昔、ある時、「敢えて李氏朝鮮とせず朝鮮王国でよい」と聞かされたことがある。概ね正しい。史記には
[箕子朝鮮]の記述があるが伝説の域を出ない。
しかし今は半島北半部は政権が三代目迄世襲されている現状からして
[金氏朝鮮王朝]が成立してしまった。
そんな今、李氏朝鮮王朝の史実を踏まえた虚構が複数のSF作家に拠って構築された。しかもスチームパンク縛りだ。
蒸気機関利用の状況については厳格な規定はないらしく、柔軟に様々な想像が凝らされている。
『知申事の蒸気』イ・ソヨン
これまでの作品は道具立て、社会背景として蒸気技術が扱われてたが、本作では主人公として汽機人が登場する。鹿も実在の人物が汽機人であったと云う異説。
史実を丹念に追って物語りが構成されている。王の心理描写が良い。
他の作品でも出てきたが、蒸気仕掛のAIのレベルまで行っているのが凄い。
「数字が落ちてくるように正確な位置に言葉が届く。」「状況を演算しよう」← やはり数値に拠っている。
「賢くて鈍感な人なのに」← 蒸気AIの特性か。
『スチームパンク朝鮮年代表』
巻末でこの文書を読んでほくそ笑む。作品群には描かれない、李舜臣のネタまで仕込んである。李朝末の大院君の事にも触れている。大雑把だけど朝鮮王朝史を知っていると嬉しくなるな。
歴史改変は面白い。
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