水曜、今日は電車で通勤……何故かと言うと、帰り、今日は横浜で映画を観るのだ。
映画は、
「バブル」。
これは、映像と音声のいい劇場で観たい……そこで、T−JOY横浜のドルビーシネマで観賞。
これは、アニメ「進撃の巨人」の荒木哲郎が監督を務めたSF長編アニメ。
劇場アニメに多い俳優を声優に起用しており、志尊淳、広瀬アリスが出演。ヒロインをエンディングテーマも担当するアーティスト、りりあ。が演じている。
尚、本作は劇場公開に先立ち、NETFLIXにて世界配信されている。
突如、世界に降り注いだ泡<バブル>は、重力異常を引き起こし、大混乱を生んだ。やがて、バブルは東京に集まり、東京都心を覆うようになる――それから5年、降り積もった泡により水没し、廃墟と化した東京は、バブルにより家族を失った一部の若者たちの住処となり、ビルからビルに駆け回るパルクールのチームバトルの場と化していた。
そんな若者たちのひとり、ヒビキは、<タワー>攻略の最中、海中へ転落してしまう。溺れかけたヒビキを救ったのは、不思議な力を持つ少女ウタ。驚異的な身体能力を持つウタは、ヒビキや彼のチームメンバーたちと一緒に暮らし始めるが……
このアニメ、既に配信もされているのだけど、これは劇場公開の価値あり。濃密に描き込まれた廃墟の東京を、若者たちがパルクールの技を駆使して、駆け、登り、そして跳ぶ……その躍動感とスピード感、これは大スクリーンでこそ楽しめるものだろう。
パルクール協会の協力もあって、パルクールの描写にはリアルさを感じさせるし、廃墟に住まう若者たちの間で、何故、パルクールがブームになっているのかにも説得力がある。
だが、この作品、既視感だらけなのだ。東京が泡に覆われて壊滅、と言う描写には「首都消失」を連想したし、エイリアンと音楽で交信する、と言うのは「未知との遭遇」、重力異常で、建造物や車両が浮遊しているのは「シン・エヴァンゲリオン」……そして、作品モチーフになっているのは「人魚姫」なのだ。
勿論、こうした作り自体は悪くない、「エヴェンゲリオン」だって、そうした引用だらけなのだから。
重要なのは、それで何を語るか、だ。
バブルは、宇宙からやって来た生命体であり、音楽によりヒビキと交信し、ヒビキの呼気の泡と交わって生まれたのがウタであり、彼女が、バブルと人類を繋ぐ――と言う壮大な物語自体はよいと思うのだが、その描写が余りに稚拙、しかも説明不足で、これでは意味が伝わらないだろう。
むしろ、この設定をもっと膨らませないと、そもそもSFにもなりはしない。
NETFLIXで先行公開されたせいもあり、ネットでは酷評も見られる。
だが、本作が駄作と呼ばれてしまうのは、主演級に声優を起用しないからでも、虚淵玄がハッピーエンドにしないからでもない。
物語が、語るべきものを語らないからだ。そして、この物語、幾らでも語れる内容と、優れた描写力がありながら、それに至らない事が、勿体なく思えた。
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