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2023年02月18日15:41

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映画話・映画大好きポンポさん

●録画してた映画大好きポンポさんを見る。天才幼女(?)プロデューサーのポンポさんの元、ナード野郎の「目が死んでる」ジーンくんがニャリウッドで監督としてテッペンにまでなりあがるサクセスストーリー。こういう新人成長物語ってのは当然ながら不安定な足取りをはらはらして見守るものであり、この作品にも存分にそういうとこはあるんだけど、ポンポさんやマーティンのおっさんなど周囲を固めるヴェテランが結構なしっかり具合なのでそこそこ安定して見ていられるってのは面白い。それでもクライマックス前にはキッチリ絶体絶命の危機はあるんですけどね。まあそれはお約束。

それはそれとして中盤、映画編集で行き詰ったジーンがブレイクスルーを経て再生するシーン。自分の映画への苦悩が作中主人公たるダルベールとシンクロして光明を見出すというシーケンスは実にエモーショナルではあるんだけど、これは同時に結構危ういバランスのネタだとも感じる。例えば小説ならともかく総合作品である映画で、「一介の」監督が作品そのものとそこまでべったり不可分に貼りつくことの是非、あるいはこういった製作者と作品のシンクロが発生することが必然となるってのは創作への可能性を限定することに繋がるんじゃないかとか。でもそしてきっと多分、このアニメの制作側はその危うさをコミで「そのようにしている」んだろうなとも思う。言うてしまえばそういった危うさを持たずに何がクリエイターじゃいということでもあろうし、そういう蛮勇的行動力がエンジンとなる厄介な人も是とすべきってとこもあろうしね。…案外トシ行ってから、ジーンさんが職業的/職人的にキッチリこなす監督になる道もアリだとは思いますけども。

それとは別にちょっとだけ気になったのは銀行マン・アランの資金調達エピソードで、十分に物語の要素とはなってんだけど微妙に「ポッと出」感を覚えまして。上記の編集のシーンの続き、映画的尺に収める為にあらゆるものを切りすてる覚悟と実践は制作者に必ずついてくるものですよ、それによって切り捨てられないコアこそが大事なんですよという話だけども、…うーんそうねえ。銀行話、うまい事切ったらこの映画においてはナシでも成立するよな。これが1クールの毎週アニメとか連載漫画とかならフッツーに同居できる要素なんだろうけども…ってまあ、これは私個人の好き嫌いに近いな。まあいいや。

あとまあすげえなーって思ったのは大物俳優・マーティンさんの描き方。このキャラの作品上の在りようっての、大塚明夫の演技力、もっと言えば映画外の情報も込みでの彼の存在感なんだろうな。気のいいおっちゃんかつ伝説の俳優、その双方に有り余る説得力を持たせるという力量は確かに、この人でもなきゃムリだったろう。劇中劇かつアニメのアテレコという二重三重のレイヤを介して「大物指揮者ダルベール」を演じきった演技力とディレクションにうーんと感心しました。プロだよな。

てことで、とても楽しく見られました。新人二人のジーンとナタリーはこっからがプロの試練であろうし、そういう話も見たいけども…ホンマ言うとお抱え監督のコルベットさんの作品をもうちっと見てみたいなとか思った。さぞかし80年代のテレビ洋画劇場でヘビロテするような映画ばっか撮ってんだろうなと思う。ちょっと懐かしくなっちゃった。うん。

●追記。あとで感想検索したらアランさんパートは原作に無くて映画で追加されたもののようで、原作ファンからは評判が良くないという感想がいくつかあった。なんかこう、そうなるとちょっと反発して応援したくなったりもするな俺。元々作品とその二次的要素を完全に切り離せないようなザコ思想の私だし、そこらへんはしょうがない。てことで、条件付きであのパートは是とします。どっちみち嫌いなエピソードでもなく、なんかちょっと浮いてるなーって感じだけだったしね。それでよし。
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