mixiユーザー(id:39904538)

2022年08月17日16:54

58 view

福島原発事故

今年もまた8月15日が来た。
日本が戦争に負けて77年が過ぎた。
我々の社会はあの戦争からなにを学び何を手にしてきたのだろうか。戦後の平和と繁栄はあの戦争から学んだものだろうか。
以前安倍晋三はさかんに”戦後レジームからの脱却”という言葉を使ったが、それは敗戦を否定し戦後民主主義を認めず、戦前へ回帰することであった。つまり戦争からは何も学ばず、戦後民主主義は与えられたものという歴史認識である。

白井聡の「永続敗戦論」のなかに”2011年3月11日の東日本大震災における福島原発の被害は太平洋戦争と同じだ”というくだりがある。
なにが同じなのか、同本のなかから引用してみる。
 責任者たちの当事者意識を欠いた言動、不決断と混迷、空虚な楽観主義、深刻な事態の過小評価、責任の不追及、たった70年前あの戦争は日本人だけで300万人の命を奪った、厄災の性質は異なるとはいえ、全く同質の原理が展開されている・・”

なかでも責任の不追及ははなはだしい。
さきの戦争においても戦争を始めた当事者たちを誰一人裁かず、神として祀る。そして大勢の政治家が靖国神社へ参拝する。これはどう見ても異常な風景だ。
福島原発の事故もそれを推進した政治家、官僚の誰一人責任を問われない。聞こえてくるのは”あの津波は想定外だった”という言葉だが、専門家からは以前から津波対策の不備を指摘されていた。さらに東電内部の技術グループからも指摘されていたが経営陣は無視した。

先月東京地裁で東京電力の元会長ら4人に福島第一原発事故の損害の賠償として13兆3210億円を東京電力ホールディングスに宛てて支払うよう命じる判決が出た。判決後、元会長の勝俣恒久は”私は知らなかった、すべて担当者にまかせていた”と言い放った。まさに当事者意識の欠如である。
株主からの請求は22兆円あまりだが判決で13兆円あまりとなっても4人の経営者に払えるはずもなく、すべてが国民負担となってしまう。

この事故の責任は4人だけなのか、もちろん4人の責任は重大だが、他の経営陣や様々な問題を握りつぶした上司は、推進した政府は、官僚はどうなっている。
さらにこの事故の解決までには今後長い年月を必要とするのはだれの目からでも明らかなのだが、政府は早々に「事故収束宣言」を出した。(野田首相)
その理由は”原子炉の冷却が安定し、復旧が進んだ”とした。
現在でも廃炉の見通しは全く立っていない。(ロードマップだけはあるようだが・・)

だれも責任を問わず、戦争を忘れる。・・・誰も責任を問われず、事故を忘れる。


2 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する