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2023年07月01日21:41

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「ザ・フラッシュ」

アベンジャーズのMCUと比べて、一つ一つの作品の興行収入が伸びずに迷走していたDCエクステンデッド・ユニバース。
2017年公開の「ワンダーウーマン」と「ジャスティス・リーグ」以降はパっとした作品がなく、ガル・ガドットがワンダーウーマンから降りると言う話も出て、もう尻すぼみで終わってしまうのかなと思ったが、今回の作品は久しぶりにガツンとくる内容であった。

科学捜査研究所で働くバリー・アレン(エズラ・ミラー)は、ゴッサムシティに危機が訪れた時、バットマンことブルース・ウェインの執事であるアルフレッドから連絡をうけ、フラッシュに変身して人々を助けていた。
だがバリーには悩みがあった。
少年時代、母親が何者かに殺され、父が容疑者として逮捕されていたのだ。
しかし母が自宅で殺害された時、バリーは父が買い物から戻ってきたばかりである事を部屋の窓から目撃していたので、父が犯人ではないことがわかっていた。
父がスーパーで買い物をしている防犯カメラ映像もあったのだが、終始下を向いているため顔が映っておらず、証拠にはならなかった。
バリーが科学捜査研究所で働くきっかけになったのも、父の冤罪を晴らしたかったからだ。

そんなある日、バリーは新聞記者で高校時代の友人のアイリスと再会する。
そして彼女と会話をしているうちに、自分のスピード能力を使って過去にさかのぼれば、母を殺人事件から救えることに気づいた。
すぐに事件当日の日に戻り、父親が買い物に行かなくて済むようにしたバリー。
そして現在に戻ろうとするのだが、光速で時空を移動中に何者かの襲撃に遭い、過去と現在の途中の時間に落ちてしまう。
その時間は、バリーが落雷で電気を帯びた化学薬品を浴び、フラッシュの能力を身に着ける直前だった。
バリーは実家で無事両親と再会、そして若き日の自分とも遭遇する。
若き自分に事情を話し、落雷事故の現場で再現をするのだが、その際に若きバリーは能力を身につけるものの、元のバリーは能力を失ってしまった。
その後、元にいた時間軸同様に、ゾッド将軍がスーパーマンを探しに地球を来襲する。
元のバリーは若いバリーと共に、ブルース・ウェインを訪ねたが、ブルース・ウェインは自分が知っているバットマンのブルース・ウェインではなく老人だった。
ブルースと若きバリーから話を聞くと、目の前のブルースはかつてバットマンだったが、ゴッサムシティから悪を駆逐したため引退したと言う。
そして現在の時間軸にはスーパーマンは存在せず、ワンダーウーマン、アクアマン、サイボーグも存在しないとの事だった。
老人のブルースはやる気がなく、自分も能力を失っており、このままではゾッド将軍の進軍を止める事はできないと慌てる元のバリー。
ブルースの保持していたシステムで、ロシアに幽閉中のヒーローがいる事を突き止め、それがスーパーマンだと確信する。
元のバリーはブルースを説得し、若きバリーと3人でロシアに向かった。
そしてロシア軍の鉄壁な守備から、幽閉中のヒーローを救出。
しかしそれはスーパーマンではなく、小柄な女性だった。

MCU同様、今流行りのマルチバースが設定の基礎となっている。
元のバリーが過去に戻って歴史を変えてしまったことにより、今の時間軸ではゾッド将軍を止める事ができなくなってしまっているのだ。
少々ネタバレになってしまうが、ロシアで救い出したのはスーパーガールで、能力を持った若きバリー、そしてやる気を取り戻した老人バットマンと4人でなんとかゾッド将軍を止めようとするが、決して上手く行かない。
その原因が、自分が両親を救うために時間軸を変えてしまったことであることに気づき、悩むバリー。
このあたりの描き方が、かなり巧い。

また、こちらも少々ネタバレになってしまうが、出演者がなかなか憎い演出になっている。
もうDCエクステンデッド・ユニバースとして作品ごとの連携は取らないと発表しているにもかかわらず、まずバリーが「ジャスティス・リーグ」に引き続きエズラ・ミラーが演じている。
ワンダーウーマンはガル・ガドットではないが、序盤でバリーの相談に乗っているバットマンは、2022年の「THE BATMAN-ザ・バットマン」のロバート・パティンソンではなく、やはり「ジャスティス・リーグ」までバットマンを演じていたベン・アフレックだ。
細かい部分で言えば、執事のアルフレッドもジェレミー・アイアンズである。
さらに、別の時間軸で出会った老人ブルースは、ティム・バートン版でバットマンを演じたマイケル・キートンだ。
「『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のパクりだろう」と言う人もいるかもしれないが、それとは別の演出であり、個人的にはかなりシビれた。
スーパーマンについてはあまり思い入れがないのでよくわからなかったが、マルチバースに存在しているスーパーマンも、過去の作品の映像が使われていたのかもしれない。

DCエクステンデッド・ユニバースの作品も、これで観るのは最後かな、くらいに思っていたが、今回の「ザ・フラッシュ」の出来が良かったので、まだまだ期待ができそうだ。
特に今回と同じアンディ・ムスキエティが監督の作品は、必ず観るようにしよう。


51.ザ・フラッシュ
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