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2023年07月27日21:15

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「もののけ姫」(再)

「君たちはどう生きるか」の宣伝で放送された「もののけ姫」を録画して見る。
宮崎駿作品の中でも、かなりメッセージ性の強い作品だ。
そういう部分が、今回宣伝で放送された3作品の一つに選ばれたのだろう。

テーマは自然と人間の共生であるが、ラストもハッピーエンドではない。
エボシは自らが呪い殺されようとも、たたら場の弱き者を護るためにどこまでも突き進む。
敵が権力者だろうが自然だろうが関係ない。
自分が信ずる道を、どこまでも強引に真っ直ぐ進もうとする。
自然に育てられたサンは、自らを人間と思わず自然の一部として自然を護ろうとする。

そんな二人の姿を見て、アシタカは戸惑う。
なぜなら、どちらもその者の立場から見れば正論で、どちらが間違っている、と言う事にはならないからだ。
アシタカは自分なりに両者が並び立つ解決法を考えるが、結局最後までその方法は見つからない。
ただ、暴走するエボシを止める事で最悪の事態は免れたため、時間をかけてその道を探そうと決意する。

よく、「地球に優しい」などと言うが、それは本当だろうか?
個人的には、火山や地殻活動が活発で地表に生物がほとんど住めない状態が、地球にとっては一番健康であるのではないかと思う。
現在の地球は、活動が衰えてしまい地表に寄生虫が生息している病気の状態、と考える事もできる。
その寄生虫を増やそうとする行動が、本当に地球にとって「優しい」のだろうか?
我々が「地球に優しい」と思って行っている行動は、本当は「地球に住む人間に優しい」か、百歩譲って「地球に住む生物にとって優しい」だと思う。

「そうではない」と言う人がいたら、その人に問いたい。
あなたは地球と会話をしたことがあるのですか、と。
現在の「地球に優しい」と言われている行動が本当に「地球に優しい」のかどうかは、地球そのものしか判断ができないからだ。

翻って、そう考えるとエボシの行動は、決して間違っていないのだ。
エボシは、たたら場で暮らす弱き者のために戦っている。
「地球に住む人間に優しい」ための行動と、なんら変わりはない。
「人間=悪、自然=善」と言った、気持ちの悪い宗教的な観念を、この作品は見事にぶち壊してくれている。
そういう意味で、とても深いテーマの作品だ。

「君たちはどう生きるか」を意味不明と評している者にも問いたい。
あなたは「もののけ姫」のテーマを理解できているのですか、と。


65.もののけ姫(再)
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