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2022年11月17日10:20

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酒精のうた

酒精のうた


縁の欠けた 茶碗に
注いでのむ酒は
澄みきった 魔物のようで
心が毀れてしまいそうな できごとのあった晩にも
小鳥のように飛翔する脳髄の陶酔であり
むなしいのです

縁の欠けた茶碗は
酒を湛えてうつくしく
澄みきったにくしみのように
傷ついてしまった脳髄のいたみを
眠りのようにいたわる一種の麻痺であり
かなしいのです

酒精は結局神であり
酒は神の気まぐれによって生まれた魔物なのです。


指田悠志
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