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2023年04月16日07:27

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人気古民家カフェができちゃった[読書日記930]

題名:人気古民家カフェができちゃった
著者:川端 えい子(かわばた・えいこ)
出版:幻冬舎メディアコンサルティング
価格:1400円+税(2022年11月 第1刷)
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本当のタイトルは
“本気で好きなことだけやってたら
 人気古民家カフェができちゃった
 ――人生で大切なことは全て志事から学んだ――”
です(長い……苦笑)。
“志事”とは「仕事」のことで、筆者はこのように書きたいそうです。

帯の惹句を紹介します。
“経営ド素人のシングルマザーが、カフェ開業?!
 ひょんなことから初めて店長を任された店は一ヵ月で辞任。
 タイ語も話せないのにタイへ買い付けに行き雑貨店をオープン、
 さらには展示会開催にオリジナルブランド作り。
 行き当たりばったりの旅でひたすら走り続けたひとりの女性の
 汗と涙と喜びに満ちた奮闘記!”

目次は次のとおりです。
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 はじめに
 第一章 アジアへの憧憬と初めての店創り
 第二章 いざ自然食レストランスタート
 第三章 古民家との出会い
 第四章 古民家空間風楽のオープン!
 第五章 愛おしい古民家暮らし
 第六章 古民家で忘れられない思い出
 第七章 台風15号からいよいよ次のステージへ
 第八章 人生の最終章のスタート
 第九章 質の高いイベントの企画
 第十章 風楽で学んだこと
 おわりに

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筆者の経歴を順番に書くと、
 1)雇われ店長
 2)自然食レストラン開業
 3)古民家カフェを開業
 4)最初の古民家カフェが台風で損壊し、二番目の古民家カフェ&イベントスペースを開業
のようになります。

印象に残った文章を引用します。

【第二章 いざ自然食レストランスタート】《開店資金は7桁の借入金》から、借入金の保証人を受けて頂いた女医さんの話。
“その(保証人になって下さる方がおらず、困っていた)時、イベントでアジア雑貨を販売していた頃に知り合った女性のことを思い出しました。開業医の方でいつもシングルマザーの私のことを応援して下さり、よくカゴやスカーフを買って下さいました。(略)
「それなら保証人を引き受けるわ。(略)
 それであなたが経済的に自立できるなら、やった方がいいわよ」
その言葉を聞いた時、これは何かの映画のワンシーンなのかと思ったくらい驚きました。突然行ったその日に、その場でOKを出し、ハンコを押して下さったのですから。”(55p)

【第二章 いざ自然食レストランスタート】《自分で作った野菜で料理を作りたい》から、自然の野菜を知らないままスタートした頃の話。
“もちろん調理の仕事をしているので、春の新じゃがや、秋のさつまいもなど旬は知っていましたが、正直、小松菜やキャベツ、トマトやレタスなどは一年中、スーパーで売っているので、いつ種を蒔いて、いつ収穫しているのか、本当の旬を知らなかったのです。風にそよそよ揺れているアジアンタムのような葉っぱが、人参だってことも知らなかったし、秋になると大根や里芋、ごぼうや人参などの根菜が次々に収穫できることも知りませんでした。”(65p)

【第五章 愛おしい古民家暮らし】《夜の庭には危険がいっぱい!》から、夜に庭に出て、蛇に嚙まれ車椅子に乗る羽目になった話。
“自然に近い場所に住むことにはリスクが伴いますね。そんな場所にいると人間が中心だなんてとても思えません。たくさんの生き物たちに囲まれ、そのほんの一角に仲間入りして住まわせていただいている……そのくらいの気持ちで謙虚に暮らさなくてはと思います。同時に自然や、そこに住んでいる生き物たちの恐ろしさを決して侮らないようにと、人生で初めて蛇に嚙まれた女はしみじみ思うのでした。”(134p)

【第六章 古民家で忘れられない思い出】《テレビ番組出演でパニック》から、頼まれて民放のテレビ番組に出て、面白ろおかしく編集されてしまったあとの反省の弁。
“コロナ禍の今も私はテレビを見ません。もし見たとしてもテレビで放送されていることを鵜吞みにはしません。番組には全て演出というものがあり、放送の内容がどこまで本当かわからないからです。またスポンサーがある以上、逆らうこともできず、表現の自由と言っても、限られた範囲内のことだし、マスコミ自体が大衆を洗脳するためにあるのではないかとさえ思います。”(157p)

【第九章 質の高いイベントの企画】《コンサートやイベントには素敵なゲストたちがいっぱい》から、風楽に来た世界的なミュージシャンの話。
“風楽にいらして下さった講師やミュージシャンは数知れず。ヒーリングボイスの世界的な女王であり、映画「地球交響曲」のテーマソングを歌うスーザン・オズボーンはなんと4回も風楽に来てくれました。私もコンサートに通い、CDの中でしか知らなかった大好きなミュージシャンが初めて風楽に来て下さることになった時は、本当に信じられませんでした。
「エイコ、ここは愛と自然が満ちている素敵な場所よ」とスーザンが言ってくれた時は思わず泣きそうに。”(216p)

著者は幸運に恵まれたこともありますが、ご自身の相当な苦労もあったのだと思います。こんな記述もあります。
“(自然食レストランを始めた時期は)子どもたちは中学に入り一番お金のかかる時期。月末が近づくと毎月のように頭を抱えていました。お店の回転資金として残しておいた融資のお金もあっという間に消え失せ、定休日を作ったら売上が下がるので、年中無休で営業。私は口ぐせのように毎日「お金がない! お金がない!」を連呼!?”(62p)
苦労した人が成功した、ある種のファンタジーを読んだような爽快感を味わいました。

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川端 えい子(かわばた・えいこ)
1960年東京生まれ。
幼稚園教諭、生活クラブ生協などの仕事を経て39歳でフェアトレードのアジア雑貨と自然食材の店「風楽」を起業。
以来、23年、仕事(志事)を通して成長してゆくことを自分の人生の目的としながら暮らしています。
趣味は読書、旅、カメラ、筆遊び、料理、自然療法など人間の体の神秘を追求すること。

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