https://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=5160461&id=5314627
p.136
――ゲームにおける『ナラティブ』は、ゲームの設定、プレイヤーに与えられる役割、プレイヤーが達成しようとしている目標、遭遇するかもしれない他のキャラクターや要素で構成されている。ナラティブはプレイヤーがゲームの中でどのように行動できるかをフレーム化し、勝敗だけではとらえきれないプレイヤーの選択にインセンティブを与える。この『ナラティブな枠組み』により、プレイヤーはある結果を達成したいと思うようになる。戦略的価値に関係なく、ストーリーの結末を見たくなったり、ストーリーの中のキャラクターに親近感をもったりするからである。
ゲームがテーブルの上に置かれてプレイされると、プレイヤーはそのゲームにおける『ナラティブな枠組み』の中で、あるストーリーを共同で構築することになる。『アズール』のように『ナラティブな枠組み』がそれほど強くないゲームでは通常、プレイヤーはナラティブのレンズを介してゲームに入り込むことはない。一方、『アーカム・ホラー』のように、しっかりした『ナラティブな枠組み』があるゲームでは、プレイヤーははその世界に没入し、その世界の中で自分のストーリーを紡ぐよう誘われる。
最後に、ゲームにおけるナラティブとストーリーテリングゲームを区別しておきたい。ストーリーテリングゲームではストーリーを作ったり加えたりするメカニクスがあり、そのストーリーはゲームのメカニクスと相互作用する。通常、ストーリーテリングゲームはオーソドックスなゲームではなく、絶対とはいえないが、勝ち負けはない。――
p.159
「歩兵は騎兵に(方陣で守って)勝つ」「騎兵は砲兵に勝つ」「砲兵は歩兵に勝つ」というわけだ。
p.160
この文脈での「勝つ」とは「優位」という意味であり、通常、「100%勝つ」という意味ではないことに注意しよう。…
…
訳注6:例えばダイスAが2,2,4,4,9,9、ダイスBが1,1,6,6,8,8、ダイスCが3,3,5,5,7,7という目の場合
p.232
例えば『ザ・イクスパンス・ボードゲーム』では、プレイヤーはデッキを3つの山に分け、「得点計算」カードを各山に2枚ずつシャッフルする。これにより、「得点計算」カードがめくられるタイミングが正確にわからないようにして、ある程度均等に分配できる。
p.238
訳注5:"Hail Mary"は聖母マリアへの祈りの言葉で、運を天に任せた最後の賭けを表す。
訳注6:「月を撃つ」ように、非常に高く、達成の難しい目標を掲げること。
p.266
訳注9:"social deduction game"の訳。ソーシャル(グループ内に隠れた一部グループ)をディデュース(推理)することから名付けられた。Wikipediaでは隠し役割ゲームと同義とされている。
p.268
特にグループ推理ゲームで不確実性の元となるのは、ターゲットの可能性について話し合ったり、次の解決フェイズ(通常は「投票」である)に向けて調整したりする間の「構造化されていない会話」にある。
p.269
会話フェイズでは、うそをついたり、ごまかしたり、ブラフUNC-01をしたり、何かを装ったり、沈黙の中に隠れたりする機会が得られる。経験上このフェイズは非常に重要であり、このジャンルのゲームを楽しめるかどうかは、ゲームのこの部分をどれだけ楽しめるかに大きく左右される。
p.344
公開オークションを採用しているゲームはおそらく唯一、『モノポリー』だけだろう。実際にはおそらくほとんど見過ごされているルールだが、プレイヤーが銀行から物件を買わないことにした場合、その物件は公開オークションにかけられ、誰でも(銀行からその物件を買わないことにした本人を含む)好きな値段を付けられる。
p.364
イングリッシュオークションと公開オークションAUC-01の主な違いは、運営の有無にある。
p.380
固定配置訳注7はメタ・メカニクス(高次のメカニクス)であり、「どのロット(対象のセット)に入札できるか」というルールを設定し、ボードやカード上で入札を視覚的に表すことで、マルチロットのオークションを変更する。…
…
訳注7:より高い入札額のマスに置かれるとそのロットから追い出されることから、日本では「ところてん競り」と呼ばれることもある。
p.498
