外観が特徴的で、木材の使用量はビルとしては最大規模となる。
2028年竣工予定。
中之島美術館 新宮普+レンゾピアノ
https://artexhibition.jp/topics/news/20230725-AEJ1502179/
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