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2022年11月12日04:37

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瀞のくに

瀞のくに


ふととまどってしまうような
清みわたった蒼空をいただきながら
眠る峰々を従え 大河をはべらせ その側らに
清みそこねた水が瀞となり藁くづを浮かべている

声を出すことに馴れた
蜜蜂のようなこどもたちは
自分達の運命を知らずに生きてゆく その側らに
清みそこねた水が瀞となり藁くづを浮かべている

年老いてゆく谿に
ひとびとが今生の不運を嘆くのをよそに
月はいままほろばの空を昇ってゆく

穢土とは人の心の濁れるさまを言うのだ
澄みきわまる星々をいただきながら眠る峰々
打ちよせる淪。


指田悠志
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