1,3,6,10,15,21……という三角数は、ゲームデザイナー間ではマントラや秘数と言ってもよい地位を築いている。膨大な数のゲームで用いられており、他の戦略すべて排除してどれか1つの戦略に特化することに過度なインセンティブを与えずに、より大きなセットの報酬を上げる。この点で信じられないほど汎用性が高いことが証明されている。また三角数の特性は、セットに2枚目を追加すると2点アップ、3枚目を追加すると3点アップ、4つ目を……というように、非常に直感的なものである。得点計算が三角数に基づくゲームをプレイしているとき、セットにn枚目のカードを加えたときにアップするのはn点である。
p.532
デッキビルドゲーム『コア・ワールド/コアワールド』のデザイナーであるアンドリュー・パークス訳注10は、これらのゲームの違いを、「動詞(アクション)のドラフト」と、「名詞のドラフト」として説明している。ほとんどのデッキビルドゲームは前者、『オルレアン』は後者である。『ドミニオン』のようなデッキビルドゲームでは、ほとんどのカードはプレイするだけでアクションを行うことができるが、これがバークスが言う「動詞のドラフト」である。一方『オルレアン』では、袋からワーカーを取り出し、いろいろなアクションに割り当てる。しかし、ワーカーの種類に応じたアクションがあるのではなく、アクションを発動させるためにワーカーの特定の組み合わせが必要となる。いわばセットコレクション(Chapter 12)のようなもので、これをパークスは「名詞のドラフト」と呼ぶ。彼自身の作品『アサルト・オブ・ザ・ジャイアント』では「形容詞のドラフト」、すなわちボーナスや追加能力を提供する変更子をプールから引いて、既存のカードやキャラクターに付け加えるのが特徴であり、プールビルドゲームを作る別の方法を提示している。
独特なグラフィックスと本格的な戦略が楽しめるデジタルボードゲーム「Spiritle」に注目
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=159&from=diary&id=7241386
中国深圳市のゲーム開発会社「FABLED GAME STUDIO」が配信を予定しているデジタルボードゲーム「Spiritle」。
独特の柔らかいグラフィックスや、動物を主役とした一風変わったイメージなどでアナウンストレーラーが配信されてからかなり注目を集めている作品です。現在TBA(後日発表)の状態でSteam上ではアナウンスされていますが、すでにアナウンストレイラーから一年が経過しており近日中に登場することが予想されています。
開発をしているFABLED GAME STUDIOは「PIRATES OUTLAWS」というローグライクなカードゲームを開発・配信しており、こちらはSteamだけでなくiOSやAndroidでも配信されていることから、目にした方もいるかもしれません。
本作品も「PIRATES OUTLAWS」の印象を色濃く受け継ぎ、ゲームトレイラーや公開されているグラフィックスを見ても日本人にも受け入れやすい柔らかさが一番の特徴と言えます。
本作「Spiritle」はターン制のデジタルボードゲームです。少しクオータービューのようにも見える特徴的なマップボード上で精霊を操ってクエストをクリアしていくというオーソドックスな作りになっています。
使用できるキャラクターである精霊は動物が擬人化したような姿をしており、メインイラストで使われている狐だけでなく、熊やネズミなど現在アナウンスされているだけでも8種類のキャラクターが登場します。
どことなくディ○ニーっぽいイメージのある可愛いキャラクターを選択した後、マップボード上に配置します。
キャラクタースキルと、ボードのマッチングに成功すると敵キャラクターを攻撃、これをターン制で繰り返していくことでマップを攻略していくという割と本格的な戦略性が求められるタイトルになっています。
ゲームモードは複数用意されており個人戦、マッチ対戦、チームモード、パーティールームなど複数のモードで遊ぶことができ、クロスプレイにも対応するようです。
マップボードは同社お得意のローグライクを謳っており、ボードそのものや、マップブロック、クエストなどは毎回ランダムで決定され、新鮮な気持ちで毎回プレイを楽しむことができます。
またワールドボスの登場も予告されており、ボスの討伐に向けて繰り返しクエストをクリアすることでより強い装備を入手していくことも目的の一つとなっています。いわゆるハックアンドスラッシュの要素なども存分に楽しめるようになっていますね。
なお、本作はiOSやAndroid版も予告されています。
<参考・引用>
「Spiritle」steam
「Fabled Game」公式youtube
Fabled Game公式サイト
※画像はプレスキットより。
(上村健太郎)
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