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2022年06月02日11:58

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大島渚映画_4

愛の亡霊
この映画は「愛のコリーダ」(1976年)の後1978年に作られた。
映画としては「愛のコリーダ」より「愛の亡霊」のほうがすぐれていると思う。
「愛のコリーダ」は斬新な制作方式で世間をあっと言わせたが、どうにもならなく破滅へ突き進んでいく男女を描くというところでは「愛の亡霊」のほうがすぐれている。
「愛のコリーダ」は封切りのとき映画館で見たし、数年後ノーカットぼかしなしのフランス判も入手して見たが、こちらは阿部定事件という事実を映画化しているため、人間を描くところがいまいち深みが足りない。
「愛のコリーダ」は究極の愛欲が”芸術かワイセツか”の論争を呼んだことで知られている。

あらすじ
 明治時代の片田舎で義三郎(田村高廣)という車引きを生業とする男の妻でせき(吉行和子)と村の若者で兵隊あがりの豊次(藤竜也)の物語で、前々からせきに気があった豊次はふとしたことでせきと道ならぬ仲になってしまう。
二人は義三郎が邪魔になり二人で義三郎の首を絞めて殺してしまう。そして森の中の古井戸に投げ込む。
せきは村人たちには義三郎がいなくなったのは都会へ出稼ぎに行っているという話をする。豊次は山の落ち葉を集める仕事をしているが、集めた落ち葉を義三郎を投げ込んだ古井戸に落としている。
せきは義三郎の幽霊を見るようになる。三年がたち義三郎から何の便りもないのを周りで怪しみ始める。
新しく村に赴任してきた駐在(川谷拓三)はあやしみいろいろせきに尋ねるが、確たる証拠がない。
村の地主の若旦那(河原崎建三)が豊次が落ち葉を古井戸に投げこむのを見て、豊次が義三郎を殺したのではと気が付くが古井戸を覗いているところを豊次が締め殺す。豊次は若旦那を木から吊るし自殺に見せかける。
義三郎の幽霊になやまされるせきは”これ以上たえられない、殺してくれ”と豊次に頼む。豊次は”もし捕まったら義三郎を殺したのは自分一人だというから何も知らないといってどこかへ逃げろ”という。
次の朝駐在が大勢の警官と一緒に踏み込むと、抱き合った二人がいる。
二人は警察から拷問を受け豊次は義三郎を殺して古井戸に投げ込んだことを白状する。(拷問のシーンは凄まじい。)
古井戸から首に縄が巻き付いた白骨が引き上げられる。
数年がたち二人か死刑になったということが風の便りに村にもたらされる。(ナレーション)

仕事から帰ると酒を飲んで寝てしまう義三郎に不満があったせきがちょっとしたことで豊次と不倫関係になってしまったことで、だんだん深みにはまりついには義三郎を殺してしまう。義三郎の幽霊に悩まされどうにもならなくなり破滅へと転げ落ちていく。

「愛のコリーダ」のようなあからさまな性行為はないが、どうにもならなくなって転落していく男女の業が凄まじい。。



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