非常に抽象的な表現とは認識したうえで(^^;、
オーディオで聞く音楽と、コンサートやライブ(あるいは知人が身近で奏でる楽器の音も含む)との違いは、鼓膜の振動による「聴覚」として脳に入ってくる音楽と、それに加えあたかも皮膚呼吸するかのように、皮膚感覚、身体の「触覚」として入ってくる音楽との違いではなかろうか。
耳を通して取り込む音楽と、更にそれに加えて、身体を通して取り込む音楽。
入力系統としての「聴覚」と「触覚」。
皮膚が酸素を取り込み呼吸するかのように、皮膚が音を取り込む感覚。
「マルチメディア」という言葉が聞かれて久しいが、そもそも人間そのもの自体、私たちの入力系統である五感をフル稼働して物事をとらえ、認識するマルチメディアな存在なのかもしれない。
視覚を通し、その存在を可視化して確認・認識できるものと、
必ずしもそうではないもの。
視覚を通さないがゆえに、逆にその存在を感知・察知できるもの。
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」
古今和歌集に収められた藤原敏行の和歌。
ここにも、人間の持つマルチメディア的な感覚と、視覚と聴覚の差異を感じずにはいられない。
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