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日記一覧

今年を総括するとしたら「立ちはだかる新たな疑問の壁にぶち当たってしまった年」そして「例年以上に本を読んだ年」ということになるだろうか。かつて音楽、詩、美術、舞踏は、ムーシケー(musicの語源)の名の下、分かちがたく結び付いていた。空気の振動が

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日日日記 美の持つ魔力
2022年12月25日12:09

「この神社(春日大社)のそれぞれの建物が美しい。ではなぜ美しいかというと、この(背景の)自然と融合しているからこそ建物の美しさも感じられるし、同時にそこにある自然の美しさも感じられる。ひょっとしたら、そういう人間の信仰の気持ちというものは、も

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武満徹、坂本龍一、モリコーネ、ヨハン・ヨハンソン。私の好きな作曲家には共通する要素がある。いずれも現代音楽やポピュラー音楽に活動の基盤を置きつつ、同時に映画音楽の分野でも優れた作品を手がけている。彼らが作り出す映画音楽は、映像を主役に立てつ

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「ポスト・クラシカル」という音楽ジャンルがある。西洋古典音楽としての「クラシック音楽」の流れを汲みつつ、いわゆる現代音楽とは異なる進化を遂げた音楽だ。ひとむかし前の「ニューエイジ・ミュージック」と共通する、ピアノや管弦楽オーケストラなどのア

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車の浅い傷と深い心の傷
2022年09月09日18:48

さて、車が無事納車となった後に起きること、それは…、キズを付けてしまわないこととの、そしてキズが付いてしまった後の自分の気持ちとの「戦い」だ。この状態はまさに「戦い」それも「仁義なき戦い、果てしなき戦い」という言葉がふさわしい(^^;)神経質な

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非常に抽象的な表現とは認識したうえで(^^;、オーディオで聞く音楽と、コンサートやライブ(あるいは知人が身近で奏でる楽器の音も含む)との違いは、鼓膜の振動による「聴覚」として脳に入ってくる音楽と、それに加えあたかも皮膚呼吸するかのように、皮膚感

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「音」という漢字は、どうも良くわからない。「日が立つ」と書いて「音」。そこに、音に関わる聴覚的な要素はない。むしろ「立ち上る朝日を見る」といったような視覚的要素の方が強いように思える。そこで気になって、この漢字の成り立ちを調べてみた。どうや

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「波の盆 武満徹 映像音楽集」尾高忠明指揮 NHK交響楽団を聴く。先ごろリリースされたばかりの、尾高忠明/武満徹の新作だ。武満の作品を日本人指揮者が振ったり、日本のオーケストラが演奏すると、「日本的なもの」に起因するドメスティック、土着的な匂い

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「それを見るまでは、とりあえず生きていたい」と思い、それを見終わった後は、「ああ、生きているのも悪くないな」と思えるような、それを良いコンサートというのだと思う。先日の、「音の魔術師」との異名をとるシャルル・デュトワによるオールフレンチプロ

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日日日記「異形の姿」
2022年05月22日13:23

過剰な圧力をかけられ湾曲した木材、張り詰めた緊張を強いられ折り曲げられた鋼鉄線。優雅な曲線美は、同時に不自然に曲げられ歪められた、緊張みなぎる異形の姿。自らが進みたい方向へと伸びゆく植物が形作る、しなやかな自然の造形美とはまったく異なる、人

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シェーンベルク「浄められた夜(弦楽合奏版)」カラヤン/ベルリンフィル熟れきって朽ちゆく直前の果実が放つ、濃厚で強い甘い匂い。あとわずかで、自らの重みに耐えかね、引力にまかせて落ちゆくしかない、自らの形を保っていられずに、引力に任せ落ちる間際

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今日の日曜美術館は「まなざしのヒント〜西洋美術を楽しむコツが満載の特別授業を開講」現在開催中、いずれも珠玉の名品揃いのメトロポリタン美術館展から、1枚の絵をピックアップし、その作品のどこに自分のまなざしを向けるか、何を読み取るか?何を思うか

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シルヴェストロフ作曲「捧げもの〜ヴァイオリンとオーケストラのための交響曲」「ポスト・スクリトゥム(追伸)」vn:ギドン・クレーメルシルヴェストロフはウクライナ、キーウ出身の作曲家。現在はキーウを逃れ、避難先のベルリンで作曲を続ける。あらゆるも

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「人生って、今は100年くらいかかるものでしょう。100年くらいかかるものを言葉にすると『人生』って、ひとことになっちゃう。その100年どこ行っちゃうんだよ?って話で」〜NHK BS「まいにち養老先生、ときどき…」より複雑に広がる木の枝振り。その姿形を言

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未視の絵画、未聴の音。自分にとって異質なもの、異様、異形の存在と初めて接するときは、自分の感覚、感性を研ぎ澄ませリセットさせなければならない。未体験のものは、ひょっとしたら自らに災いや危険をもたらすものかもしれないから。感覚がリセットさせら

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私の好きな音楽評論家・音楽学者、岡田暁生、片山杜秀、そして小沼純一各氏。みな、好きな音楽家同様、私にとって憧れのヒーローのような存在だ。岡田先生と片山先生はその博覧強記ぶり、そして「アレ」と「コレ」をつなぐ・結ぶ発想の豊かさ、斬新さにいつも

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「人の心を動かすことができなければ、芸術ではない」 連続講座「芸術は何処に?」読了。芸術はどこへ向かっていくのか。美術評論家、経済学者、哲学者、動物行動学者、音楽学者らといった、芸術と「外部から」向き合う者と、画家、陶芸家、指揮者、演奏家、

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