風薫る5月も、もう終盤。
まさに今、この時期は、春と初夏のその両方が混在する過渡期。
春の終わりでもあり、そして夏の始まりでもあり、更に梅雨の時期でもある。
複数の異なる季節の色彩の過渡期、それは四季が織りなす色彩の滲み、淡い色彩が交錯し徐々に濃度を増しては、また淡い色彩から濃度を増して別の色に移ろいゆく、季節という名の色彩が織りなすグラデーションを見ているかのようで。
「淡い:あわい」は「あはい」即ち「間」。
そして「あい」にも通じるもの。
愛、会い、逢い。
そして「あいうえお」のはじまりの音。
はじまりでもあって、「間」でもある言葉。
言葉でもあり、「あい」と口にすることで響く音でもあり。
そして「わをん」:和音の音の響きで閉じる。
季節のあわいは、ひとつの季節と別の季節が交錯し混在し、紫陽花のうつろいゆく花の色のように、淡いグラデーションを彩る期間。
「うつる」は、映る、写る、そして移る、
更には「うつろ」「うつつ」にも通じる言葉。
うつつのうつろい、あはいはあわい。
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