リーンアウト、リーンイン、リーンウィズの使い分けについて書きます。
これ、使い分けが出来てるライダーは少ないと感じています。
教習所で三種類のフォームについて学習した時に、どう使い分けるか説明がなかったので、いまだに疑問に思ってる方が多いと思います。
いつも同じフォームで曲がってるライダーが7割以上と感じています。
低速コーナーはリーンアウト、高速コーナーはリーンインで曲がると書いてあるものがありますが、間違えではないですが絶対正しいとも言えないです。
低速コーナーでもリーンインやリーンウィズのほうが良い場合がありますし、高速コーナーでもリーンアウトでも良い場合があります。
結論を言うと、その時の状況に応じて使い分けるのがベストです。
具体的な使い分け方法としては、あらかじめ、リーンインにしようとかリーンアウトにしようとか決めておくのではなく、その時の状況で変化させるのが良いです。
サーキットのように、いつも同じ道を同じ速度で走るなら、いつも同じでも良いですが。
臨機応変に使い分ける為には、コーナーの入り口は、リーンウイズか僅かなリーンインで入るのが良いです。
入り口からリーンアウトやハングオフだと、臨機応変な使い分けは難しいです。
僅かなリーンインまたはリーンウイズでコーナーに進入して、ステアリングを切りながらバンクさせていく時に、最もバランスが取りやすいフォームに変化させていきます。
バイクだけをバンクさせていけばリーンアウトになります。バイクより先に上体を内側に入れていけばリーンインになります。バイクと上体を一緒にバンクさせればリーンウイズになります。リーンウイズで倒していって、途中でバイクだけ更に倒していけばリーンアウトになります。リーンウイズで倒していって、途中でバイクのバンクを止めて体だけより内側に入れていけばリーンインになります。
臨機応変にフォームを変えていくと、安定感を上げられるので、より速いコーナリングも可能になります。
リーンインやハングオフより、リーンアウトやリーンウィズのほうが速い状況はたくさんあります。だからスーパーモタードとかでは、リーンウィズやリーンアウトも多様するのです。
バイクのコーナーリングは、アクセルやブレーキによるピッチングの荷重、尻による前後左右の荷重、ステップによる左右上下の荷重、上半身による前後左右上下の荷重、ステアリングの切り方、バンク角等によって曲がります。道路状況も様々です。
これらが複雑に絡み合ってコーナーリングしていますから、その割合によって、リーンインが良いのかリーンアウトが良いのかリーンウイズが良いのか、何がその時に最もバランスを取り易いのか変わってくるのです。
これはバランスの問題なので、その瞬間は理屈で考えて判断するより、感覚で判断したほうが良いです。
バランス感覚に優れたライダーは、バイクと自分と両方の重心位置を常に把握しています(無意識の場合が多いです)。重心位置をコントロールする事により、速くて安定したコーナーリングを可能としています。
リーンインにするかリーンアウトにするかリーンウィズにするか、その時に感覚によって変化させてるのです。
一流のオフロードライダーは、刻々と変化する状況に合わせて重心位置をコントロールするために、リーンインになったりリーンアウトになったり頻繁にフォームが変わっています。一つのコーナーの中でも、フォームが変わる事はめずらしくないです。
公道を普通に走るには、リーンインだけ、リーンウイズだけ、リーンアウトだけ、ハングオンだけ、ハングオフだけでも、問題を感じないでしょうが、臨機応変な使い分けが出来るようになれば、より安定した走りが出来るようにるので、結果的に転びにくいし速く走れるようになります。
一般的に最も難しいライディングの一つにUターンや回転があります。
Uターンはリーンアウトでするのが良いと書いてあるものが多いですが、それは事実ですが、状況によってはリーンウイズが良い場合も、リーンインが良い場合もあります。
一流のジムカーナライダーを見ると、Uターンや回転が選手によって、リーンアウトの場合も、リーンウイズの場合も、リーンインの場合もあります。
彼らは、最も速くてバランスが取れるフォームを選択しているのです。それは低速コーナーであってもリーンアウトとは限らないのです。
使い分けが出来るようになると、公道においては、ハングオフは必要ないと気づきます。
ただしハングオンはリーンインの変形に見えますが、リーンアウトのメリット、リーンインのメリット、リーンウイズのメリットを使い分け出来ます。
ハングオフが必要な場合は、荷重をかけてハンドルを使っても、まだタイヤのグリップに余裕があるけどバンク角に余裕がないので、リーンインより内側に荷重をかけたい場合だけです。
ハイグリップタイヤをはいたサーキット走行以外では、ハングオフは必要ありません。
(ここで言うハングオフは現代風の肘が擦れるような上体が内側に入ったフォームの事で、30年以上前に流行った頭をセンターに残したフォームをハングオンと呼んでいます。ハングオフはリーンインの変形と言えますが、ハングオンはリーンウイズまたはリーンアウトの変形と言えます。)
ハングオンやハングオフをする人は、コーナーに入る前の直線部分で腰を内側にずらし終わってる人が多いですが、フォームの使い分けをする為にはタイミングが早すぎます。曲がるきっかけの荷重移動のタイミングにずらすのが良いです。バンクさせ始める直前のタイミングです。
または、やっている人は殆どいませんが、最後のタイミングが良いです。リーンインでも荷重が足りないと判断した時に最後に腰を滑らすようにずらします。
今後使い分けを意識してみてください。
使い分けが出来るようになったら、状況に応じた重心位置をコントロール出来るようになっていますから、バイクで転倒するなんて基本的にはあり得ないと思えるようになります。
特にバランスを取りにくい状況で効果を実感できます。
スーパーモタードの一流選手は、走り方を見ていると、皆この感覚を持っていると感じます。
余談ですが、マルケスはこの感覚を持っていません。だから転倒が多いのです。マルケスは勢いで走ってるので調子が良い時はゾーンに入るので無意識に出来るので良いのですが、それ以外の時は微妙にバランスが狂い重心のコントロールが出来ていません。
野球のバッティングで一流打者でも、調子が良くない時は微妙にタイミングがずれているのに似ています。
そういう時に最速タイムで走ろうとすると事故ります。最速タイムを狙うより先に、重心コントロールが出来ているバランス感覚にするのが先です。調子が良くない時は攻めてはいけないのです。
感覚重視で走るのは、調子の良い時は研ぎ澄まされた感覚(ゾーン)で走れるので良いのですが、そうじゃない時に調子の良い時に近づけられる理屈を持っている必要があります。
追記
マルケスは以前は出来てなかったですが、2022年シーズン以降は使い分けが出来るようになっています。今後は転倒が減るでしょう。
ログインしてコメントを確認・投稿する