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2022年06月02日11:51

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大島渚映画_3

反骨の砦
この映像は見たことが無かった。
筑後川上流の下筌ダム建設反対闘争のドキュメンタリー映像である。
地主(室原知幸)が私財を投げうって砦を築き、住民一丸となってダム建設に反対した紛争の記録映像である。
1958年から1971年までの反対闘争で通称「蜂の巣城紛争」として知られている。

私は九州福岡の出身なので中学生のころからずっとこの紛争があったことは何かにつけ報道されていたので知っている。

映像は川べりに構築されたバラック状の砦に室原知幸氏と住民たちが立てこもって反対闘争を続けるさまを淡々と撮っている。
最後は土地収用法による強制撤去で砦は壊され、住民は立ち退かされてしまう。
蜂の巣城紛争は日本のダム建設史上最大の反対紛争といわれた。
地域住民の人権を無視して何が何でも作るという国のエゴとの壮絶な争いである。

結局下筌ダムは出来たがその後どうなっただろうか。
必要ないと言われながらも作ってしまった八ツ場ダムや、諫早湾の潮受け堤防や、成田三里塚紛争など国が住民を無視したゴリ押しによる紛争は全国至る所にある。
この映像はその一例で、我々は国家が実体化し様々なものを住民の犠牲として押し付けてくるのをいま一度見直し考え直す必要があると思う。沖縄の米軍基地の問題しかり、地震で明らかになった原子力発電所の脆弱性しかり。

残念なのはこの映像は砦における反対闘争から始まっているのでこの映像を見ただけではこの闘争の経緯や砦を作るに至ったいきさつなどはわからない。


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