みつめる
夜
大空をみつめる
雲間を突きぬけてくる、光
あのひかりのひとつびとつは
花なのです
大空をみつめる
夜
心に守られた
( )のなかのようなものを
大切な小筥にしまって(それが何なのかはわからないのだが)
すべてのものおとのしじまを聴く
〈淋しい〉と言う品詞でないと形容できないものかなしい世界に
からだも
つまり、身のうち総ての器官のすみずみまでしずまって
大空から
ふってくる花のような心を待っている
心の( )のなかのものを
大切な小筥にしまって
好きなひとに捧げるように
そのひとの言の葉に
泪するように
ただ想うだけなのに
もう、満ちてしまって
何にもいらないのに
大空から
ふってくる花。
指田悠志
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