原作は人気シリーズで、劇場版も「1」は面白かった。
しかし前作の「2」は随分な作品だった。
ただ今回の「3」は、まずまず期待通りの作品であった。
前作の蛇甘平原の戦いで武勲をあげた信（山��賢人）は、百人隊の将となる。
そして尊敬する将軍王騎（大沢たかお）に修行を申し出て、荒野の地の平定を任じられた。
秦の北東の街関水に、隣国の趙軍が侵攻をしてきた。
趙軍の将は趙荘（山本耕史）、軍師は馮忌（片岡愛之助）という顔ぶれで、秦は他方面に軍を派遣していたため関水はあっという間に陥落してしまった。
秦の王都咸陽では、対応のための軍議が開かれていた。
丞相呂不韋（佐藤浩市）は子飼いの蒙武（平山祐介）を総大将にと提案するが、呂不韋が王の座を狙っていることを知る昌文君（�眦萓�宏）は、王騎を総大将に推薦する。
蒙武は近年戦の現場から遠ざかっている王騎を過去の遺物と卑下するが、軍議の結果王騎が大将となる事に決定した。
王騎は軍議の後嬴政（吉沢亮）に、なぜ中華統一を目指すのかを訪ねる。
その二人の会話を、信は物陰に隠れて聞いていた。
7年前、嬴政は趙の王都邯鄲で人質となっていた。
秦はそれ以前に長平で、降伏してきた趙軍40万人を虐殺しており、その事に恨みを持った市民から嬴政は酷い仕打ちを受けていた。
国王の血筋を引いているとはいえ、嬴政の父子楚は、祖父の安国君の多くの子どものうちの一人で、子楚自身が国王になる可能性が低かったため、嬴政は人質としての価値も低かったのだが、父子楚が呂不韋の手引きで秦の王となる可能性が高まった。
そうなると、趙は嬴政を抹殺する可能性も出てくる。
そこで文官の道剣（杉本哲太）が趙に潜入し、紫夏（杏）、亜門（浅利陽介）とともに嬴政を救い出すことになった。
ギリギリの脱出劇のなか、嬴政はなんとか無事秦の軍勢の元に届けられる。
しかし道剣、紫夏、亜門の3人は命を落としてしまった。
その時の紫夏の「誰よりも良い王になれる」という末期の言葉を胸に、嬴政は中華統一を心に誓ったと王騎に告げる。
これまでの嬴政のぶれない強い意思も、この時の紫夏の言葉によるものだった。
その後王騎は軍を率い、趙軍が進軍している馬陽へと向かう。
そこで両軍は対峙するが、王騎は信の百人隊に「飛信隊」と命名し、敵の軍師馮忌のクビを取るように命じた。
万単位の馮忌の本隊に対し、100人の飛信隊は山越えで隊の横を突く奇襲をかける事にした。
「2」は全編の半分以上が砂漠で叫んでいるシーンでかなり間延びしていたが、今回はアクションのシーンがかなり多くなっており迫力があった。
話題になっている杏演じる紫夏のシーンは前半のみだが、たしかに見ごたえがある。
クライマックスの飛信隊の突撃シーンも、100人で本隊に突っ込んでおり展開としてはかなり無理があるのだが、それでも役者陣のアツい演技で感動させられた。
前作の「2」と比べるとかなりの出来の良さだ。
ネタバレにはなるが、原作もまだ連載中という事で誰もがわかっている通り、この作品で物語は完結しない。
と言うか、残り30分くらいでこの後に続く重要な人物が何人も登場し、そこでエンディングロールになる。
役者陣を見ても、どう考えても今回の登場分だけ撮影したとは思えず、すでに次回作の相当な部分まで撮影は完了していると思われる。
当然、次回作も近いうちに公開されるのだろう。
であれば、次回作がいつ公開なのかも、早く発表してもらいたい。
68.キングダム 運命の炎
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