大隅点景　1

なぜか天気と相性最悪な九州遠征。過去5回の遠征時のうち雨に会わなかったのは最初の１回だけ。残り４回のうち3回は台風がらみ（1回は直撃を喰らう）。今回も確立通り滞在４日間のうち晴れたのは帰りの日ただ一日だけ。幸い土砂降りは１日だけで後は曇天（山の上はガスの中）で済んだのは上等な方だった。
今回の目的は初夏の雑甲虫狙い。緻密な採集で細かな虫を探そうというものだが、予想に反し常連さんの姿がちらほら見える程度。地元を基準に考えて一通りのムシはすでに出そろっていると踏んだのだが、虫の新旧の入れ替わりが遅れている印象を受けた。

初日は土砂降りの中カッパ着こんでの採集。前回発生木見つけながら時間切れで十分な対処できなかったエナネア（ゴミダマ）の材崩し採集。これなら雨の中でも採集可能と踏んだが、暗い森の底で濡れて光る木片かき分け、わずか2ｍｍの微細な種を探すのは決して容易ではない。濡れた落ち葉の上にしゃがみ込むことしばらく、土くれと化した倒木の下面から黄褐色のムシを掘り起こすことに成功。周辺の木片を袋に詰め込み、部屋の中でソーティングすることとする。
木片は水分多く粘土状で容易に手の中で崩すことができる。バットに水を張り細かくした木片を水の中ですりつぶすと案の定溶けて水に沈む。ムシは浮き上がり水面でジタバタするので発見は容易。水中（虫）置換法でわずかな時間でソーティングができることが分かった。