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2022年05月03日20:15

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大砲の音が鳴るとき、芸術の女神は黙る

シルヴェストロフ作曲
「捧げもの〜ヴァイオリンとオーケストラのための交響曲」
「ポスト・スクリトゥム(追伸)」
vn:ギドン・クレーメル


シルヴェストロフはウクライナ、キーウ出身の作曲家。
現在はキーウを逃れ、避難先のベルリンで作曲を続ける。

あらゆるものが、本来有していたコンテクストから分断された現代社会を反映するかのように、調性を分断された無調の響きの中に、その消えゆく調性を懐かしむような郷愁と哀愁に満ちた音楽が浮かんでは消えゆき、交錯する。
そんな西でも東でもない、そして調性音楽でも無調でもない、どこか非現実的でこの世のものならざる夢幻的な作風を特質とする。

クレーメル曰く、「この音楽は『ヴェニスに死す』、いや正確には『キーウに死す』だ」と。

「私は音楽を続けたかった、でも音楽で戦うわけではない。
『大砲の音が鳴るとき、芸術の女神は黙る』ということわざがあります。
芸術の女神は沈黙しつつも、別の”音域”に存在し続けます。

私は怒りを感じていますが、音楽でそれを表すことはしません。
怒りは味方だけでなく、敵にも力を与える。だから芸術の女神は沈黙するのです。
音楽は平和の価値を教えてくれます」

〜シルヴェストロフの言葉(NHK「クラシック音楽館『ウクライナ侵攻 芸術家たちの戦い 今こそ平和の響きを』より」



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